しない
処理しない
整えない
その男は
しない
なにも
処理しない
整えない
ゆきを
みていた
あさにはゆきをみて
いみ
のない
意味のない世界をみた
木を
みた
木を見上げていた
そこにいた
そこに
佇っていた
しない
処理しない
整えない
その男は
しない
なにも
処理しない
整えない
ゆきを
みていた
あさにはゆきをみて
いみ
のない
意味のない世界をみた
木を
みた
木を見上げていた
そこにいた
そこに
佇っていた
昨日は
三栄町の公園の
ベンチで
休んだ
お昼頃だったかな
小さな子をブランコにのせる
若い母親がいて
弁当を食べる
勤め人たちが
いた
木の枝には
ハクセキレイと雀がいて
地面に
鳩たちはいた
夕方
お茶の水の病院のまえに立つ木を見上げた
袖口の空洞に
殺到する
すっぽりハマる精液のことを
おばさんと一緒に見ていた
千鳥格子な頬肉の焦げを
鉄板のうえに取り分け
脂身が
ゴムのように転がるまでを
見ていた
見るのは簡単です
ゴムにハマる性器に水はなく
おばさんの故郷はもうない
西の鬼もあれば
東の鬼もあり
アルコールを摂取すれば
北と南は駅が決める
駅に鬼がやってきて
交響楽団を数ヶ月取り締まるなら
この渋谷行きのバスに乗り遅れようかなとも思う
おばさんから搾り取られた
この渋谷行き
乗り遅れないバスを選んだ
渋谷行きでよかった
逞しい昼夜の仕事を逞しい物流が運び
鳥のように移動する人を
鳥のように鳴く人を
真下から見て
糞の配給を顔面から受けた
咄嗟に毛布に包まるとスモークがかかる
付着する
股の間の性器とその裏か奥かの風景の草原や森や柵や水
地面への設置面は木々になるのか
何も知れずに裸光に飛びついた鳥の口ばし
着いたホイップクリームの残骸
過激に装飾されくすんでいる
二人の人物
おばさんと私が見た空洞が
しかるべき腕
手というより純粋な腕
長くしなる狩りの
物書きの腕
なんだ ただ その
伸びた不焼いた
ふやかしまやかしの身体の皮膚が伸びた形状
この腕のしなりのおかげで事故を免れた
隕石は小さな地球の混濁として
そこにいて
格好に濡れて〆切を迎えた
腕と脚の長さが同じくして地面につく
付着 不時着 腕が長い事が地面につく事で示された
うなばらを
みてた
朝に
青い
海原をみていた
風がふいて
水面に
波紋がひろがっていた
いくつも
波紋はひろがった
青い青い
青い青い青い
波紋はひろがった
それから
シレトコ半島の漁夫の歌を聴いた
失われた民の歌だ
昨日
荒井くんと飲んだ
浅草橋の
西口やきとんで
飲んだ
隣りの席に
アメリカからの
若い旅行者のカップルがいて
ふたりとも
可愛かったな
ゆったりと
わらっていた
うぶげが
金色だった
国家はいらないね
日本人も
アメリカ人も
中国人も
小田原を過ぎた
こだまは
いくつも林を過ぎた
今朝は
味噌汁を飲んだ
灰色の空に
灰色の雲が浮かんで
そのしたに
半島が浮かんでいるのをみた
半島は
女だった
雲の下に横たわっていた
林を過ぎるとき
近いと思った
近くに
いた
チンパンジーは見ていた
磯ヒヨドリは見ていた
メジロは見ていた
モコも見ていた
高価な時計をつけていた
高価な靴を履いていた
高価な外套を着ていた
高価な指輪をつけていた
ヒトは高価な衣装をつけていた
動物たちは裸で見ていた
こだまは
熱海を
過ぎた
湯河原も
小田原も
過ぎた
光って
いた
小田原では
河口に漁船が浮かんでいた
こだまには
運ぶものがある
無いものを
運ぶ
コトバは
無いものを運び
無いものをきみに
わたす
世界を無いものでみたす
山の温泉に
いった
かわせみの湯といった
山のなかに
ひっそりとあり
温泉からでた人たちが
座敷で寝転んでいた
コトバは
ここにいた
いびきをかいて寝転ぶ
人たちがいた
ながいあくびをして
ビールを飲んだ
知を去る
献身的に皮膚がただれた私は
かさつく皮膚を指す
爪が結晶をかすめ
爪の隙間が満たされてゆく
爪は枝に留まる際
役立つだろう
それは
希望を持って自噴した砂に
似ていた
砂に埋もれないように
留まった枝の上
皮脂塗れのひどいかたまり
もはや餌である
餌を食べに
あなたに似た蜂が襖に針を刺す
それは
急に横切り
餌に眼を与えた
時間を見せつけられ恐怖に怯えた
あなたに似た蜂が横切ったからだ
餌を狙うあなたに似た蜂は
火宅にくすぐられ
ひどくかたまり
抜けなくなっていた
羽根がカサカサと音を立てている
その音に希望の衰えを感じ
餌にもなれないことを悔んだ
襖はやがて変色し
私を閉じ込めた