wake 目が覚める

 

ぼんやり
してる

だれなのか

ゆめなのか
あなたなのか

あなたではないのか

たちあがって
蛇口をひねり

コップの水を飲む

ぼんやりした場所から
消えていったものたちが

たちあがる

あなたなのか
あなたかい

水を飲みな
蛇口からこぼれていた

 

 

 

kiss キスする

 

朝になった

ラ・モンテ・ヤングを聴いていた

西の山が
明るくなって

雲がながれていった

弥陀は
あらわれなかった

目覚めたモコに

キスをした
おしっこに連れていった

深夜にfacebookで
壊されたガザの街と荒井真一の尻の穴をみた

もういちど
この世にキスしよう

 

 

 

answer 答える

 

詩集を
買いました

amazonで1円でした

写真に

短い詩が
添えられていました

リルケ

イェーツ
ミューア カーソン

このヒトたちは
世界を見ていたでしょう

ミューアは言いました

ヒトは
すべすべした石の玉みたいに

切り離されている

 

 

 

@140710811 音の羽

 

萩原健次郎

 

 

DSC06991

 

直情に、
頂から、山裾へ落下していく。
水は、直情に、汚濁する。
野を迂回すれば、少しは、澄む。
汚濁は、安穏であるからと
川の声が、ハミングしている。
オダク、ワ、アンノン、
アンノンと。

混じる、幼い子の声
かぞえられないほどの、悲しいことの
束。
針で刺されて、それに応える
泣き、叫び。

疾っと、つっと、
とどまらず、流されていく子ら
笑い声も聴こえる。

合弁花、きばな、べにばな
黒花、
直情の花も、裏切る。

あの坂の中腹にある高い木の名を
誰かにたずねてみようかと
すれ違う人の顏を確かめる。
それから、振り返り、
離宮、
北山の峰、西の山。
夕照に、激しく射られて
木の名を訊くことを忘れる。

夏に、他季を流す。
声と花いろと、
印を混ぜて、喉いっぱいに
雑音が詰まり、
音の羽が口中に、充満していく。

木の名は、夢の中で知る。

混濁する気配のうちに知ったのは
異国のことばだったか、
うにゃりうにゃりと、響いていった。

声音に、弦楽の弦を擦る音が重なり
その名は、薄く削がれていく。

 

 

 

life 生命 生活

仕事を
切り上げて

荒井くんと会った

浅草のしぶやで
金宮を飲んだ

荒井くんは
すこし濃いめで

といった

鰯の刺身が
おいしかったな

夏の海で
鰯の群れがきて

鰯を釣ったな

海が真っ黒だったな

荒井くんと
地下鉄の入口で手を上げて別れた

 

 

 

arrive 着く

流れて
いた

河は
二重に流れていたろう

川底の小石の
上には

ハヤたちが群れて

泳いでた

そこに
世界はあった

水面に
青空と太陽が光っていた

光り
輝いていた

言うべきことは
ないさ

やがて
二重の流れにまかせて

白い腹を裂くのさ