広瀬 勉
もう二十年も前、知久君、室野井さん、と四人で、
ずいぶんと
早く
目覚めたのだったが
遅れてしまった
ひとり部屋の床にすわっていた
のだったか
辻和人さんとの
約束に20分も遅れてしまった
今井義行さんと
お会いして
嬉しかったな
それから上野で荒井くんと会った
もう
昨日のことになってしまった
雨に
ならなかった
遠くで
大風はうまれた
海は凪いでいた
お彼岸に
彼岸花は咲くんだね
慈という字を
きみは石に刻んだ
慈悲は
あるだろう
彼岸にも慈悲はあるだろう
雲から
日射しが漏れるのをみていた
凪いだ海を風はわたり
波が
ゆれてひかっていた