draw ひく 描く

湯槽に浸かってから
部屋の障子をあけました

満月の月が光っていました

それから牧陽一さんの
アイ・ウェイウェイ スタイルを読みました

牧さんの覚悟がありました
ひとびとの悲しみがありました

燕たちは昼間
テトラポットの上を旋回していました

 

 

 

lead 導く 先頭に立つ

今朝
海辺でことし初めての燕をみました

テトラポットのまわりを旋回して
虫を捕っていました

昼には街のアスファルトのうえに
磯ヒヨドリをみました

夕方
二羽のムクドリが窓辺で身繕いしました

導くものは
鳥のカタチをしているのだと

思いました

 

 

@140410  音の羽

 

萩原健次郎

 

 

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暖気がはこぶもの
低い音の輪唱で、地から湧く。
朱の洪水は、ななめに染まり
音符のように、点々とそれは、人から出た液なのだと
歌われる。
眼の針が、そのように蕾をひとつずつ
ぷしゅんぷしゅんと潰して
ぷしゅんぷしゅんが、伴奏となって
音楽は、面に張り付いている。

視界の前には、音の羽の川が山から降りてきて
右岸には、おだやかな低体温の宮がひろがり
左岸では、それを怒る、朱の花たちが
ただしい春情を喚いている。

はるにくのやくごとにふるあぶらじる

のようなテーマの混声は、もともとは綺麗なのだ
と、まず、ひとりめの高僧が説きはじめた
しんらん、どうげん、ほうねん、えいさい、にちれん
なんとかてんのう

滝をアラームで起こす。
滝は、立ち上がって、洗顔している。

垂直に感応したのか、
瀑布の成分は、したたかなあぶらじる
鹿などは、焼かれ喰われ
木は選別して伐られ、
残った、朱のそれ
それは、椿の

春情ではなく、椿情だった。

蒼ざめた艶書の、おもてには
ののしゅの
しゅののの
ゆの、緒と朱がまぎれて

あなたさまのちはななめのおもてにならびおとわのかわはそまります

と書かれている。

夜になると、ただ鹿鳴だけが
喘いでいる。

 

連作「音の羽」のうち

 

 

 

help 助け

今朝のスープには
生姜を入れました

生姜を入れたので
鰹だしと塩だけでいいのです

あとで思いだして
干し椎茸も入れました

かつて
助けませんでした

こころを病んだ友人を
助けることができませんでした

今朝も

スープを飲んで
湯槽に浸かりました

 

 

week 週 一週間

過ぎるものだ

一週間は
過ぎ去るものだろう

朝には
スープを作った

山芋と
青梗菜と干し椎茸とウインナと

鰹だしで
麦味噌と牛乳と入れた

過ぎ去るものだ
過ぎ去っていった


スープを作った

空の上で
小さなダンスを踊った

きみをみていた