michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

豆まき

 

塔島ひろみ

 
 

おまわりさんが豆をまく
交番の前の道にパラパラと
子どもたちが寄って来る
豆を拾う 豆を食べる
なかには大人も混じっている
犬や小鳥も混じっている
寄ってこない子どももいた
豆を食べると行ってしまう
おまわりさんはまた
ポケットから豆を出す
おまわりさんの私
帽子をかぶって
豆をまくことしか知らないから
また豆をまく
誰もいない道
ガード下の私

 

 

 

機序

 

工藤冬里

 
 

機序の見えるグラサンで裏返ったカブトエビを見る久し振りの白人映画
今から止めなければ真珠は買えない
求めて見つけるか偶然に見つけるかは関係ない
緑蒼いキャベツの海の町は破壊されました
夫はとうに亡くなりましたいい人でした
いくらか自由に暮らせましたがシオンとは機序であり地球上にはない
高所作業にヘルメットが必要なので希望を与えましたが何をしてしまったかではなく今何をしているかです
bouleとか主体の詩を止めなければならない時がやって参りました

 

 

 

#poetry #rock musician

いない、猫 **

 

さとう三千魚

 
 

猫がいる

いない
猫がいる

三毛猫の鼻のあたまの黒い
いない猫が

いる

子どもをたくさん産んだ
子どもたちはもらわれていった

冬の初めにいなくなり
隣家の納屋の藁の中に干からびて見つかった

いない
猫がいる

河口にいる

河口に
いない猫と子猫たちがいる

 

・・・

 

** この詩は、
2025年7月25日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第19回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩に加筆した詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life