広瀬 勉
隣町へ廻って、
流れて
いた
河は
二重に流れていたろう
川底の小石の
上には
ハヤたちが群れて
泳いでた
そこに
世界はあった
水面に
青空と太陽が光っていた
光り
輝いていた
言うべきことは
ないさ
やがて
二重の流れにまかせて
白い腹を裂くのさ
今朝も
スープをつくった
オクラとジャガイモと
豆腐とワカメと
干し椎茸をいれて
鰹だしで
塩をひと摘み
いれた
それから
胡麻油をたらした
灰汁を掬い夢想する
澄んで
ゆく
夢は
そのまま金色の河だ
流れていった
死の岸まで流れていった