駿河昌樹
わたしの詩の読みかたなんぞ
いいかげんである
なにをするのもいいかげんだが
詩なんかを相手にするときなんぞ
なににもまして
いいかげんである
けれども
いいかげんな読みかたをしてさえ
りっぱに引き込まれちゃったりするか
どうか
詩の見分けかたは
そこにあるような気がしている
いい詩というのは
読み手のいいかげんさを貫く
まるで
怠け者でぐだぐだで
あたまも悪い愚か者が
ふいに真の恋にだけは貫かれるように
わたしの詩の読みかたなんぞ
いいかげんである
なにをするのもいいかげんだが
詩なんかを相手にするときなんぞ
なににもまして
いいかげんである
けれども
いいかげんな読みかたをしてさえ
りっぱに引き込まれちゃったりするか
どうか
詩の見分けかたは
そこにあるような気がしている
いい詩というのは
読み手のいいかげんさを貫く
まるで
怠け者でぐだぐだで
あたまも悪い愚か者が
ふいに真の恋にだけは貫かれるように
いまとなってはいい思い出だ と よく 言う
これもいつか いい思い出になるよ とも けっこう 言う
ぼくのいま現在の感覚をしゃべらせてください
毎瞬毎瞬が発生即思い出です
いつの頃からかそうなってしまって
もう
ありありと発生即思い出です
一瞬一瞬なにかが起こったと同時に思い出として思い直しているのです
あ 洗濯機がピーピー言って
洗濯の一回分を
はげしく懐かしんでいる!
上の△は下では▲か▽
△は正しい正しさ
▲は間違って正しい正しい間違い
▽は正しく間違った間違った正しさ
△を下で敷衍しようとすると必ず齟齬が生じる
その霊性を欠いた原理的な正しさは逆に下では間違い▲として現れる
間違い▲としてしか現れない、現れ得ない!
ほんらい正しいが故にいまは非難されているのだ!
そしてその非難にはじゅーーーうぶんな根拠が添えられる
添えることができる!
▲に対するそうした批判は絶対的に正しく間違っている!
正しい間違いである!!
正論とはいまはそうした正しく間違った▽のことである!
世の中とは正しい間違い▽でできているのである!
▽は絶対的に間違っているゆえにいまは正しいとされているのだ!
(▲や、△を知らない▲に対する▽の非難は「正しい間違い▽」でも「間違った正しさ▲」でもなくほんとうのほんとうに間違っているだけなのだが)*
それに対して正しさらしさ▲のほうも間違っている!!!
それは正しいからだ!!!!
圧倒的に正しい正しさだからだ!!!!!
正しいゆえに絶対的な正しさ△からは遠ざかっていく!!!!!!
正しさ▲がいまはいちばん間違っている!!!!!!!
正しさ▲のほうが間違い▽よりももっと間違っている!!!!!!!!
ゆえに正しく間違った間違った正しさ▽から非難されているのだ!!!!!!!!!
*(作者注)
#poetry #rock musician
柿の葉が太くなって考えられていた大きさまで太くなってきています
考えられていた太さはとても太い
柿には二種類しかない
なで肩か肩幅があるかのどちらかだ
柿は肩幅だ
肩幅があると頼もしい感じがする
女は差別なく公平に言ってたおやかだ
差別なく平等に扱われているだろうか
女偏に弱いと書いて嫋やかと読む
ちなみに魚偏なら鰯である
イワシは強いのではないか
前針に掛かったことがある五寸くらいなのに一尺のベラくらいの力があった
将来起きることは左肩と右肩の間の金ネクタイに落ちてゆく
ネクタイは見える喉のようだ
男前の顔が漏斗に落ちるようにタイの太い結び目に落ちてゆくのだ
スーツは黒がいい
オスカーワイルドの世紀末からの結論だ
ワイルドは一九〇〇年の十一月に死んだ
非の打ち所のない柿だった
だれも洪水など経験したことのない時代に
木を加工し樹脂を使ってハコを立ち上げタイを流行らせたのだ
不快なものである東京軍が包囲をやめて一時的に撤退する
その間に秩父の山の方に逃げたのです
箱舟の七人練炭自殺
連合赤軍大菩薩
ロックフォークのシオンて子音の嗄れだね
熱帯なのに三寒子温は変なのでもうストーブ捨てて了い給えよ
シュッとして認める
現在、人種や国籍にかかわらずなで肩と闘っています
疲れ果てて弱ることも
躓いて倒れることもある
骨格の闘争
落窪の笑窪
下落合・戸塚辺りの雑草
忽ち老成する二世
過去の過ちなどない
ネットで中傷するようになりました
竹を割ったようなメンマ
青だけ踏み赤は棒編み
悔いのない共食の共食いから
目を逸らす犬
注ぎ出す水の駅ビルといえば岡山が噴水
鈍色のパッドが置いてけ堀
傷つけられる状況は変わらなかったが
傷つける北の方(キタノカタペニンナ)をカキの葉の太さが凌駕していた
そういう虐めには耐えられても
正当化できない失敗柿なのであれば無駄なことだ
考えることを止めることを決意するしかない
唯一の抜け道は間違った言語を通してその間違いを学ぶことだ
それにしても柿の葉は太い
それを自分はもはや言うべきではない
玉は尽きた打ち止めだ
トータルで損して終わった
終わりの時代が終わるのはそれが終わりだからだ
終わりが終わらないのだとしたら終わりなどいらない
白いカバの形のグラデーションに一瞬青空
不安の原因を教えてもらうこと
いや、すべてに失敗した五月の、原因の原因を教えてもらいたい
#poetry #rock musician
春分てあるの知らなかった。直実が新聞紙を全面に拡げてゴキブリをとる要領で近づき、さっとくるんだら逃げなかった。押し入れに仕舞われる時、新聞紙から少し青がはみ出しているのが見えた。世の中にはまだ知らないこういうこともあるんだぜと僕は直家に得意になって教えた。まだいるかなと思い自分でも家の中を探してみると玄関の上框の隅にレンタル水のサーバーくらいの空気の青い部分があり、それが春分よ、と言われた。捕まえようとするのだが、変形しては海月のようにするすると抜けて漂って行ってしまうので、畑の方に出てみた。色が空とが合わさるので探すのは難しかったが、陰になった地面にいたので今度は捕まえたらわりとゼリー状で、口をつけてみたら味はしなかった。押し入れに丸められたやつはいなくなっていたので、今度は直家の十六まで使っていた六畳間に入れると、急に、なんで捕まえるの、と声がするので、えーっ、しゃべるんだ、と言うと、どことなく顔にも見えるような像容となり、あなたわたしのこと好きでしょ、さっきもここら辺をぎゅーっとしてちゅっちゅっとかして(笑)などと言いながら消えていこうとする。きみみたいなのは沢山いるの?、と訊くと、そうだよ、メールとかも見るんだよ、アドレスはアビルジーンatumori何とか、と言う。自分のiphoneが手元になかったので直実のアンドロイドに入力しようとするが、abirug..?と確認すると、うーん字で書くとそういうことになるわねえ、などとゆっくりいいながら春分はそれでも消えていこうとする
#poetry #rock musician