失って
見えると
書いた
亡くして
見えてくると
書いた
そうかい
そうなのかい
息を
吸って
吐く
息を吐いてから
吸ってみる
ないだろ
なにもないだろ
見たいだけだろう
見たいだけだったんだろ
世界は砕かれている
失って
見えると
書いた
亡くして
見えてくると
書いた
そうかい
そうなのかい
息を
吸って
吐く
息を吐いてから
吸ってみる
ないだろ
なにもないだろ
見たいだけだろう
見たいだけだったんだろ
世界は砕かれている
哀れな罪人よ、
お前はなにゆえに首を斬られたのだ?
愛されるがゆえに。
我が君は愛するものから順に
断頭台に送っておられます。
函のなかに入れて、
いつでも見られるようにするために。
なんとわがままな!
で、お前は首を切られてから
お前の暴君に何度見られたのだ?
一度だけ。
それも最初の数ページをパラパラと見られただけです。
我が君は次から次へと首を斬ることに夢中で、
斬ったあとの私たちを見る時間は残ってないのです。
許せん!
お前たちに代わって、
このわたしが成敗してくれよう!
許してやってください。
今までだって、
私たちを見ることなどまずなかったのです。
それでも見たいという気持ちを表に出してくださったのです。
私たちにはそれだけで十分です。
で、お前たちはこれからどうなるのだ?
身体の方は再生に回されました。
きっと鼻紙として、
みなさまと再会を果たすことができるでしょう。
魂の方は函といっしょに朽ち果てると思います
四つの辺の
内角が
等しい四辺形
そう定義すれば
よいの
それで
正方形が
わかったの
なにも
わからないな
海辺にたつと
水平線がみえる
水平線は直線ではないが
直線に見える
水平線を
見ていた
水平線を見ているヒトたちがいた
濡れた灰に固まる露な手
怪奇と呼べるだろうか
眠るように安らぎを実践する
未だ見ぬ乖離を諦めた手に
添える手が在るだろうか
暴挙を振りかざす
結果が死に際のサンセットでも
死んだ肩を抱く蛆虫に綺麗な絵付けをする事ができるだろうか
私が悪いということをおおっぴらな態度で
寝ることを実生活で実践し始めた人の呼応と呼べない口から漏れたオイルを
舐めて居らしてからだかたちすとーんと乳房を吸うように
幻滅しないで目の前の歩みに声を殺して口をすぼむことができるだろうか
含んだ口を圧迫する貴方の皮膚は私の堕れた皮膚感覚を無惨に剥く
産まれいれた欲望は人を殺めてしまう程の強度はないのか
思いがけない年齢で死んだ物に
私は物と言ってしまう
世を離れた偽善者を物と言ってしまう
物を語る事を問われた残された人型にとって
語ることは辛い
辛いことは回収され新たな飯盒で炊かれる
私は物を語ることと喪失してしまった人の汗で米を炊く
腕の褐色が剥がれ抜けおちるだけの繰り返しがある
実現できない程の淋しい奥地で
木目のモアレに癒されてる背中のみ
皮膚への媒介を許す
誰に許された
園児 汚い手をひく砂の虫
目落としがちな内部に過疎ぶく熱い塊
ねっとりとした回復を園児は
混ざりけのない砂場で見つけた
水場で見つけた
墓場で見つけた
園児よ手を広げ 砂をきらきらと蹴落としてくれ
そこで起こるモアレを
誰かが見ている
もぬけ 頑なな四足の動物
思わず笑みがこぼれ涙も溢れる
誰かが摩っていた
こんなところでも
こんなところでも
虫は溶けた
許すなら ここに窓を作って痩身していた背中をうずめ一杯にしたい
昨日の
残りのタイカレーに
干し椎茸と
豆腐とジャガイモと
人参と
カレー粉を入れて
豆板醤を少し垂らして
スープを
つくりました
美味しかったな
ヒトが動物と異なるのは
他界を求めるところ
なんですってね
わたしにはまだ見えません
まっすぐに
のびる
ものも
ねじまがって
のびるのも
あるね
こんもりと
ひろがるのもある
キンモクセイの
黄色の
花が
咲いている
キンモクセイの金色の
香りが
届いた
野ばらの
白い花も好きだな
ねじまがって
咲いた
祖母の庭に咲いていた
線路傍に
ススキが咲いて
いた
いつもの塀をぬけて
いつもの古い家と
製麺所を
とおって
いった
材木座海岸
幻影のなかにひかりはあった
なんども
なんども海岸にむかった
たぶん
一億年
海岸にむかってきた
そのような
そんなような
一億年が
過ぎて
寂しいといった
一億年が過ぎて寂しいと
そのヒトは
いった
一億年
老いたのか
そうなのか
きみも老いたかい
水面が揺れて
キラキラとひかって
いたね
老いたかい
きみも老いたかい
一億年は
そこに佇っていたね
英語では
右が正しいんだね
その反対語は
leftでなくwrongなんだね
むずかしいな
昨日
岩合光昭さんのねこの写真展にいった
海ちゃんという子ねこが
家にやってきて
大きくなって
子を産んで
子ねこと眠っていた
右も左もなかったな