michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

table 食卓

テーブルの上にはたくさんの物があります

長崎で買った陶製のキリスト
伊豆の射的場の裸婦の人形
アフリカの石彫の魚

石ころ

公園で子どもが拾ってきた石ころ

モコはテーブルのしたで眠っていた

モコは
テーブルのしたにいた

何もない闇がテーブルのしたにある

 

 

書斎が行きたいところ

根石吉久

 

書斎

 

それほど広くはない畑で、草だけを使って野菜を作る実験ばかりしてきた。実際、実験ばかりであり、ろくに野菜は穫れてはいない。草は毎年豊作 で、草を作っているのか野菜を作っているのかわからない。周りの畑に来る人たちもわからないらしく、口に出しては言わないが、いったい何をやって いるんだろう 続きを読む

sorry 気の毒で すまなく思って

朝露の中で
閉じた花がひらくのをみていた

小さなラッパのように
閉じた白い花がひらくのをみていた

朝日にあたって
白い花はひらいていった

小さな命がひかりの中で振動していた

ひらいていった
ひらいていった

振動するものをみていた

 

 

tape(布、紙などの)テープ

昼寝のつもりが
夕方まで眠ってしまった

それから
散髪はやめてモコと散歩にでかけた

夕方の青空に
千切れた雲がオレンジ色に染まっていた

夢の中で見た雲だった
夢の中で見た雲だった

青空の中に
オレンジ色のテープがちぎれて浮かんでいた

 

 

train 列車

北千住で
会津田島行きの列車に乗った

列車から
青空に白い雲が浮かんでいるのをみた

白い雲はそこにあった
白い雲はいつまでもそこにあった

ぼたるさんの墓石には
薔薇と秋桜の花が彫られていた

ぼたるさんの花が薔薇で
わたしの花は秋桜と奥さんは笑っていった

 

 

desk つくえ

部屋の机の上には
がらくたがあります

若いころ長崎で買ったキリストの陶製の置物
アフリカ展で買った石の魚の彫物
温泉の射的の的だった裸婦の人形
セメントの地蔵

子どもが公園でひろってきた石ころ

がらくたは
机の上で見ていました

わたしも見ていました

 

 

size 大きさ 寸法

あまり
なかったな

あまり
考えていなかったな

波が
あれほどの大きさになるとは

ヒトビトが
あれほどの大きな波に流されるとは

原子炉が
あれほどの大きな波をかぶり爆発するとは

わたしたちのサイズを超えるものを
わたしたちのサイズを超えるものを

 

 

wave 波

休日には
波を見ています

休日には
いつも波を見ています

いつまでも
打ちよせる波を見ています

荒れた日も
凪いだ日もそこにいます

そこに
ヒトビトはいます

ヒトビトのまぼろしはいます
ぼたるさんもいます

手を振りました
手を振っていました

何も言えませんでした
何も言いませんでした

 

 

piano ピアノ

荒井くんから
ラ・モンテ・ヤングを借りた

最近はラ・モンテ・ヤングを聴いている

よく調整されたピアノで

直線を描きそれを
辿れ

火をおこせ
蝶をはなて

他者の悲しみの
むこうに

ラ・モンテ・ヤングを聴いている
ラ・モンテ・ヤングを聴いている