resound・鳴り響く こだまする

 

さとう三千魚

 
 


降ってる

今朝

鐘の音

聴いた

汽笛の

音も
聴いた

長崎で聴いた
坂の街を

聴いた

四谷で

鳴り響いてた
教会の鐘が鳴るのを聴いた

きみの

歌うのを
聴いたよ

水平線を縦に並べて滝にしてみる *1

今朝

墜ちたよ

空から
墜ちたよ

鳴り響いている
光ってる

いまも

鳴り響いている
鳴り響いている

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
*1 工藤冬里の歌「2020」より引用しました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

あきれて物も言えない 11

 

ピコ・大東洋ミランドラ

 


作画 ピコ・大東洋ミランドラ画伯

 
 

カミナリの音が聴こえる

 

夜が明けて朝になった。

今日も、
朝が来た。

カミナリが鳴っている。

こんな朝早く鳴っている。

ピカッと光って、
ドドーンと驚くほど近くに落ちたような音だ。

犬のモコも目を覚ますだろうと隣の部屋のわたしは心配です。
モコはカミナリや花火の音が怖くて怖くて、
ブルブルと震えるのです。

今日は、嵐になるのだということです。

世界でもコロナが吹き荒れている。
新型コロナウイルスの感染者が世界で、200万人を超えたと朝刊の記事にあった。
日本では感染者数が8,000人を超えたのだという。

パンデミックというのですか。

パンデミック(英: pandemic)の語源は、
ギリシア語のpandēmos (pan-「全て」+ dēmos「人々」)だという。 * 1

感染症が世界中に流行することをパンデミック、世界流行というのだという。

日本や世界中で医療関係者が、
このウイルスに感染した人々を救うために尽力している。

日本では、4月16日、全国に緊急事態宣言の対象が拡大された。
この国の首相が指示し466億円かけて各戸に2枚の配布が決まった布製マスクが、届きはじめた。
マスクが小さいではないかという問い合わせがあるようなのだが。

アメリカの金髪の大統領は、
世界保健機構(WHO)が「中国寄り」だとしてWHOへの拠出金支払いの停止を表明したという。

いまやアジアやアフリカや世界の新興国にも感染症が拡がり、
世界中が大変な時に、アメリカの大統領は自国のために世界を分断しようというのだろうか?

新型コロナウイルスに対応する医薬品や医療機器の開発や製造は先進国が行っている。
それらを各国と共有できなかったらどうなるのか?
自国第一主義は世界に混乱を生むように思える。

食料やマスクや医薬品や医療機器の輸出規制など、これからの政策が心配だ。
また、今、日本では種苗法改正法案が国会に上程されている。
外国の巨大資本に種子が独占されるのではないかという危惧が日本の農業現場にあるようだ。

カミナリの音はもう聴こえなくなった。
雨音が聴こえる。

窓ガラスに雨粒が音を立ててぶつかり流れている。

窓の向こう、
西の山が雨に煙っていて頂上が見えない。

ここのところわたしは自宅でモコと三密状態です。

外出から戻ったら必ず手を石鹸でよく洗います。
犬のモコにコロナを感染(うつ)したらかわいそうだからです。

帰宅したら飛びついてくるモコをそのままに、
手を洗ってから、
モコを抱きしめます。

それからソファーに行くとモコはわたしの膝の上から大きな瞳で見つめ返します。

しばらくそうしていると、
モコは安心して眠ってしまいます。
モコも、もうだいぶ年を取りましたからね。

モコを見ているとテミちゃんを思いだします。

テミちゃんはいとこのお姉さんでした。
小学生の一年か二年の頃に遊びに行くとテミちゃんのふんわりとした話し方に子どものわたしは魅了されたのでした。
テミちゃんは顔つきも体つきも白くぽっちゃりとしていて、
絵が上手で、
とてもゆっくりふんわり静かに話すお姉さんでした。

あ〜こんなにゆっくりふんわり話して、いいんだ・・・。

そう、子どものわたしが思ったことを今でも憶えています。
それからそのことを大切に思ってきました。
いまでも思っています。

わたしが青年になり大人になり社会に出てみたら、
そのゆっくりふんわりを大切とする人はほとんどいない事に気付きました。
世の中は、とにかく早く処理することが大事なんだなあ!とショックでした。
勉強も仕事もそうでした。
ゆっくりふんわりなんかまったく大切にされていませんでした。

わたしは、
二十歳を過ぎて、
東中野にある木造の建物の中の詩の教室に通い始めました。

そこには鈴木志郎康という詩人がいました。
その詩人は私たちの詩をひとつひとつみんなの意見を聞いた後に講評してくれるのでした。
青年のわたしは、やっと素敵な大人に会えたと思いました。

その詩人が「徒歩新聞」という冊子をたまにくれました。
表紙は赤瀬川原平という人がイラストを描いていて、
舗装されていない野原の道路のようなところを下駄と靴だけが歩いているようなイラストでした。人がいないのです。
表紙を開くと扉に、毎号、同じような歩行についての言葉が並んでいました。

