life 生命 生活

仕事を
切り上げて

荒井くんと会った

浅草のしぶやで
金宮を飲んだ

荒井くんは
すこし濃いめで

といった

鰯の刺身が
おいしかったな

夏の海で
鰯の群れがきて

鰯を釣ったな

海が真っ黒だったな

荒井くんと
地下鉄の入口で手を上げて別れた

 

 

 

arrive 着く

流れて
いた

河は
二重に流れていたろう

川底の小石の
上には

ハヤたちが群れて

泳いでた

そこに
世界はあった

水面に
青空と太陽が光っていた

光り
輝いていた

言うべきことは
ないさ

やがて
二重の流れにまかせて

白い腹を裂くのさ

 

 

 

cook 料理人

今朝も
スープをつくった

オクラとジャガイモと

豆腐とワカメと
干し椎茸をいれて

鰹だしで

塩をひと摘み
いれた

それから
胡麻油をたらした

灰汁を掬い夢想する

澄んで
ゆく

夢は
そのまま金色の河だ

流れていった
死の岸まで流れていった

 

 

 

guest 客

どう
むかえるのか

そのヒトを
どう迎えたらよいのか

誰も
いない

仏間なのか

にぎやかな客間なのか

そもそも
そのヒトは誰か

血縁は
あるのか

友人の友人なのか

蝉の声を
聴いた

ない
夏を抱いた

団地を過ぎて淋しい盆踊りをみた

と言った

 

 

 

pet ペット

違和を
おぼえる

もともと

民話で
あり

口承の
説話であったろう

メルヘンに違和を覚える
ディズニーに違和を覚える

見てはならない
ものが

隠されている

恐ろしい
ねずみが

二足歩行して笑っている

ニコニコ
ニコニコ

モコはその事を知らない

 

 

 

sky 空間 宇宙

すでに
あったろう

空はすでに
あっただろう

ヒトや
メダカや

朝顔の生まれるまえに
空はあったろう

空色の
朝顔の花も

午後にはすっかり萎れてしまいます

このところ毎日
夕方に水を撒いています

そういった
そのヒトの生まれるまえにも

 

 

 

ことばのつぶ

 

今井義行

 

 

ことばのつぶだちについて考えている
炊き立てのお米のようなつぶだち・・・・

炊飯器のふたをあけて覗き込んでみる
米のつぶが 湯気のなかに立っている

よく見るとひとつぶひとつぶ形が違い
それらの接触が「味」を生むのだろう

こころのなかで 砂粒がふぶいている
わたしは紅い砂丘を ただよっている

目が痛い 砂粒が睫毛に絡まってくる
そんなときこそ 目を強くひらくのだ

何が見えるか見えるものが見えるのだ
炊き立てのお米のようなつぶだち・・・・

わたしは それらを網膜に焼きつけて
机上のPCの画面に 記録をしていく

ことばのつぶだちについて考えている
炊き立てのお米のようなつぶだち・・・・

炊飯器のふたをあけて覗き込んでみる
米のつぶが 湯気のなかに立っている

よく見るとひとつぶひとつぶ形が違い
それらの接触が「味」を生むのだろう

それらの接触はわたしの米の研ぎ方だ
そのときにわたしは 左側の腕を使う
炊き立てのお米のようなつぶだち・・・・

わたしは それらを網膜に焼きつけて
机上のPCの画面に 記録をしていく

ことばのつぶだちについて考えている
炊き立てのお米のようなつぶだち・・・・

わたしは砂塵になど吹飛ばされないぞ
充血した目でことばのつぶだちを愛す