窓のむこうに
たいらな
みどりがひろがっていた
みどりは風にゆれていた
どこまでもたいらなみどりはゆれていた
持ち
抱き
ささえるもの
ひかりのなかに
たいらなみどりは風にゆれていた
たいらなみどりは風にゆれていた
窓のむこうに
いぜん
タコ八郎さんと
お会いしたことがありました
こどものころ
牛を飼っていたことや
道ばたの雑草を食べたことなどを
話されました
かざりのないヒトでした
しばらくして
海で亡くなりました
ヒトを支えられるヒトだと思いました
もう
話すこともできない
もう
食べることも
着ることも
歩くことも
自分で息をすることも
できない
そんな母の目蓋を指でひらくと瞳が見ている
瞳がわたしの顔をみまわして
うるんでくる
母の伝言はない
ただ瞳がうるんでくる
ただ瞳がうるんでくる
たくさんのヒトの声をきいた
その中にわたしもいた
発展
まぼろしとなった
ふるえる花はあるだろう
日付のある一日を
ヒトは
生きて
流れていくものの
消えていくものの
先に
林はあった
ナツメ椰子の林の下の木陰には
逢瀬があった
マリア・ユーディナは遠くをみつめていました
磯ヒヨドリがないていました
磯ヒヨドリがないていました