広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
叫びたい
ことが
ある
けど
叫ばない
話したいことが
ある
けど
話さない
おとうとは
レンゲ畑に佇っていた
バットを
振りまわしていた
レンゲの花が
咲いていた
一面に咲いていた
若い
若い
おとうとがいた
memo.
2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったななつめの詩です。
お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。
タイトル ”おとうと”
花の名前 ”レンゲ草”
#poetry #no poetry,no life
やはり
書くということは大きい
文化
というが
あれはやはり
文に化する
ということだろう
文にしてみる
言葉にしてみる
文字にしてみる
ソクラテスのように
イエスのように
ブッダのように
書かなかった賢人もいる
たぶん
そこが理想の到達点ではある
しかし
言葉にしてみる
文字にしてみる
文にしてみる
という径路もある
たぶん
文字や言葉や文そのものが大事なのではない
けれども
そうした物質化の過程で
跳ね返ってくる大きな反作用があって
それは精神を変容させる
求められているのは
そんな変容だ
文字や言葉や文を携えて
次の世界に行こうなどということではない
求められているのは
手を
繋いだ
ことがある
夜中に
手を繋いだこと
がある
夜明け前に
きみの花が咲く
のをみた
ほそい首の先に
ピンクの花を咲かせて
いた
エケベリア
夜明け前に
いつまでも
きみをみていたい
memo.
2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったむっつめの詩です。
お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。
タイトル ”夜明け前の結婚式”
花の名前 ”エケベリア”
#poetry #no poetry,no life
みたことが
ある
みたことが
あった
紅い色の
花が
風に吹かれていた
ゆれていた
紅い花
散っていった
風に
舞った
枝に棘を残して
いった
memo.
2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったいつつめの詩です。
お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。
タイトル ”ひらく”
花の名前 ”ブーゲンビリア、紅い”
#poetry #no poetry,no life
教頭をいつもおぶって山の内部に
掘ることの先に地図の出口はある
付けたり外したりひらひらさせて
呼吸は感染道路を突っ切る
空室に外された時計
遠近が時間の代わりに時間に
#poetry #rock musician
足元に
いたのか
そうか
わからなかった
エーデルワイス
白い花
きみは
朝の
山の空に
星の声を聴いていた
memo.
2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったよっつめの詩です。
お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。
タイトル ”山の朝”
花の名前 ”エーデルワイス”
#poetry #no poetry,no life