michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

休み明け ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! Part2 001     kouichi さんへ

さとう三千魚

 
 

空に
雲が

ひろがっている

どこに
咲いているの

くれないの花
紅い花

空を見あげてる

 
 

***memo.

2025年6月1日(日)、
水曜文庫にて開催した”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第2期、 1個めの即詩です。

タイトル ” 休み明け ”
好きな花 ” つつじ、紅い ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

つなぐ ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 127     tokihisa さんへ

さとう三千魚

 
 

つなげないだろう

なにも
つなげないだろう

ダリアは

佇んでいる
崩れている

なぜ殺すの
なぜ飢えさせるの

なぜ
見捨てるの

なぜ声にならないの

なぜ
声に

ならない声で言うの

なぜ
呻くの

なぜ
白いの

なぜダリア白いの
なぜダリア白いの

ダリア
咲いている

佇んでいる
崩れている
叫んでいる
呻いている

 
 

***memo.

2025年5月29日(木)、
自宅にて

“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 127個めの即詩です。

タイトル ” つなぐ ”
好きな花 ” 白いダリア ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

冬 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 126     maiko さんへ

さとう三千魚

 
 

秋が終わり
冬の始まるころ

天辺が
白く

光るのを
見たことがある

あれが焼石岳と教えてくれたひとは
いない

もうみんな
いない

冬は
言葉がない

紅い椿を胸に抱いている

焼石岳の
天辺を

白く光らせ

紅い椿を
抱いて

雪の細道を行くひとがいる

 
 

***memo.

2025年5月28日(水)、
自宅にて

大磯 ” soui ” 詩をひらく、の後で

“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 126個めの即詩です。

タイトル ” 冬 ”
好きな花 ” 椿、紅い花 ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

初めて食べる

 

辻 和人

 
 

くん
この匂い、何?
ミルクみたいに甘くなく
でもかすかーに甘―い
とろっ
この感触、何?
流れていかない
でも粘らない
べろの上をにゅにゅん滑った
ごっく
飲み込めたぞ
ミルクじゃない
初めてだ
嫌じゃなかった
もうひと口、大丈夫

ミヤミヤがコミヤミヤに、ぼくがこかずとんに
2人同時にお口あーん
2人同時にぱくっ
2人同時ににゅにゅん
べろ動かして
ごっく
飲みこんじゃった
2人同時に何だか上向いて
2人同時に何だかちょっと笑った
お米のピューレ
食べ物って奴
初めて
初めて
そういやお尻に硬いベビーチェアで足ぶらぶらも初めてだ
とろっ
にゅにゅん
ぶらぶら
嫌じゃなかった
そうして
初めては
ちょっと笑って
いつのまにか通りすぎてね
いつのまにか初めてじゃなくなったんだよ