刺シツ刺サレツ

 

工藤冬里

 
 

10月
そのカメは咬むかもしれない、と思って海から営業所に戻ると電話があり、部屋に出たというので行ってみると二世帯住宅で、ベッドの下辺りを移動している。別室で時系列に纏められた訴えを聴く。二人で路上に出るとシルバーのプレートを使って動いているやつがいる。これなら捕まえられると思い裏返して運ぶが薄紅立葵のように儚くずり落ちてしまう。タクシーで送って貰い名刺を2枚渡される。旦那は随分歳上で、自分は詩を書いていると言う。カメの詩ができたら見せてくださいねと言って別れる。

料理人兼djが曲の途中に高回転のジェットタオルのようなノイズを入れる。この辺りには鯨のメニューがある。ジェットタオルが来るぞ来るぞと思っていると違うのが来ることがある。これは逆なんですと説明されたので、スクリューな、と言うと棚のオーロラソースが頷く。

11月
なぜ邪魔が入って遅れるという悲劇的な結末ばかりなのか
間に合わなくなることが主題なのか

2月
砂漠の砂を使って塔を建てる
その高低差を利用して水を得、土を作る
あわよくば電気もおこす
コンクリの質はピンからキリまである
ダイヤモンドよりもやわらかくてあたたかな硅素と炭素が関係している
idealなカオリナイトのように
定められている

no shelter from the storm
最終部分は緋色の(rev17)、英米は2本の角のある、最後の偶像としてのUNはその野獣の像(rev 13)で表されているのだからチョコレート戦争たる反日は反UNに進むべきだったがUN経由の寄付しかできないという戦争チョコレート100%への退行が自治とミレニアムの岐路となっている
雨霰と降り注ぎ赤も混じって泥色川向こう
ダイソージュニア

3月
街宣車を全部ヤンゴンに移送する

To Jon Dale
小杉がサティと併置してみせたヴァイオリンのインプロヴィゼーションは、「共にそこに在るだけ」という日本的な集団即興術の精華であった。演奏者間のインタープレイを捨て切ることによって、逆に、観客にジャズの果てそのものを俯瞰させるのだ。それはやがて90年代以降の平面化とも相俟って環境音の不可避的導入にも繋がっていく。
ただし話を戻すと、小杉のヴァイオリンの、楽音に対して浮遊する位置定めにはコツが要る。それ自体コード分解に匹敵する逃げ去り方、そう、即興とは世からの逃げ去り方なのだ。それには「フルクサス体験」とでも言うべき世代の感性が必要になってくる。
3c123という電波銀河の名前を持つ元赤軍の男はまさしくその世代を生きている。まだ生きている、と言ってもいい。石工の仕事で肺をやられて死にかけているからだ。80年代初期に、国立の、巨大なトカゲの居る彼のシェアハウスに居候していた頃、「眼によるデッサン」のような修練を巡るさまざまな嵐があったことはここでは書けない。

レコード→ブック→アート・フェア→
と「美術展」の終わり
工芸の封じ込めと「個展」の再領土化
「パーティー」と部族化の大義

May October、ラストの撮影シーンが「王国」に似てはいるが女はサイコパスなんかより強く悪くなれるなぜなら昔の未来と目の前の過去しかないから、という主題なのではないか

異次元エフェクター
you saw 富裕層
夢であまりにも疲れたので寝たい
なまらあずましい

4月
なんとなうあふさかのすじひのあをき
あなたのびる
みせのなまへとばらのなまへと

氷結祭り
裸で走ってる夢見る。ラリーズ?
猪肉の自販機のある道の駅

チー牛トライアングル
高山チー牛

みどりちゃんが悉く実況してくれるお陰で戦地映像の嘘と株価操作が手に取るように分かって辛い。大戦がバチカンに及ぶのももうすぐだろう。それはこうしちゃいられないっていう勇気を僕に与える。僕らにではなく僕に与える。僕らはひとりで闘っている。個人の、認知戦争である。
認知戦の犠牲者がまず子供であること、それを利用した架空の一発逆転が今は映画である。
騙された振りを続けるのが横滑りの永久更新たるハリウッドであるのならそれも、騙されないぞ!という表現より遥かに映画ではあったのだが。
映画を映画たらしめる要素をいくつか抜くこと。ラーメンをラーメンたらしめる要素をいくつか抜くこと、それが映画であるべきなのだ。

