広瀬 勉
三千魚さん、明るくなってきました。しかし、風は強い。
西坂をのぼり
千尋さんの生家の手前に
二十六聖人たちは
いた
空を見上げて浮かんでいた
救われたか
彼らは
救われたろうか
公園に猫たちは
いた
長崎の街が見えたよ
教会の鐘の音が響いていた
叫び声だった
ヒトビトは叫んでいたよ
仕事を
切り上げて
荒井くんと会った
浅草のしぶやで
金宮を飲んだ
荒井くんは
すこし濃いめで
といった
鰯の刺身が
おいしかったな
夏の海で
鰯の群れがきて
鰯を釣ったな
海が真っ黒だったな
荒井くんと
地下鉄の入口で手を上げて別れた