海辺の公園で
鳥の声をきいてモコとあるいた
潮騒がきこえていた
海はうねっていた
ソファーに横になり
窓からのひかりをみていた
モコはからだのうえにのりわたしに
キスした
小さな舌でわたしの唇をなめた
モコ
モコ
モコ
モコ
窓からひかりがさしていた
海辺の公園で
鳥の声をきいてモコとあるいた
潮騒がきこえていた
海はうねっていた
ソファーに横になり
窓からのひかりをみていた
モコはからだのうえにのりわたしに
キスした
小さな舌でわたしの唇をなめた
モコ
モコ
モコ
モコ
窓からひかりがさしていた
新丸子から
代々木上原でおりたのだそれから小田急線で新宿に出て
もう
ねむりたい
ねむってしまいたい
遠い
岸辺に流れ着いて
いた
小舟が
入り江の遠い岸辺にながれついて
たくさんの
人の声をきいた
たくさんの死者たちの声をきいた
でも
通り過ぎていった
通り過ぎていったんだ
鳥の声は
きこえていた
雪は溶けていた
林のなかにカタクリの花は咲いていた
およそ
前世の記憶はない
姉の
やさしい俤が空をあかく染めていた
この世の終わりを生きるしかない
この世の
果てを生きるしかない
裸になって歩いていくしかない
母をおもう
異端者は
母をおもい
少女の皮を剥ぐ
突破する
異端者は突破する
遠く
母型のなかに霊性をみる
東北の
母語のひびきあう
母語のひびきあう
ひばりが
ひばりが空で鳴いていた
ひばりが空で鳴いていた
両国の
居酒屋で荒井君とのんだ
店のまんなかが土俵になっている
まんなかに空白がある
荒井君はニューヨークから帰ったばかりだ
しゃべりすぎるんだよ
必要以上に抱擁するんだよ
スペイン系のひとびとについて
荒井君は語った
ぼうっとしてきいていた
どちらかといえばクレバーなんだよな
おれ
ぬけめのないやつなんだよ
ぬけぬけとして
舌をだしているんだよ
ずるいんだよ
ひどいんだよ
きちがいなんだよ
へんたいなんだよ
ほんと
サイテーなんだから
サイテーなんだから
モコの髪が
浜風になびきました
海浜公園の芝生のうえを走っていって
笑いました
芝生の上にしゃがんで
放尿しました
雲がながれていきました
海は大きくうねっていました
モコの髪が金色にひかっていました
モコの髪が金色にひかっていました
デパートには
すべての売られるべきものがあるのかい
デパートには
人類のすべての売られるべきではないものがないのかい
詩や
人糞や
ひとり死んだ漂泊者の入れ歯や
ないのかい
ないのかい
死者たちの思い出がないのかい
ないのかい
夕方
モコと散歩した
ハクセキレイが
電線にとまり呼びかけてきた
チチチチ チチ
といった
わたしはチュチュチュチュとこたえた
意味はわからないが
おたがいに語りかけていた
オーダーは
いたるところにあるだろう
すべてオーダーだろう