michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

angel 天使

 

今朝
満員の

山手線のなかで
泣いてた

赤ちゃんの
泣く声がした

かぼそく

目を
瞑って

聴いた

このまえの日曜日
きみに

会わなかった

声も
聴かなかった

浜辺には
風が渡っていった

きみの
声を

探した

いないきみの声を
探していた

 

 

 

光の疵 ベルベットのほつれ目

 

芦田みゆき

 

 

逃げるように陽が落ちて、
湿ったベルベットの夜が、
あたしの皮フを締めつける。

その日、
あたしは衝動的にバラの花束を買った。
バラは冷たかった。

あたしは、バラと一緒に夜の公園へと入っていく。

 

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一枚、
また一枚と、
闇の中であたしは白を脱ぎすてる。

するとひりひりと痛むのだ。
バラの棘が。
あたしの皮フが。

擦りあうほどに震える表面の曖昧な境界。
痛みこそがあたしのかたちだ。

 

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ベルベットの夜にうまれたほつれ目は、
闇に溶けることはないだろう。

あたしは立ちあがる。
そして、
光へと帰ってゆく