people 人々 民衆

姥捨から
千曲川はうねってみえた

山々のむこうに
山の頂は白くひかっていた

ひとびとは
冬のはじめに年老いた母を捨てたのだという

ひとびとも

千曲川のうねるのをみただろう
山の頂の白くひかるのをみただろう

山の民だったのだと
そのヒトはいった

 

 

fill いっぱいにする

昨日は
姥捨から千曲川のまがってひかるのをみた

山のむこうに
白くひかる山の頂きをみた

ふるさとの姪から
白い雪に塗りこめられた風景も届いた

千曲の風のなかで千代さんは画布にひかりを集めていた

画布をいっぱいにする
世界をひかりでいっぱいにする

 

 

agree 同意する

昨日の朝
浜辺の町でめざめて

昼間
人ごみのなかで働いていた

深夜
大きな川のながれる町に着いた

深夜のレストランでそのヒトは話した

そのヒトは
発見した語学とゴミ溶融焼却炉のことを話した

わたしはそのヒトに同意する
白く尖った髭に同意する

 

 

cheap 安い

深夜に
ラ・モンテ・ヤングを聴いている

オーディオ装置に
スーパーウーファーを追加してよかった

ラ・モンテ・ヤングには
スーパーウーファーが必要だった

悲しみがこみあげる
悲しみがこみあげる

下部構造の無限に堪えるほかない

 

 

lonely ひとりぼっちの

早朝の空港に姪を迎えにいきました

モノレールに乗って
海の傍をすべるようにいきました

姪たちと高層ビルにあるアートセンターで
チャーリーたちと会いました

頭の大きなチャーリーは
子どもたちの悲しみを抱えていました

小さな瞳が
光っていました

 

 

painting(絵の具で描いた)絵

深夜の街を歩いた

ゆらゆらゆらゆら歩いていた

ゆらゆらゆらゆら消えていった

花束を胸に持った
少女の絵が部屋にかけてあります

桑原正彦の絵です

かつて女のヒトを好きになったことがあります
かつて女のヒトに花束をあげたことがあります

 

 

finger 指

人差し指が痺れている

もう
ずいぶん前から痺れている

頸椎の軟骨が
神経に触っているのだと医者からきいた

冬の
寒い日に

インベンション11が弾きたいな

ユージさんみたいに透明な音で弾きたいな

痺れる指で弾きたい
冬の寒い日に弾きたい

 

 

violin バイオリン

今朝はヒロセさんの猫シャツで散歩した
モコと散歩した

尻尾のような雲が空に浮かんでいた

荒井くんや桑原くんやぼたるさん
閑さん

ぼくの友人にはアーティストが多い

かれらの作品が雲みたいに
なればいいな

今夜はマリア・コゾルポヴァを聴いてます