michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

簡単な部屋の名付けられていない二色が全てを決定していく

 

工藤冬里

 
 

取りまとめてカラカラと
何の見切り発車か
デスティネーションはとうに過ぎて
スクワットを笑って三十回
時間を売って
デスティネーションに戻ろうと
留守電のようにカラカラと
空のリールのように操業する
針の長短
徒刑まで何マイル
ついにこの容れ物には入らなかった精神

 

 

 

#poetry #rock musician

I shall stay here for the present.
私は当分のあいだここに滞在するでしょう。 *

 

さとう三千魚

 
 

screaming
I was hearing

I heard it in the kitchen
was moaning

that is
no way

I didn’t know I was

that person was also screaming

it was Francis Bacon’s cry

he is a villain

at the bottom of the sea
was shaking

at the bottom of the sea
was a swaying man

oh oh oh
oh

uoh uoh uoh uoh uoooh

was screaming

the tide
was flowing

aquatic plants were shaking at the bottom of the water

small fishes

they were shaking their hips and swimming

I shall stay here for the present *

 
 

叫び声が
聴こえていた

台所で聴こえた
呻いてた

それが
まさか

自分だとは知らなかった

その人も
叫んでいた

ベーコンの叫びだった

悪人
だろう

海の底で
揺れてた

海の底で
揺れる男だった

おおう
おお

うお うお うお うお うおおお

叫んでいた

潮が
流れていた

水底で水草が揺れていた

小魚たち

腰を振って
泳いでいた

私は当分のあいだここに滞在するでしょう *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

胃が痛くなりそうな気がする

 

工藤冬里

 
 

白髪はほとんど光
死んだ男との繋ぎ目が黒を潜って顔になる
親達は叫ぶ赤子に戻り
流線は収斂する
シナイの地下水は豊富でなければならない
戦況について
身近な国の国境を越える色がまだ名付けられていない
いよっ大統領
着ることは中身を外に出すこと
パンジー刑事
反故にする
衣服を着せて体の欠点を隠す
頁のカモメ
柿色のコンパネに光が当たり
身分証明に完璧な接着剤
簡単な部屋の
名付けられていない二色が
全てを決定していく

 

 

 

#poetry #rock musician

He is living from hand to mouth.
彼はその日暮らしをしている。 *

 

さとう三千魚

 
 

for breakfast
make onion miso soup

cut vegetables
make a salad

give the woman a salad
see off the woman

hang out the laundry
go to take out the trash with the dog Moko

with moco
by car

go to see the sea
was calm

something sways and moves on the bottom of the flat sea

at the bottom of the sea
there is a swaying man

the man is swaying

a man is holding a woman
woman’s skin

warm

He is living from hand to mouth *

 
 

朝食に
玉葱の

味噌汁を作る

野菜を切り
サラダを作る

サラダは女に持たせる
女を

見送る

洗濯物を干す
犬のモコとゴミ出しに行く

モコと
車で

海を
見に行く

凪いでいた

平らな海の底に揺れて動くものがある

海の底に
揺れる

男がいる

男は
揺れている

女を

抱いている
女の肌

温かい

彼はその日暮らしをしている *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Situationist
International

 

工藤冬里

 
 

ジジェクの「パンデミック」はその冒頭から間違っている
マグダレーネに言った「我に触れるな」(J20:17)は風船のように空中に昇っていったりはしないから大丈夫だよ、という意味である
ジジェクはここを、相手に触れることの出来ない感染拡大状況に適用する
そしてヘーゲルの若書きを引用し、触れられないなら見つめ合え、とアジテートするのだ
そのあとジジェクは

ここで大木さんから電話が入る
今自分はネオ・シチュアシオニストで、映像は繋ぎ目が大事なのに大手メディアはその微細を分かってない、原発事故やコロナよりSNSの方が問題だと言う。
僕は映像を 観るとは善悪に晒されるということだ、と説明する。
その後

胃が痛くなりそうな気がする

 

 

 

#poetry #rock musician

My watch is out of order.
私の時計は狂っている。 *

 

さとう三千魚

 
 

put moco in the passenger seat
driven to the beach

this morning

the sky
it was sunny

the west mountains
standing in blue-green

in the sea
the whitebait ship was floating

many times
many times

it’s the sight I saw

I was there
I’ll be back there

you were standing
nothing left

My watch is out of order *

 
 

モコを
助手席に乗せて

浜辺まで

ドライブした

今朝

空は
晴れていた

西の山は
青緑に佇っていた

海には
しらす船が浮かんでいた

なんども
何度も

見た光景だ

そこにいた
そこに帰る

きみは佇っていた
何も残らなかった

私の時計は狂っている *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life