michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

wood 木 木材 森

いま富山にいる荒井くんから
深夜に電話があり

ドコモのiPhoneについて話して
富山のホタルイカの煮干を買ってきてほしいとつたえた

物理学者の神の数式から
コトバの叙情性について話がおよんだ

でも階下でモコがなくので電話を切ったのだ

木も木材も森も無い

 

cloth 布 生地

昼に
突堤をみていました

突堤のむこうに
海と空が水平にひろがっていました

磯ヒヨドリが鳴いて
カモメたちが飛んでいました

深夜
虫たちの声がすべてを埋めています

突堤も
海も空も磯ヒヨドリも

カモメたちも
消えて

いまは闇にひろがる声の生地です

 

 

news ニュース

わたしは

バーナンキ議長は
量的緩和政策の継続を告げた

阿部総理は福島第一原発の汚染水問題について
特別措置法の検討を指示した

相馬市漁協は汚染水問題で
消費者の動向をみて対応を検討するとした

気象庁は台風18号で
竜巻が10個発生したと発表した

 

downstairs 階下へ

大風のあとに
姉の庭の桔梗の花の匂いを嗅いでいた

名前のない
名付けられない

ものは
焦点のあわない夢の場所にあった

桔梗の花を嗅いでいた
桔梗の花を嗅いでいた

大風のあとに
暗い階段をおりていった

階下の桔梗の青い花の匂いを嗅いでいた

 

 

to 〜に 〜へ

深夜バスで北へむかう

北とは
ないふるさとである

一切のカルマを棄却し深夜バスは北へむかう
ないふるさとへむかう

ふるさとの母は語らない
ふるさとの母は観ない

ただ聴いている
ただ聴いている

母はひかりの声をきいている
母はひかりの声をきいている