母が何回も肋を折るので僕もArdbegをラッパ飲みしてみたが気持ち悪くなっただけだった

なあかっつん

見たぞ再加熱

5月
タイラー君からキム・ヨンジンのベスト盤を出すのでコメントを、と求められ昔書いた文章を探し出し、行衛をコプチャンチョンゴルに改めて送った。最初の場面はスペイン坂の人間関係と思うけど足さなかった
変にひょろ長いフレンチフライを箸で摘まんで 3回に分けてゆっくり ゆっくり 口に押し込んだだけで会計を済ませ
諸君はキム・ヨンジンに対して言葉を持たないのか。情けないな。仙人然としたあれはロックに対する観照<テオリア>なのだ。実践だとセオリーになってしまう。極東からロックを眺めよ。残念ながら行衛はロックンローラーである。俺とキム・ヨンジンはそうじゃない。最初から抱きしめるつもりだった。
2012.9.26 渋谷 公園通りクラシックス

FBでイルミナティの勧誘が来て削除したんだけど共通の友達を見ると結構な数の音楽の知り合いが友達申請を受け入れていてあとキムタクとかも居てちょ待てよとゾッとした
サタニズムを舐めてると大変なことになるぜ
コーちゃんもそれでやられたんだ

雨かんむりに鶴

テクニックを排したポピュラー、工芸性を排した民藝
橋渡しを排した梯

嘘の風土記の「俺は未来のずぼんを求めてさまよえない」の「ずぼん」は唐さんの小説から採られています
あとコーちゃんの叫ぶ「風があっちからこっちから」は「黒犬」の台詞です
あとは
水上音楽堂ステージ下の池は今でも対馬海峡だと思っています

一般論にならないものをマニュアルとして敷衍しているものが多い
この取り去りはエノク状態?
欄間とタンパンの違いのようなものだ
cartoonのように血塗られている
岡本様

参加ありがとうございます
15日は僕は昼前には羽田からアメ横に向かい、大抵はカドクラ、たきおか、大山、大統領、とかにいます
1時くらいから人が揃いはじめ、3時くらいには通例大体揃います。
会場の外の植え込みのあたりで楽譜のない人のためにコピーしに行ったり個別に説明したりして時間が無駄に過ぎていき、あっと言う間に5時くらいからステージでリハできますと福岡さんが言いに来ます
ここでよく言われるのが譜面台を持ってくればよかった、あと風で楽譜が飛ぶ、です

さて肝心の曲ですが、5月ということで、個人的な思い入れに関わることだから、というだけですが、メインに「九四国フェリー」というのを考えています
全体の譜面はこのようなものです



フルートだけですと、これです

ちなみにチューバは

今回はこの曲から始まり、船のボイラーを模したつもりですが一拍子のリズムだけ残して船内のショーのような他のいくつかの曲を挟み、またこの曲に戻って終わります
いつもこの曲をやるときは、譜面を演奏しない参加者には、フェリーに乗ったつもりになってもらって、聞こえてくるであろう風の音や波の音、ボイラーの音、カモメの鳴き声、などの再現してみたい音を各自で決めてくださいとお願いしています。たとえば昔この曲を法政で初演した時はアンデルセンズのつびー君は船の中でカップ麺を作って食べる時に出るノイズ、というのをやっていました。今回は中原君がEMSかWASPで参加したいというので船の中のネズミとかを再現してくれるのかなと予想しています
ベースがいないので、美紀子さんはコードを押さえてドラムのスティック様のもので弦を叩いてボイラーのような音を出します
ドラムは最初から最後まで一拍子で、途中別の曲になった時も船に、もっとハッキリ言えばステージ前の池の演劇史的な記憶から言って対馬海峡を渡る船に乗っているというゴジラ-1.0的情況は変わらないというわけですから、低く一拍子をキープします

