michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

喪亂帖的筆意在空雨中顯現

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

《喪亂帖》的筆意在空雨中顯現
雨,落。 奈何!
書頁也落; 羲之頓首
花容失卻病態
舌下的罌粟彌留, 居所!
血液沖刷著熱肺
受驚的魚躍出匿名的時間
與利爪搏鬥
不眠的手機月亮一般靠近頭顱
平靜,從湮沒的海中昇起
空氣中充滿了《喪亂帖》的筆劃
奈何,雨的種籽淌過夜,葉子
深處的歷史意亂情迷,無法注釋
雨水静靜地流向天賦的溪谷
被囚的骨鎖成為輪廓。
一切來臨,一切
             來臨。

2022年8月13日香港西貢

 
    .
 

《喪亂帖》的筆意在空雨中顯現
 『喪乱帖』の趣はきまぐれな雨のなかに現れ出る
雨,落。 奈何!
 雨は、降る。 いかんせん!
書頁也落; 羲之頓首
 本のページも脱け落ちる、 羲之拝啓
花容失卻病態
 花の容色は失われていた病態を現出し
舌下的罌粟彌留, 居所!
 舌下の芥子粒は留まりつづけ、 身を何処に置く!
血液沖刷著熱肺
 血液は熱き肺より激しく押し流し
受驚的魚躍出匿名的時間
 驚いた魚は匿名の時間に躍り出し
與利爪搏鬥
 鋭い爪と闘う
不眠的手機月亮一般靠近頭顱
 眠れぬ携帯電話は月のように頭蓋に近づき
平靜,從湮沒的海中昇起
 平静は、沈み込んだ海中からわき上がり
空氣中充滿了《喪亂帖》的筆劃
 空気の中に『喪乱帖』の筆さばきが満ち溢れた
奈何,雨的種籽淌過夜,葉子
 いかんせん、雨の種は滴って夜を越え、木の葉の
深處的歷史意亂情迷,無法注釋
 奥深くひそむ歴史は思い悩ましくかき乱され、
  注釈を施すすべもない
雨水静靜地流向天賦的溪谷
 雨水は静かに天賦の谷間にむかって流れ行き
被囚的骨鎖成為輪廓。
 囚われた骨の鎖が輪郭となる。
一切來臨,一切
 すべてがやって来る、すべてが
             來臨。
                やって来る。

2022年8月13日香港西貢
 2022年8月13日香港サイクンにて

*『喪乱帖』 中国東晋の書家王羲之 (おうぎし) の書蹟。戦乱の中、先祖の墓が再度北方の異民族によって荒らされたのを悲しんだ手紙を後人が模写したもの。「羲之頓首」はその冒頭と末尾の語。

 

日本語訳:ぐるーぷ・とりつ

 
 

王羲之 喪亂帖

​釋文:
羲之頓首。 喪亂之極。 先墓再離荼毒,追惟酷甚,號慕摧絕,痛貫心肝,痛當奈何奈何。 雖即修復,未獲奔馳,哀毒益深,奈何奈何。 臨紙感哽,不知何言。 羲之頓首。

 

 

 

 

holy day

 

工藤冬里

 
 

Aug1 Separados de mí, ustedes no pueden hacer nada
漢字混じりの角が立つのか眺めているといらいらする

Aug2 Estos dos reyes se sentarán a una misma mesa diciéndose mentiras el uno al otro
うすやみにかなかなをきくはまれにしていつころよりかあきらめてまつ

音楽は倫理ではなく技術にすぎないので
分断?なにそれ、という感じである
身体性という器に関する即興的な技術があるだけだ

Aug3 Yo Seré lo que Yo Decida Ser
全体とは欠如である、とすれば政治的全体は充満ではなく、%で表せるものではない
空のバケツに手を突っ込み合うようなものだ
突っ込むならolé!と間の手を入れるテオリアでありたい

ペロシです

ちゃん系バンドのチェーン展開でしよ食べないけど

取り去ったのは
付け加えたのは

ヒカルがジョイフルとコラボした焼肉定食を食べた
見回すと皆ヒカルの焼肉定食を食べている
僕も「これでヒカルの焼肉定食を食べたと人に言える。」と思いながら食べた

Aug4 vida y aliento
歌には乗っかって歌うやつとぶら下がって歌うやつの二種類しかない
その聴こえ方は虫や鳥の音が混ざり込んで現前するものと遮断するものとがある
あと,会えなくなってもキャラ化して泳ぎ回る記憶と、そうでないやつとがある
生きてきて分かったのはそれくらいだ

ガスパッチョ
キュウリとトマトとピーマンをミキサーにかけ、
オリーブ油とクミン、塩とヴィネガーで味をつけて水に浸けたパンを一切れ浸してできあがり
冷製スープとして非常に優れているのみならずキュウリ地獄から抜け出る一条の光

軟禁されていることを忘れて
状況が変わる時改めて意味を持つようになる

Aug5
https://twitter.com/tsukamotoK_bot/status/1555513115940618241?s=20&t=ce9yIn1-oOZAS3mVbqIU8Q
死に方を色で分けむず

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu3/toushin/attach/1332145.htm
炭素年代測定法

Aug6
https://www.craiyon.com
AIに描かせると皆フランシス・ベーコンみたいになる
集合的無意識とか一般意志の視覚化を狙えると思った
裏はない
世界に裏があると思っているうちはまだだめだ
表が裏だからだ

Aug7
traveler’s joy
クレマチスの仲間で世界中に咲いているらしい
traveler’s joyで検索すると南アフリカのホテルが出てきた

練習しないとやれないような音楽は必要ない、
という言い方が成立するのは今だけである。
終わりの時のための音楽は志向するものではなくずるずると中身のようにして付いてくるものである。

Aug8 ¡Basta ya! Quítame la vida

 

 

 

#poetry #rock musician

白と黒 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 13     yuri 様へ

さとう三千魚

 

 

白と黒の世界に
生まれた

わたし

ひかり
待ってた

あまい香り
した

オレンジの

花粉
こぼれた

白い花
カサブランカ

こぼれた
ひかり見てた

 

 

memo.

2022年8月6日(土)、自宅にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った詩です。

お名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、お送りしました。

タイトル ”白と黒”
花の名前 ”カサブランカ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

死者たちの顔

 

駿河昌樹

 
 

   一度死んだ人が、わたしの身体のなかで何度死んでもいい。
   土方巽

 

まぢかに見た死者たちの顔を
詳細に思い出したくなったので
思い出してみていた

そうして
気づいたのだ

かれらの顔は
すこしも
“死”んでなどいなかった

やはり
大きな考え違いを
し続けてきていたのだ

ためつすがめつ
見つめ続けられるようになったことを
怠惰から
“死”などと
呼んで
済まそう
過ぎ越そうと
慣らされ
強いられてきたのだった

 

 

 

盆波に乗せよ馳せよ

 

一条美由紀

 
 


その危うさは武器なのか、
それとも自由な思想のための踏み台なのか。
彼女は行く。
上手くいかないことを数えては忘れ、
淡い夢をしたたかさに変えて、、。

 


熱帯雨林の街
異常気象も慣れてくればなんとかなるさ
無敵な人間たちは今のひとときが楽しければ明日もチョロい
そして
未来への提言はいつもプラカードのままに終わる

 


誰かがいつもたくさん欲しがるから
誰かがいつも何か足りない