michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

また旅だより 46

 

尾仲浩二

 
 

25年ほど前に撮影してすっかり忘れていたスライドフィルムがでてきた
コダックのエクタクロームというフィルム
当時コダクロームという色褪せないフィルムは高かった
なので僕のエクタクロームはすでに褪色してしまっていた
それをデジタルカメラで複写してパソコンで色を調整してみたら
なかなかいい感じの色合いになった
本来の色よりずっと好き

2022年6月15日 東京中野にて

写真展『My Ektachrome 僕のエクタクローム』
東京中野 ギャラリー街道にて6月18日、19日開催
同名の写真集も発売中

 

 

 

 

マイナスのミルク

 

辻 和人

 
 

小さなお尻を膝に乗せる
首と肩を押さえて縦抱きにする
50ccのミルク一気に飲みきったコミヤミヤ
やったね
微かに肩で息しながら満足げな表情だ
低体重で生まれたけれどだんだん力がついてきた
さて、これからやることは
「お父さん、ミルクあげたら必ずげっぷさせて下さいね。
 赤ちゃんはミルク飲んだら空気も一緒に飲み込んじゃいますから」
薄い背中を軽く
トントントン
すると小さな口から
けふっ
目閉じてちょっと苦しそう
頑張るんだぞ
ミルクも空気もコミヤミヤにとって大事なもの
だけど一緒に飲み込んだらお腹が膨れちゃう
胃袋の容量をけふっと増やせば
またミルクをごくごく飲める
つまりげっぷってのはマイナスのミルクなんだな
プラスのミルクをごくごくするために
マイナスのミルクをけふっけふっ
その調子、そうやって体重増やしていこう
それっ
トントントン
けふっ

 

 

 

湖上にて ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 09     junko様へ

さとう三千魚

 
 

淡水に

きみは
うまれた

底に

積もってた

めだか
泳いでた

いつか

咲いた

白い花
ひろげた

睡蓮

光っていた
揺れていた

 

 

memo.
お名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げます。

タイトル ”湖上にて”
花の名前 ”睡蓮”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

6月の鮫に削除された

 

工藤冬里

 
 

6月7日6:38
削除

6月7日12:57
骨の周りのミルク状になった石灰を吸い上げる

6月7日21.00
あと数日で居なくなるけど今日ではない、みたいなのが一番堪える

6月8日8:24
削除

6月8日9:36
どんなことも乗り越えられます

神には愛される必要はない

マグダレナマリアはオオカミであった

6月8日16:57
削除

6月9日5:58
削除

6月9日6:58
削除

6月9日18:27
削除

6月10日8:34
生まれ変わっても無駄だから生まれ変わらないだけだ

6月10日13:02
削除

6月11日7:28
削除

6月11日9:10
削除

6月11日19:49
削除

6月11日19:51
削除

https://youtu.be/uIrY37nROaE

 

 

 

#poetry #rock musician

6月9日香港

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

暴雨的六月,坍塌。
緊閉的眼不在,
暴露出遺忘的內部。
美哉!少年郎……

經歷過的人們停止了活著,
他們飲茶飲恨,
卑微地儲蓄著陰性的雲雨,
綿綿不斷。他們交稅交水費
而眼睛這無辜的石頭
被噴滿殘暴的胡椒
少年 ! 大雨滂沱
鼓點因拒絕漠然而狼狽
如不堪的雷聲。
心裡的暗啞成了叫喊,
以後的沈重加深月份,
流火的化石眼神卷刃……..
追随雨,殘缺的編年史。

少年,你還好嗎?

 
    .
 

暴雨的六月,坍塌。
 激しい雨の六月に、崩れ去る。
緊閉的眼不在,
 固く閉じた眼は、いまは無く
暴露出遺忘的內部。
 忘れていた内部をさらけ出している。
美哉!少年郎……
 すばらしいぞ! 少年よ……

經歷過的人們停止了活著,
 時を経た人々は生きることをやめ
他們飲茶飲恨,
 彼らは茶を飲み、うらみを飲み込む
卑微地儲蓄著陰性的雲雨,
 陰性を示す雨は意味もなく溜め込まれて、
綿綿不斷。他們交稅交水費
 降り止まない。彼らは税金を納め、水道料を払い
而眼睛這無辜的石頭
 そして眼というこの罪のない石くれには
被噴滿殘暴的胡椒
 乱暴に胡椒をぶちまけられている。
少年 ! 大雨滂沱
 少年よ! 大雨はふりしきり
鼓點因拒絕漠然而狼狽
 鼓の音は、拒絶され、所在なげにうろたえる
如不堪的雷聲。
 しようのない雷鳴のように。
心裡的暗啞成了叫喊,
 心のうちの暗い沈黙は叫びとなり、
以後的沈重加深月份,
 それからの重苦しさは、月ごとに深まり、
流火的化石眼神卷刃……
 流れ星は化石となり、その眼差しは鈍く濁り……
追随雨,殘缺的編年史。
 雨を追い従うのは、とぎれとぎれの年代記。

少年,你還好嗎?
 少年よ、きみはまだ大丈夫かい?

 

日本語訳:ぐるーぷ・とりつ