仕事を
切り上げて
荒井くんと会った
浅草のしぶやで
金宮を飲んだ
荒井くんは
すこし濃いめで
といった
鰯の刺身が
おいしかったな
夏の海で
鰯の群れがきて
鰯を釣ったな
海が真っ黒だったな
荒井くんと
地下鉄の入口で手を上げて別れた
仕事を
切り上げて
荒井くんと会った
浅草のしぶやで
金宮を飲んだ
荒井くんは
すこし濃いめで
といった
鰯の刺身が
おいしかったな
夏の海で
鰯の群れがきて
鰯を釣ったな
海が真っ黒だったな
荒井くんと
地下鉄の入口で手を上げて別れた
流れて
いた
河は
二重に流れていたろう
川底の小石の
上には
ハヤたちが群れて
泳いでた
そこに
世界はあった
水面に
青空と太陽が光っていた
光り
輝いていた
言うべきことは
ないさ
やがて
二重の流れにまかせて
白い腹を裂くのさ