さて、白石さんが最初客席でサックスを吹くので、それが一段落したら始めます(といまのところは計画しています)
今回は昔のふいご式の汽笛をゲットしたので、LOS APSON?店長山辺氏が大型船(のつもり)用の出航の合図(C#の長音3回)で参加してくれるそうです。演奏中も(本人には確認していませんが)、左から追い抜いたり、右から追い抜いたり、危険を知らせたり、救助を呼び求めたりする汽笛合図を法に従って鳴らし続けてくれる筈です。
どうせならジュネの劇みたいにセーラー服を着てもらいたかったのですが、彼がOKするかどうかはわかりません
総譜をMusescoreに入れた音源がhpで聴けるので参考にしてください
https://torikudo.com/archive/%e4%b9%9d%e5%9b%9b%e5%9b%bd%e3%83%95%e3%82%a7%e3%83%aa%e3%83%bc/

さて、「九四国フェリー」の中間に挟む船内ショー的な曲についてですが、いまのところ以下の18曲が候補に挙がっています
これらは前回下北シェルターでやった時以降のもので、いずれも工芸性(やそれに割く時間)を留保した<今はその時ではない>という考えに基づいています
それでは順番に説明します

●dégradé(2024.2.17re)
reというのは今年の2月17日に以前思いついたものが再び思い出された、という意味です
上下段に分かれて繰り返します


この上に、dégradéという、その週に書いた詩の一部を乗せて曲にしようと考えましたが、書かれているメロディーはリフであって歌は言葉に合わせて別に作らなければならないので、パレスチナで家族が生き残る確率のこと、LGBTQ(雌雄同体のナメクジのことですが)、など底辺に流れる感情の要請からアラブ音階について調べ、それがユダヤ音楽のジュヌスに当たる数音で構成されており、後にペルシャやトルコの影響もあり複雑化するも単純化すると三度(と七度)を25セントほど下げる音程に特色があると分かり、それを意識することにしましたが、所詮所謂アラブ音楽の情感とはほど遠いものになるだろうことへの居直りから、以下のギターのフレーズも参照として記録してみた(微分音の指示は西洋のアプリにはないので省略されています)というのが以下です


それぞれのスコアのmidi音源は以下にmp3がアップされており、バンキャンで実際に演奏しているリンクにも飛べます
https://torikudo.com/archive/2024-2-17/

●2024.2.28
https://torikudo.com/archive/2024-2-28/


これはユニゾンで、二回繰り返します
二回目は好きな音程にずらして構いません

●2024.3.2
https://torikudo.com/archive/2024-3-2/

オーボエの段は殆どの楽器の主旋律です
クラリネットはBbに直してあります
ピアノはないのでアコーディオンとかピアニカの人が押さえられる範囲で演奏しますが、無駄な重複を避けるという意味ではベースやメロディーラインと被るところは省くと良いと思います

●BDJAm15/03/24
https://torikudo.com/archive/bdjam2024-3-15/


BDJというのはblues du jourの略で、決まりとしては4小節目毎に3拍目を意識して遅延させます
基本は3回繰り返しで、二回目はこのテーマに対する各自の応答です

●2024.3.19 (Piccinina)
原曲はヴィニシウス・モラエスです
https://youtu.be/lz1QsLOuWjU?si=zYxrn0WXpL8QwtjF
美紀子さんは時間あればギターでなんとなく押さえられるように準備できますか?真ん中の段は歌なので演奏する必要はありません。
https://torikudo.bandcamp.com/…/piccinina-vin-cius-de
https://torikudo.com/archive/piccinina/


