沼 恵一
今回はテーマというようなものは格別在りません。
あえてあげるならば、アンドレイ・タルコフスキーへの想いなのかもしれません。
彼そのものというよりは、タルコフスキーの紡ぎ出す映像の美しさへの憧憬。
彼の作品そのものが「憧憬」あるいはそれを含む「NOSTALGIA」なのかもしれない。
わたしはこの日そのような想いあるいは夢の中で目覚めました。
その朝は雨が降っていました。
雨の中で夜が明けたのです。
静寂がそこにはあった。

夢 の あと に 明ける 朝 は おだやかで やすらかで やわらかい

アンドレイ の 光 は どのようであったか それは光だったか 闇だったか

それを 聴く わたし は どこにいたのか
それを 観る わたし は どこにいるのか
“In dreams begin responsibilities” と言ったのはWilliam Butler Yeats だ。わたしはそのことを村上春樹の長編小説「海辺のカフカ」で知った。主人公の少年は物語の中で語る、「夢の中から責任は始まる。その言葉は僕の胸に響く。」
私は最近フルカラーの夢を見る。昔風に「総天然色」と言ったほうがしっくりくるようなじつに美しい夢だ。そこで私は様々な物語の中に浸り様々な者たちに出会う。それは想い出であり同時にいまここに在る現実であった。