michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

猫と月 **

 

さとう三千魚

 
 

夕方に

家を出た
西の山の上に月がいた

オレンジ色の
細く

若い月がいた

猫は

月を見ることが
あるのか

猫のいる本屋の
テーブルの上に猫はいた

まるい眼で
こちらを見ていた

西の山の上に細く若い月がいた

猫はいた
猫がいた

 

・・・

 

** この詩は、
2025年8月26日 火曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第20回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩に加筆した詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

奔走 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! Part2 010     paseri さんへ

さとう三千魚

 
 

ひまわりの
咲いてた

夏の
庭の

午後に
咲いてた

遠くに
戦争があった

走りまわって
帰ってきた

夏の庭に
咲いてた

 
 

***memo.

2025年8月23日(土)、
浜松「はままちプラス」で開催された”再詩丼”にて、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第40回、第2期 10個めの即詩です。

タイトル ” 奔走 ”
好きな花 ” ひまわり ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

愛 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! Part2 009     ryuji さんへ

さとう三千魚

 
 

ハナミズキの
花が

咲いてた

きみの
庭に

咲いていた

空を見あげてた
ハナミズキ

ぼくの花
咲いてた

 
 

***memo.

2025年8月23日(土)、
浜松「はままちプラス」で開催された”再詩丼”にて、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第40回、第2期 9個めの即詩です。

タイトル ” 愛 ”
好きな花 ” ハナミズキ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

わがまま ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! Part2 008     sakurako さんへ

さとう三千魚

 
 

ひるの月を

見たことが
ある

青空に
やわらかい

浮かんでた

儚い
夢を

忘れてる

駄々をこねて
泣いた

ことがあった

 
 

***memo.

2025年8月23日(土)、
浜松「はままちプラス」で開催された”再詩丼”にて、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第40回、第2期 8個めの即詩です。

タイトル ” わがまま ”
好きな花 ” ヒルザキツキミソウ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

水道水を飲む女

 

工藤冬里

 
 

水道水を飲む女
水道水を飲む女が
バリケードにピアノを運び込み
白昼の奪略を懼れない
白昼の奪略を懼れないのに
スマホを持って寝落ちする
スマホを持って寝落ちするが
大きな穴が三つ開いていて
画像に幼稚な処理を施している
幼稚な処理を施しているのに
シドンの港を領有していない
シドンの港を領有していないことが逆に良かった
兎にも角にも臨終だ
ゼブルンもきばるんも金を遣えシン年度
海辺​で​何​も​せ​ず​に​座り
港のそばに​とどまっていた
港のそばに​とどまっていたので
選挙期間中に鹿の優美は失われた
鹿の優美は失われたが
晴々とキラキラ体調を整え
いつか本当のことを話す
いつか本当のことを話すと
水道水を飲む女は金魚のように出てくる

 

 

 

#poetry #rock musician