dream 夢

 

朝に
なる

酔いつぶれて
ねむって

朝になる

雨ですね
今朝は

雨が地上を叩いている
椋鳥が鳴いた

夢を
みたいな

夢のなかに
目覚めたいな

なんども
なんども

夢のなかで
目覚めたいな

週末には海を見ていた
ひかっていた

夢だったのかな

 

 

 

cheap 安い

 

世界の
果てに

捨てる
捨て去る

石油と
石油製品と

鉄パイプと
核と

ゴミ袋を
捨てる

道端に捨てる

山積みになったゴミのなかに
子どもたちは

暮らしていた
ゴミを拾っていた

汚れた鉄パイプの椅子で
少女は手淫した

わたしを見てといった

 

 

 

仲良くできないわ。結構、頑張ってきたけど頑張った結果

 

爽生ハム

 

 

時計が遅れていたら
時間をとり戻すのにとり憑かれる

ほっぽりだして、対岸へむかう
アキレス腱がシナリオ通りに躍動する
いつもながら、私は借りれる
暴れる映像になった私を、川が挟んで騒がしい

サラダ、泣く、蓋…
昼食を川にとられた

私はこっち、
スカートは緞帳でエラく膝にのしかかる、真面目に言っています

真面目ついでに
ビル群の片面の清掃は私に任して下さい
傘をさして台風でもお天気をお伝えする演技をしますから

自動木馬に白い布が被さる
餅のように膨れ風が殻を破る
酢のきいたおかずで動いている私は
時計を外して絵画をかけました

眺めてたって溝はうまれる
見つからないように目で追ったのに、口惜しい

マイクロフォンにぶちまける
胎内仏が私でいいよね

そして、アラームを止める
アラームを聴く

曇の下まで落ちた
目は池に沈む
それは共にある、0メートルの沈殿
エコーが閉園を告げ、スカートの緞帳が曇を片づける

私は
気のきいた神殿で寝ることにした
恥かもしれないが、
この缶詰は流れやすい

 

 

 

big 大きい

 

ひかって
いた

風はかすかに
流れていた

朝日を
受けて

海原はひかっていた

ひかりの玉は
浮かんでいた

いくつも浮かんでいた

いくつもいくつも
浮かんでいた

その先に
おひさまは浮かんでいた

おおきいのかな
おひさまは

見つめることができない

 

 

 

now 今

 

さっき
雀たちが鳴いていたのに

雨が降りはじめた

雨粒が
地上を叩いている

多摩川のうえを
羽田から飛んだ飛行機が遡上している

尾形亀之助は
あの世のどこだろう

詩を書いているだろうか

此の世のものか
詩は

きみの背中を抱く
きみの普遍的な背中を抱く

 

 

 

閉じたエレベーターガール

 

爽生ハム

 

 

アルバイトして、鳥
してバイトしたら鳥に見られる
砂糖の大群にも見られる
詰めよられる

鳥、雪山にもいる
車を動かし続けて写経していく

撮れ、形在る自然におかれた
念頭にない頭

地図で見られても全然うごいてない
指さした甲に積もる雪を感じることが大事になってきた
砕けた石を見てるにすぎないことに負けていました

旗、やっぱ、旗なら届く
ドロップ舐めて仮装する舌に個の往来が生じる
生じたつもりか

暴力的すぎない?君の家はどこ?

夜な夜な、かけあう声は
きっと
雪山に繋がるはず
そこへ、かけこむ動物が形成していく土俵
を踏んでカメラをかまえる

どこいっても王冠

もう夜か…
動物の日当を見てる

 

 

 

@141010 音の羽

 

萩原健次郎

 

 

DSC02047

 

苦い匂いが立っている。
夕暮れは、麓の家々で魚を焼く。
海の産物が、川風を遡行して、山裾を抱く。
はらわたも、骨も皮も
薄茶色に焦げて、レンジの上
換気扇を通って外気に混ざっていく。
ラジオから漏れている
明るい嬌声も
それもまた、苦い匂いに似ている。

すれ違う、老人の眼も
華奢な愛玩犬の眼も
焼かれ、焙られる魚のようで
覚っているようだ。

小皿には、茹でた青菜
おろした大根
醤油
それらも、卓に並べられているだろう。

生の匂いが、だれかの袖の中に潜んで
懐には、少量の水が流れている。
ざわざわと
笹の葉末が擦れて
住居から、その音に漏れ
苦い音楽になって溢れてきている。

昨日、それから数年前、
それからもっと古いこと
ひと昔、

窒息しそうな悲しい時間が
食卓に並ぶ。

小さな犬の泣く声は、
黄色く鋭利で、
それもまた、夕刻の無残で、
一匹一匹の声が、
音域を鮮明に分けて辻に満ちている。

恋情という匂いかなあと
川面の逆光を舐めて
こちらへ迫ってくる気配。
そちらはもう、ほの暗い夜から
朝になろうとしている。

苦い匂いを懐かしむように
川は、
誰かを、何かを慕う無数の人間を
流してきた。

犬も魚も青菜も、
肉の
器具も。