michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

「はなとゆめ」14 生きる

 

 

悲しみに堪えられないならば

夕暮れに
浜辺にたってみてはどうでしょうか

悲しみは人称を失いました

人称は
失いました

だから
マリア・ユーディナを聴いています

だからマリア・ユーディナの平均律クラヴィーア曲集 第1巻22番を聴いています

西の
山に

日は沈みましたか

青緑の西の山に日は沈みましたか

夕暮れに
燕は

空を
飛んでいますか

悲しみは何処にいきますか
失った悲しみは何処にいきますか

浜辺に佇ち尽くすばかりです
わたしは浜辺に佇ち尽くすばかりです

燕は首をひねりながら鳴きます
燕は電線にとまって首をひねりながら鳴きます

燕たちは夕暮れに子どもたちのために忙しく空を飛んでいます

 

 

 

※この作品は以前「句楽詩区」で発表した作品の改訂版です。