michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

math 数学

きのう
神田で飲んで

目覚めたら妙蓮寺だった

菊名はすぎて
いた

重いリュックを背負って
地下通路を降りて反対側のホームにたったのだ

大風の
夜の水浸しのホームの

渋谷行きの電車がきた
わたしはこの世を解析する数式を見つけた

渋谷行きの電車は淋しい

 

 

cook 料理する

きょうは
朝と昼にお粥を食べていた

お粥に岩塩をふると美味しかった

もう
西の山に日が落ちてしまった

階下で
女のヒトが夕食を作る音がする

料理のようにならべ
コトバをプレゼントしたことがあった

友だちの結婚を祝ったのだった
幸せを願ったのだった

 

 

center 中心

今朝
浜辺でレンガ色の石を拾ってきたんだ

レンガ色の中に
いろんな小石を内包した石なんだ

なかなか
見つけられないね

中心というのは見つけられないね

見つめても
そこにはないね

レンガ色の中にいろんな小石を内包した石なんだ

今朝
浜辺で見つけた

 

 

water 水 水域

流れて

いた

空から
したたって

流れていた

魚たちと
淵に澱んでうすみどりになった

見あげた水面に青空と太陽がひかっていた

水の底を
流れながらひかりをみていた

流れながらひかりのおどるのをみていた

ひかりを

流れていた
流れていった

 

 

drop 滴 落下

ススムヨコタさんの
skintoneというCDが届いた

肌の色合いという

そのなかの
カワノホトリノキノシタデという曲をくり返しきいた

滴だった
滴がくり返し落下していた

滴が落下してはじけていた

川のほとりでわたしも生まれた
川のほとりで生まれた

 

 

language 言語 ことば

深夜

マリア・コゾルポヴァの
ヴァイオリンを聴いている

コトバはない

マリア・コゾルポヴァのバッハ
バイオリンソナタ第3番第3楽章を聴いている

コトバはない

虫がないている
朝には鳥も鳴くだろう

コトバのないコトバを求めるだろう