●2024.3.22(二足歩行のブルース)
https://torikudo.com/archive/%e4%ba%8c%e8%b6%b3%e6%ad%a9%e8%a1%8c%e3%81%ae%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%82%b9/

下の繰り返し以外決まっていません
歌詞は以下です

俺は腹に何かを詰め込んで彷徨っているゆうれいにすぎない
見上げる一様にうすあかい夜空に月は見えず
単発の大喜利で歩を進めているだけだ
祈ればいいんだという声が聞こえ
未来の俺は祈っているが
それは遠い過去のようだ
分断がそこまで来ていて
本は最強決定戦のみとなった
嘘くさいだろ、嘘くさいだろ、という横風を受けながら
踵に集中している
シオン
とうとうふたりだけになってしまった
きみどりと茶色だから古生代ぽいのだろう
その木からシオンに線を引いて
心臓を経由させると
いくつかの電波は情を点滅させる
黄みどりと緑と茶の混じった全体は日没に向けて暗くなってゆく
親子の情を基本に据えた世界が今日も暮れようとしている
従順によって今では可能になった
シオン霞ヶ関で働いている
グローバリズムに植え付けた願望?
暮れていった 暮れていった
日本が最初に暮れていった

●2024.4.10はかにむかう車のなかで(2004)
掃除していた時見つけた紙切れに書いてあった歌詞で、おそらくフォアローゼズの瓶がピアノの上に置いてあったのを見たのではないかと思われます
https://torikudo.com/…/%e3%81%af%e3%81%8b%e3%81%ab%e3…/
挙げられている音源は、自分のルート音でスマホに吹き込んだものを無理矢理「毛皮のヴィーナス」のイントロのループに乗せたもので、再現する時もスマホをマイクに当ててループを流すと思います
生音の演奏は特に指定がありません

はかにむかう車のなかで
やわらかなものにのしかかるように
はかのなかのあまぬののように
じったいのないからだのうえで
うらのしょもつは
まわり道するよっつのバラ
先まわりする
●2024.4.11
https://torikudo.com/archive/2024-4-11/

●2024.4.14

●2024.4.15
https://torikudo.com/archive/2024-4-15/

●2024.4.17

https://torikudo.com/archive/12938/

●2024.4.22(駐車場)
https://torikudo.com/archive/%e9%a7%90%e8%bb%8a%e5%a0%b4/
にバンキャンのリンクが貼ってあります
コードはG Em Bm Bですが最後の方でBmがAに変わったりします
基本一人でやっているのでほっといてください

G Em    D Bm G Em D   B
スーパーの駐車場で 目を閉じて 腕を前に突き出して
G Em    D B  G Em
飛び込んでくるのを 待っていた 駐車場になって
D B G A D B
待っていた 来る日も来る日も 待っていた
G Em D B
駐車場になって 待っていた

●2024.4.23
https://torikudo.com/archive/2024-4-23/

●2024.4.24-1
https://torikudo.com/archive/2024-4-24/

●2024.4.24-2
https://torikudo.com/archive/2024-4-24-2/

●2024.4.28 Fluß ohne Ufer(岸辺なき流れ)
ハンス・ヘニー・ヤーン「岸辺なき流れ」は、「失われた時を求めて」、「フィネガンズ・ウェイク」と並ぶ20世紀の三大小説と云われていますが完訳までに50年かかっていると松山で日本語を勉強しているロシア人のアントン君から教わり、図書館で借りて三週間かけて読み終えました
読んでいたら作者の書いた楽譜があったので、それをやるという趣向です
ヤーンという人はパイプオルガンの修繕の仕事もしていたようで、音楽を思いつくことについての記述が多く、古楽からジャズに至るかれ独特のロック史を持っています。
https://torikudo.com/archive/%e5%b2%b8%e3%81%ae%e3%81%aa%e3%81%84%e5%b7%9d/


