広瀬 勉
東京・中野野方?
わたしでない
ものの
底を
とおって
どこに
いったの
おじさんは
蝉の鳴くのを聴いてた
蟻の
歩くのを見ていた
蟻たちが
歩るっていた
わたしでないものの
底をとおって
わたしのいない場所に佇つ
おじさんには
お金は無いけれど
みあげると
光って
た
水底から
みあげていた
光って
いた
わたしは
わたしでないものを
とおって
いった
光って
いた
せまい
わたしでないもの
そこを
とおって
わたしではない
わたしは
わたしはない
わたしではない