帰ってきた
ここのところ
歌を
聴いてた
工藤冬里の
徘徊老人を聴いてた
海まで走っていった
それから
Thinking”Bout Youも聴いた
きみはいないが
歌は渡る
歌は
鳥のように渡る
そこに
きみがいる
今日
姉に電話した
留萌から帰ってきたと姉は言った
電話の向こうで笑った
帰ってきた
ここのところ
歌を
聴いてた
工藤冬里の
徘徊老人を聴いてた
海まで走っていった
それから
Thinking”Bout Youも聴いた
きみはいないが
歌は渡る
歌は
鳥のように渡る
そこに
きみがいる
今日
姉に電話した
留萌から帰ってきたと姉は言った
電話の向こうで笑った
帰ってきた
奥羽線と
山形新幹線で
西馬音内から帰ってきた
もう
ひと月になる
車窓から平らな海を見た
林の向こうに山々を見た
そこから
帰ってきた
歌だった
そこに
歌の形があるのだった
平らな海を見た
こんもりとした緑の山々を見た
流れていった
林の向こうに
霧は
流れていった
車窓から平らな海を見た
林の向こうに山々を見た
そこから
帰ってきた
姉の家に帰ってきた
〆張鶴だったか
お酒を飲んだ
姉と飲んだ
姉と歌を聴いていた
この空を飛べたらと
わかれうたと
夢の途中と
小春おばさんと
人生が二度あればと
姉と聴いた
姉と飲んだ
高速バスで
また
姉の
家に帰った
線香を二本たてた
義兄と
母は
お盆には帰っているのだろう
昨日は
姉に矢島まで車で送って貰った
由利高原鉄道で羽後本荘に降りて
酒田
新庄とまわって
湯沢に帰ってきた
車窓から平らな海を見た
林の向こうに山々を見た
そこにいた
そこにいる
売れないですね
といった
着想もなく
生を
受けて
この世を生きてきた
わたしではなく
あなたでもない
夕方
モコと散歩した
着想はなかった
生に
着想はないだろう
売らない
この生を
売るわけではない
広告ではない
きみに囁く
いないきみに囁く
いないきみに無い声で囁く
工藤冬里さんに
売れないですねといった
脱システムは売れないですねといった
なにも応えなかったが
工藤さんの音楽は脱システムだろう
マイナー音楽は売らない
物語を
売らない
わたしではなくあなたでもない
佇ち
歩き
バスに乗りバスを降りる
光っていた
流れていった
帰って
ホヤで姉とビールを飲んだ
深夜の高速バスに乗った
新宿から
山手線で上野にでた
それから御徒町まで歩いて
西口焼きトンで荒井くんと飲んだ
荒井くんとマヘルの”Lotus on maher”にいった
ここに脱システムはあった
工藤冬里さんに
脱システムは売れないですねといった
高速バスを降りた
横手から
電車で湯沢まで行った
途中
醍醐という駅を通った
醍醐は涅槃のことなのかな
緑の山々がこんもりと女のように過ぎた
姉は迎えに来てくれていた
姉の家では義兄と母に線香をあげた
同窓会では
幼い俤が残った顔たちをみた
通過していった
光っていた
昼ごろ
ソファーに
モコは
眠っていた
眼が開いていた
重いリュックを背負い駅に向かった
途中でランタナのオレンジ色の花をみた
それから電車を待ち
電車に乗り
電車を降りて
高速バスに乗った
高速バスからは灰色の海をみた
暗い緑の山々をみた
通過していった
光っていた
一昨日だったのかな
テトラポットに
しろい波が砕けるのをみていた
昨日も
河口まで歩き
海をみてた
河口には
サーファーもノラもいなかった
磯ヒヨドリはいた
テレビでは金髪の花札男とロケットマンが握手していた
そこに
自己利益はあるのか
着想はなかった
生に着想はない