百条

 

工藤冬里

 
 

私とは私の父祖
忘れた忘れたを繰り返し彳む鷺
質問されても価値を見出せない
父祖だけに
暈けた要点が立ち尽す
辿り着け耳鳴りの水源地に

弁当箱の内側に平がる月
カレンダーには散布の予定が青魚のように沈んで
無関係だった鷺だけでやっていこうとして
百条
夜中には人が居なかったが
今はどの顔も斜光の角度が一致して白く光っている

 

 

 

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