kiss キスする

海辺の公園で
鳥の声をきいてモコとあるいた

潮騒がきこえていた
海はうねっていた

ソファーに横になり
窓からのひかりをみていた

モコはからだのうえにのりわたしに
キスした

小さな舌でわたしの唇をなめた

モコ
モコ
モコ
モコ

窓からひかりがさしていた

 

 

ride 乗る

新丸子から

東横線で明治神宮前にでて
千代田線で

代々木上原でおりたのだそれから小田急線で新宿に出て

新宿から山手線で
渋谷にいき東横線で新丸子についたのだもう30年も経って
ねじめさんや
来栖くん
福島さんわたしはわたしの別人になれるほどに生きてしまっている

about  およそ

鳥の声は
きこえていた

雪は溶けていた

林のなかにカタクリの花は咲いていた

およそ
前世の記憶はない

姉の
やさしい俤が空をあかく染めていた

この世の終わりを生きるしかない

この世の
果てを生きるしかない

裸になって歩いていくしかない

 

 

record 記録する

両国の
居酒屋で荒井君とのんだ

店のまんなかが土俵になっている
まんなかに空白がある

荒井君はニューヨークから帰ったばかりだ

しゃべりすぎるんだよ
必要以上に抱擁するんだよ

スペイン系のひとびとについて
荒井君は語った

ぼうっとしてきいていた