自死を免れろ

 

爽生ハム

 

 

濡れた灰に固まる露な手
怪奇と呼べるだろうか
眠るように安らぎを実践する
未だ見ぬ乖離を諦めた手に
添える手が在るだろうか
暴挙を振りかざす
結果が死に際のサンセットでも
死んだ肩を抱く蛆虫に綺麗な絵付けをする事ができるだろうか
私が悪いということをおおっぴらな態度で
寝ることを実生活で実践し始めた人の呼応と呼べない口から漏れたオイルを
舐めて居らしてからだかたちすとーんと乳房を吸うように
幻滅しないで目の前の歩みに声を殺して口をすぼむことができるだろうか
含んだ口を圧迫する貴方の皮膚は私の堕れた皮膚感覚を無惨に剥く
産まれいれた欲望は人を殺めてしまう程の強度はないのか
思いがけない年齢で死んだ物に
私は物と言ってしまう
世を離れた偽善者を物と言ってしまう
物を語る事を問われた残された人型にとって
語ることは辛い
辛いことは回収され新たな飯盒で炊かれる
私は物を語ることと喪失してしまった人の汗で米を炊く

 

 

 

腕の頑ななもぬけっぷり

 

爽生ハム

 

 

腕の褐色が剥がれ抜けおちるだけの繰り返しがある
実現できない程の淋しい奥地で
木目のモアレに癒されてる背中のみ
皮膚への媒介を許す
誰に許された
園児 汚い手をひく砂の虫
目落としがちな内部に過疎ぶく熱い塊
ねっとりとした回復を園児は
混ざりけのない砂場で見つけた
水場で見つけた
墓場で見つけた
園児よ手を広げ 砂をきらきらと蹴落としてくれ
そこで起こるモアレを
誰かが見ている
もぬけ 頑なな四足の動物
思わず笑みがこぼれ涙も溢れる
誰かが摩っていた
こんなところでも
こんなところでも
虫は溶けた
許すなら ここに窓を作って痩身していた背中をうずめ一杯にしたい