広瀬 勉
東京・東中野。
こだまは
熱海を過ぎた
モーツァルトの
ピアノ・ソナタ へ長調 K.280を
聴いて
こだまに乗ってる
また
叙情かよ
そう荒井くんは言うだろう
四谷三栄町の
公園の
ベンチが好きだ
だれも
拒否しない
そんなベンチになりたいな
ことばも
どうかな
どうなんだろ
わからない
わからないな
この道がどこまでつづくのか
あの山が
どこまでひろがるか
わからない
母がいて
姉がいて
祠のまえで
ひざまずいていた
牡丹の紅い花が咲いていた
笑っていた
農場の農道の
奥に
祠はひらいていた