“トボトボと歩いている。散歩するという気分でもなく、歩いていると、気もそぞろになって、躓いてしまうということがある。躓いてしまったときの、あの心理というのは、これは面白いものだ。・・・・” * 2

わたしはやっとテミちゃんに似た大人を見つけたのでした。

それからその詩人の詩の真似をはじめました。
そして、それから、ずっと詩を書いてきました。
いやいや、少し、休んだりしながら、トボトボと詩を書いてきました。

今回の新型コロナウイルスの流行が終わって、生き残っていたら、
また、ずっと詩を書いていきたいと思っています。

テミちゃんはどうしているのかな。
もう、おばさんで、孫がいて、おばあさんかもしれないな。

世の中、呆れて物も言えないことだらけです。
わたしのところにはまだ二枚の布製マスクが届いていません。

でも、この世の中には、
わたしの知らない”ゆっくりふんわりした人”が、たくさんいるのだと思います。

 

作画解説 さとう三千魚

 

 

* 1 「ウィキペディア」より引用しました。
* 2 「徒歩新聞」20号より引用しました。

 

 

 

hypothesis・仮説

 

さとう三千魚

 
 

ちょっと
休むだけと

ベッドに横になったら

眠って
いました

いま目覚めた

仮説(かせつ、英: hypothesis)とは
仮に設けたもの

向こうに

橋を
架ける

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

tribe・種族

 

さとう三千魚

 
 

以前

高円寺にある

バーに
通っていた

店の主人が
写真家で

壁に写真が掛かっている

店には
写真家たちが集まる

写真家たちは
鳥の種族だと思ったことがある

舞踏家や
詩人も

その部類かもしれない

見えない
翅で

羽ばたいてる

1mmも
浮かばないが

羽ばたいてる

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

poetry・(集合的に)詩

 

さとう三千魚

 
 

女と
犬と

ベッドに
いる

眠ってる

部屋の
窓をあけた

高速道の騒音が聴こえる

西の
山が

見える

晴れている

雲が
ひとつもない

ひとつも
ない

みんないつか死んでしまう

空が
青い

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

reverie・幻想

 

さとう三千魚

 
 

ハモニカを
吹きたい

そう思い

10穴のブルースハープを
持っている

たまに海に持っていく
けど

曲は吹けない

たまに
風のような音を鳴らしている

ピアノで
シンフォニア11を弾けたら

どんなに
いいだろう

とも
思う

シンフォニアの楽譜
持っている

ピアノもある

でも
弾けない

この世にないものを求めている

犬のモコを連れて

空に浮かぶ
雲を見たりしている

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

blast・爆破する 枯らす

 

さとう三千魚

 
 

昨日

玄関で

義母の姫林檎の花が
咲いた

ひとつ
咲いた

細い枝の先の先に白く咲いた

モコを
連れて

近所の川沿いを
歩いた

雲が
ふんわりと浮かぶのをみてた

午後には

安掛正仁さんの
瀧の

写真をかけた

玄関にかけた

瀧が落ちて
地上にぶつかる写真だ

そこに遠い命がある

ヒトは
いない

人間ではない
人間ではないところに

命がある

そこに
いる

夕方には

女がミネストローネというスープを
作った

美味しかった

ビールを
飲んだ

深夜
イタリアのClaudio Parentelaが生きているのを知った

生きていてよかった

新型のウィルスで
ヒトたちが死んでゆく

生まれたのは偶然だが

偶然に
死んでもいく

自己に拘泥して必然を探してきた

爆破する
枯らす

瀧が水しぶきをあげて地上に落ちている
命がある

そこにいる

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

monetary・金銭的な 貨幣の

 

さとう三千魚

 
 

山のカタチ
その日の出来事の

構造を
思う

貨幣の
場所さがす

散髪屋へ

理容ダイヤのおかみさん
今日どうされますか

ちょっと伸びたので


出るくらいに

自然に

と答えた

シニア調髪 1,782円

だった

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

numb・感覚のない 麻痺した

 

さとう三千魚

 
 

今朝も
晴れている

西の
山々がみえる

青い

風が吹いている

風が吹いて
川沿いの桜並木の花たちを揺らしている

人がいない

鎧戸も
風で

鳴っている

眼を瞑ると
聴こえてくる声がある

祖母であったり
母であったり

姉であったり

女たち

だったり
する

女たちの声が聴こえる

眼を瞑ると
見える

感覚が消えても
幻影が消えても

女のぬくもりがある

笑っている

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

opposite・反対の 向こう側の

 

さとう三千魚

 
 

この
部屋の

机の前に窓がある

窓には
ガラス戸の手前に

障子の引き戸があり
日が障子に射してやわらかく

明るい

障子を開けると
西の山が見えるだろう

西の山のうえには
青空が

あるだろう

反対の
むこう側の

イタリアの
カタンツァーロの

Claudio Parentelaからメールの返事がこない

今朝

風の音が笛のようだ

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life