上か下を伊地知さんに歌ってもらえたらよかったんですが、今回は17日「アントネッロ結成30周年記念公演」で居らっしゃらないということなので、渡辺さんと小関さんが楽器をやめて上を歌い、楽器の人は上下に分かれてユニゾンで演奏します
下はバリトンの人じゃないと歌えない低さですから演奏も含めてオクターブ上げてもいいかなと思います

●2024.4.29(2024.4.24re)
https://torikudo.com/archive/2024-4-29/
これは4月24日と同じものを違う調性で思い出したものです

●may i
福岡さんがやってほしそうなのでやります
バスーンは上の段です
他の人はあまり編曲してないので好きに演奏してください
https://youtu.be/6EysN54ROR8?si=ElnvPennT99P_Lb4

すごくいい方法を考えついた。最強と言ってもいい。

刺しつ刺されつ

人間に希望を与えることなどできないので彼は小麦アレルギーを蔓延させることくらいしか思いつかない


僕の文章が隅に載っていますが判別できません。
「新宿のタカノの真下の紅茶屋の??
??ガーデンはぞっとするほどおい
しい。またクッキーのヨークシャイアーは??す
るほどおいしい。でも??は??の
??のように苦しい」

旅団の大きさの結構は求めていないが下部がほどけてしまっていってる

 

 

#poetry #rock musician

Hand in hand

 

工藤冬里

 
 

ダサい歌
逃亡者はダサい歌を作れない
気が狂った振りをして逃げおおせる
着信音が追いかける
真に迫る音だった
話す前に会話が終わり
祝う前に汚れに触れている
歌がダメだ
歌がダメなのは自分の所為?
目の隈のような低音部
掠れた郷愁に頼り
変更される歌
皮を鞣す塩水のメロディよりも更に深い海洋から上ってくる
駐留する高給取りの屋敷の壁の装飾にも歌
偶然とは言えない歌
ダサい歌
奴隷が支配者に与えるメロディ

タラの木は中々見つかりません
私達の暮らしているこの世界は森のようで、
危険に満ちているからです
何故草を刈るのか
おそろしい
登っていくと風の谷のモデルになったポイントがある
冬になると凍る滝は
一枚岩を流れ落ちる
Love peopleとはとんでもない指示が出たものだ
アリは諦めて巣を代えた
エジプト郡(ママ)は追いかけてきました
シロアリはゴキブリの仲間
雲の柱のように大理石は浮き乍ら運ばれた?
溺死するという証拠を見ました
見える蚊柱がドローンのように
風で車が揺れる
目がすごく良くなくても分かる
菌類のようにまとまって ひとりのように
何故草刈りするのか この短い人生では分からない
西谷の上の方に風の谷のポイントがある筈だった
約束の地の蚊柱
はっきりと証拠があるのに入れなかった
或いはこの荒野で死んでいれば良かった
暴力的な輩が来る予想をしている
自分はまだ動けるだろうか
風が強い
日向にはもう居られないと思ったがこれなら大丈夫だ
エンジンを切って本当に良かった
悟性にヤハジエルが来てくれたら
ではなくて
絶体絶命と思える時に
半分推測かなあ
施設からの叫び
ゲンタマイシンでは効かない
多くの場合 誇りが関係していました
農作業の服装が分からない
畝を作らずいつも畑に突っ立っていた老人
ポーズをつける八重洲のホームレスの男に似ていた
戦争中に作る野獣の平和のように退行してみせる
振り返ってみるとそれが私達に辿り着いたのだと
握りしめる右手指1㎠に2500のセンサー
天に行ったらジェノサイドにぶつかる運命(さだめ)
さびしくて涙が出ました
財産処分は人それぞれだが
まだ働いている70代女
やましい気持ちを抱えないで済みます
注意を払いさえすれば
炎症は無くなる
鳩ラップで頷く
慢性痛にとって疼痛は快となる
ひとりになって
風に吹かれている
最後までビデオは切らなかった
「悲しみの谷をあなたと抜けて
喜びの丘をあなたと歩く」


