さとう三千魚
ちょっと
休むだけと
ベッドに横になったら
眠って
いました
いま目覚めた
仮説(かせつ、英: hypothesis)とは
仮に設けたもの
向こうに
橋を
架ける
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
ちょっと
休むだけと
ベッドに横になったら
眠って
いました
いま目覚めた
仮説(かせつ、英: hypothesis)とは
仮に設けたもの
向こうに
橋を
架ける
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
消失点が一つの時
原理主義者が月夜の廃墟の大通りを歩いている
消失点が二つの時
死んだことのない善人と生き返って憑物の落ちた悪人が辻で鉢合わせする
消失点が三つの時
俯瞰した宮の外に犬を探す
消失点がそれ以上の時
苦い現実にパンを浸す
〈それを見ている〉〈それを見ている〉の視線のメタ連鎖が
まなこが二つ、太陽が一つの遠近法を振り出しに戻す
安息はカメラの中で反転している
雨戸の穴から障子に映った逆さの映像
あれが原点だった
そこから無数の消失点が生え出て
一葉の花の写真にさえ到達できなくなって
#poetry #rock musician
以前
高円寺にある
バーに
通っていた
店の主人が
写真家で
壁に写真が掛かっている
店には
写真家たちが集まる
写真家たちは
鳥の種族だと思ったことがある
舞踏家や
詩人も
その部類かもしれない
見えない
翅で
羽ばたいてる
1mmも
浮かばないが
羽ばたいてる
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
同性婚の家の子が、うちのお父さんは女です、
と言うので
それは話が合いますね、
実はわたしの親も、男でも女でもないんです、
と返してみる
親子を語るときだけ人は厳粛になれる
no joking official publicである
有線では、たいていビリー・ホリデイかモンクがかかっている
マル・ウォルドロンばかりかかかっていたこともある
そういうのを親だという人もいたけれど
そんなとき、言うほうも聞くほうもまじめだったのを思い出した
子はあなたのことを二百回おとうさんと呼んだ
あなたは男でも女でもないので
イエのアレゴリーは便宜上のものだったと知っている
それでも
それは唯一効果的な説得の仕方だった
いくら家庭内暴力で評判を弱めようとしても
終わりのときまで家族に対する思い入れの大枠は生き続けた
エディプスはそれだけ筆に乗せやすかった
それでわたしも
実はわたしの親も、男でも女でもないんです、
と返したのだ
家族が重要なのではない
その制度を使った比喩こそが実体のアルファ・オメガなのだ
#poetry #rock musician
朝
女と
犬と
ベッドに
いる
眠ってる
部屋の
窓をあけた
高速道の騒音が聴こえる
西の
山が
見える
晴れている
雲が
ひとつもない
ひとつも
ない
みんないつか死んでしまう
空が
青い
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
あなたは何をしていたのか
いろいろ行き巡って観光してました
あなたは正しい人を見たか
いえ観光なんでそういうのはちょっと
でも爪痕は撮って
感光したわけだ
今は動けないから移動が懐かしいだろう
ションベン小僧の前とか人魚の前とか
自分が居ても居なくても一緒ですよ
わたしはずっと休日に働いてきた
桜桃ですかそれ
流星号応答せよ
休みながら働くのか働きながら休むのか
生きながらブルースに葬られ、ってありましたよね
殺されながら生きるのか生きながら死ぬのかどっちだ
おいしいウォッカかすごくおいしいウォッカしかないですよ
観光中でも仕事中みたいに缶コーヒー飲むのか
役に立たない血ですよ
せめてビーツ入りのスムージーだったら赤いのに
菌たちに平等に繊維食わせないと
ぼくは行かない どこにも
地上には ぼくを破滅させるものがなくなった、ってやつか
宿便行ですかそれ
捨てるのは撮る何倍も手間がかかるから
生きた時間の編集は千年ではとても足りない
たとえ数年生きただけでも作業に百年はかかるだろう
生きるということは背後にその何十倍もの死後のアルシーヴを抱え込むということだ
石を積み上げて山を作り
その上で一緒に食事をするのだ
そうして折り合いをつけるのだ
追いかけて来る時間と自分との
編集は生きている時間の何倍もかかるということに皆気がついていない
それを知ったらこわくてそもそも生きられないだろう
老人になって連結が不活発になり蟄居するようになればなるほど枕木の間隔は伸びて作業は滞り編集時間は増える
高尾の篠田の老父の家に配達の仕事がてら行っていたことがある
庭の縁台のこれこれをこうするにはまずはホームセンターに行ってそれから
と考えだすと他のことは考えられなくなる
人頼みなのでその一件を処理するのに数週間かかる
子供はゲーム機を取り上げられるとそれが全てなので自殺するが
それも嗜好というより生まれてきてしまったことの処理の問題である
ファイルのデータを追い過ぎて
朝目蓋を開けないままだと数字の残像が縦に流れる
脳はすでに狂った数学者の隠れシェッドのようだ
下層には文系も理系もないが
死後のデータ処理の速さを競うのが全ての終わりのない頭の疲れる労働の基礎だ
髪の毛一本も失われることなく記憶しようとする
それさえできれば生きていることなど二の次だ
人口削減を口にするなら残像処理能力を手にした富裕層(you saw 富裕層)から死んでみせるのが理性的に考えて妥当だ
#poetry #rock musician