ひくい
草むらにいて
日にひとつのコトバを語ろう
ひくい
草むらから
隣人へ
委託されたコトバを語ろう
死者から委託されたコトバを語ろう
風がふいていた
ひかっていた
それだけだ
それでぜんぶだ
日にひとつのコトバを語ろう
ひくい
草むらにいて
日にひとつのコトバを語ろう
ひくい
草むらから
隣人へ
委託されたコトバを語ろう
死者から委託されたコトバを語ろう
風がふいていた
ひかっていた
それだけだ
それでぜんぶだ
日にひとつのコトバを語ろう
青空
ひろがっていた
青空がひろがっていた
帰り道
ひとり公園にいた
樹木の
葉裏をみあげた
樹木の葉裏を
愚かだ
愚かだ
意味も
ない
青
意味がない
お堀の土手を逆に歩いていった
お堀の土手をヒトビトとは逆に歩いていった
青空
青空
草
むらの
なかに
いたのか
深夜に桑原正彦の肥大という絵をみた
生成された
肥大するみにくい女の顔のなかに
草むらが
あり
異人がいた
突破するもの
突破する者たち
草むらの
土の
天皇
突破する天皇
突破する天皇たち
ツグミが
鳴いている
スズメも鳴きはじめた
中央線の通り過ぎる音が聴こえる
荒井君と
テリー・ライリーを聴いた
テリー・ライリーを聴いた
通り過ぎる音が聴こえた
耳をすますと
通り過ぎる音が聴こえた
通り過ぎていった
今朝
多摩川を渡った
目的や
意図のまえに
新しいこの日と古い日々がある
浜辺で空にかもめが浮かんでいた
磯ヒヨドリは
このところみない
かれらに目的や意図はないだろう
ヒトには
小鳥たちほどの自由もないだろう
空にかもめが浮かんでいた
昨日
モコと海辺を歩いて
海と
空を
みました
空にはかもめが飛んでいました
今朝
窓の外に
西の山は青くかすんで
燕たちがよこぎるのをみました
あのヒトがいいました
つかみどころがなくて
空をみたり太陽をみたりしていると
あのヒトがいいました
あのヒトはいいました
西の山が
青くかすんで
小川の傍にすんで
蝉しぐれをあびている
マリア・コゾルポヴァの
ヴァイオリンソナタ第3番を聴いている
西の
山の
青いいただきが
白い雲にかくれている
今朝モコと浜辺を歩きました
わたしは今朝モコと浜辺を歩きました
芝生の
さきに突堤があり
その向こうに
灰色の空と海がひろがっていた
灰色の
胸のなかに
マリア・コゾルポヴァの
ヴァイオリンソナタ第3番が聴こえた
悲しみ
だった
普遍的な悲しみだった
ウォーと叫んでいた
ウォーと叫んでいた
まだ
わからないな
死んだことが
ないのでわからないな
いがいとあっけないんだ
と
きいたことがあった
それをいったのはまわりにいたヒトたちだった
そのいがいと
あっけなないんだの背後に
そのヒトたちをみているきみがいたのか
もう
7時になってしまった
仕事にでかけなきゃいけない
シャワーをあびて
下着をかえて
しろいワイシャツをきて
黒いソックスをはいて
灰色のスーツをきて
電車にのって
電車から多摩川をみて
そして空をみて
そしてわたしは生きていつか死ぬだろう