 

 

 

#poetry #rock musician

荒れた家

 

工藤冬里

 
 

皿の水は乾いた熱気に晒され
紋章は鳩の内臓
空元気の思い出
水田を切り拓く山奥の
オレンジの土壁の倒れた山道
キャベツの、罪を捲れて球形
石の混ざった黒っぽいアスファルトがキッシュのようだ
甘い本で腹を満たし
泥水を跳ねかけられながら寝そべり
髪の毛を植えるパフォーマンスは無視される
プレッシャーに打ち勝ち汚されないために
決断し続けても
荒れた家
マラコイμαλακοὶかアルセノコイタイἀρσενοκοῖταιかに関わりなく
かなり荒んでいるのが分かる
梁と柱しか残っていない
言葉は家ですと言った時
壁は落ちた
言葉は家ですと言った時

 

 

 

#poetry #rock musician

白髪の人

 

工藤冬里

 

そんな世界の終わりも
LINEのスタンプで知らされるのだろうか
ひとりのままでいるのはよくない
名前を付けている間に気付いた
そのスタンプをまだ使っている
躑躅が奥に嵌め込まれ
瞳は暗く引っ込む
浅いつながりが分からないので
靱帯のない内臓は揺れている
立ち位置が分からないのに
白髪がぼおっと立っている
癌がこちらを向いている
文革のように水溜まりに輪が出来ている
いけない いけない
母音を端折っては
その名前をまだ使っている
評判が含まれている子音の靱帯
白髪の変色する悲劇
オイルのない気管の故障の音に射抜かれ
三つの石鹸の置かれた
外部にはみ出した構造
透明な幅広の草
綿花を飾って
顔を抱き締めた
ポエーシスは閉じている
窓のない外
宍色(肌色言い換え)やピンクに蜘蛛の巣は合う
フロントガラスを伝う雨
内部は開かれ外部は閉じている
きっと体に来る
詩どころではない
遠ざかる軽トラに雨が触れる
ハンドルのように三つに分かれている
コンクリの電柱は真直ぐに立っている
白や青の車は往来している
躑躅は奥まっている
裏のない躑躅が奥まっている
切られた幹から細い枝が出ているのを
絵と勘違いしている
介助のおばさんの声がする
雨は

(びゃあびゃあ)降っている
雨は激しく焼杉の壁を打つ
縫いぐるみは綿で出来ている
屑入れはない
SUZUKIのロゴがスワスティカのように見える
池はそのままであってはいけない
川は間違っている
場所が分からなくなる
雨が降っているのは分かる
白髪は立っている

 

 

 

#poetry #rock musician

岸のない川

 

工藤冬里

 
 

家族を創ろうと思って造ったのに死に別れるのはなぜか
テザリングのために俺たちは斜めに向き合い
英数字を読み上げた
晴れやかなものを犠牲にして
銃のように空洞はすぐに腐敗して
見分けが付かなくなる
どんな武器も役に立たない
光の残影が赤い線となっている
詩を終わらせようとしてこの店に来た
昔の学校のようだ

 

 

 

#poetry #rock musician

 

工藤冬里

 
 

目薬を差した翌朝
失敗した祈りを終えた黄色の人の目を見ている
桜の目は愛していない者にも届く五芒
男性形なのに母
主語が何回も出てくる悪文のように
銀河の私小説は五芒を引き寄せた桜の顔であった
父でも母でもないものに今年も届かなかった
動物の番を救いたいのなら人間も、と大木は察した
終戦のために手放さなければならない3つのものは力、立場、名声であった
父でも母でもないならそれは究極のLGBTQだ
そう察して、、、

 

 

 

#poetry #rock musician

intervene

 

工藤冬里

 
 

気絶‼︎ひとり傷
駒を動かす
菌を含めて全俺が
自然を目で追う
そのマグ‼︎
石ころ‼︎土‼︎
黄頁デニム
アプリに抱っこされる
カメムシが車に入っている
カメムシ型ハッシュタグを開けるとメモに未来の自分に対するメッセージが入っていた


写真:スズキヒロアツ

 

 

 

#poetry #rock musician

二足歩行のブルース

 

工藤冬里

 
 

俺は腹に何かを詰め込んで彷徨っているゆうれいにすぎない
見上げる一様にうすあかい夜空に月は見えず
単発の大喜利で歩を進めているだけだ
祈ればいいんだという声が聞こえ
未来の俺は祈っているが
それは遠い過去のようだ
分断がそこまで来ていて
本は最強決定戦のみとなった
嘘くさいだろ、嘘くさいだろ、という横風を受けながら
踵に集中している

 
シオン

とうとうふたりだけになってしまった
きみどりと茶色だから古生代ぽいのだろう
その木からシオンに線を引いて
心臓を経由させると
いくつかの電波は情を点滅させる
黄みどりと緑と茶の混じった全体は日没に向けて暗くなってゆく
親子の情を基本に据えた世界が今日も暮れようとしている
従順によって今では可能になった
シオン霞ヶ関で働いている
グローバリズムに植え付けた願望?
暮れていった 暮れていった
日本が最初に暮れていった

 

 

 

#poetry #rock musician

雨さん人さん

 

工藤冬里

 
 

昔読んだフランシス・ジャムの回復期という詩に含まれていたひかりが、人類史とは6000年の風邪にすぎないというたのしさだったと気付く
なんでもそうだけど、詩が良かったんじゃなくてロック史に引っ掛かるから良かったてことだ
芸術が弾圧されて基盤を失うのも言ってみれば「にがい光」(小林嵯峨)だ
自作の拷問機械で
「彼さん」では伝わらない
バリアの外れた痛み
単語も車の色も効果を為さない
リストアップされた人さん
雨さん人さん
終わりではないと思い込んでいる人さん
磨かれた穀粒
びちゃびちゃ品川駅
鯖色の雨の中、ト音がマヨネーズのチューブのように横たわっている
雨さん人さん

 

 

 

#poetry #rock musician

Piccininaに至る

 

工藤冬里

 
 

異次元エフェクターも毀れて剥き出しの心配を配線する
半田付けされた銀杏葉を写体として
その黄色を非車体として流す
現実界仕様だな
病疾を美容室と聞き間違えてはや6年
覚えずウラの家に至る
ウラニホン
ウラニホン
ウランに惚れるのと
コバルトも掘れる能登
よ! 半導体に敝れた女は能登へ行くのよ!

 
現在、過去、未来
私たちはあり得たかもしれない未来を生きているだけだ
https://video.twimg.com/ext_tw_video/1766454952183144448/pu/vid/avc1/18×12/17xUX6I-Yyxmfh79.mp4?tag=12
過去は脳内にしかないし現在は瞬間的に過去になっていくから未来しかないわけだが、例えばどんなに寒くても風呂場の前で服を脱ぐだろ?だから大事なのは湯の温度とその保証だ。ビデだけあって湯の出ないホテルなんて沢山あった。脱げなくなったらおしまいだ。
未来のライオンが過去を並べ替える
現在は言質を取ることしか出来ない
髪型はお任せで
出来ることをする
花の見かけの無力を観察する
やられたことを思い起こす
そうでなければ4月に羽が生えるだけだ

Piccinina
https://soundcloud.com/lafestadellerane/piccinina-n8?utm_source=clipboard&utm_medium=text&utm_campaign=social_sharing

 

 

 

#poetry #rock musician