暮光之俳 七首

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

1)
耳際停珍珠
暮色晦暝秋水澈
等待著古曲

2)
繁星暗潜伏
秋光璀璨秋溪黯
山居彌虛空

3)
黃昏的神祗
潜心閲我斑爛光
恢宏奏鳴曲

4)
寂寂萬聖殿
曆史森然山海暗
黑警出色旗

5)
壁屋出彩虹
破事一件接一件
斷霞錯詩句

6)
看榮光來臨
我的城順從麈世
沉睡敗意中

7)
莫名的星磒
可能在將來寫成
幷遺失的詩

空白.

 

 

・翻訳はこちらで
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家族の肖像~親子の対話 その52

 

佐々木 眞

 
 

 

コウ君、一週間がんばったね!
頑張りましたお。

明日東急の本屋さん、行きますお。
分かりましたあ。

お母さん久しぶりにカッパ池行きたいな。
ボクも行きますお。ザリガニ釣りますお。
むかしタクチャン、リョウチャンと行ったね。
ザリツリ、ザリツリ、ザリツリ。歌いましたお。

お母さん、夕飯豚汁とキノコご飯にしてくださいね。
分かりましたあ。

お父さん、お風呂掃除してくださいね。
分かりましたあ。

「涙そうそう」ってなに?
涙がいっぱい出ることじゃないの。

あの人なんで泣いてるの?
うれしかったからよ。

オオヤさん、「おつかれさま」っていってくれたよ。
良かったね。

だいぶって、なに?
かなり、よ。

ぼくは高速道路好きですよ。
高速道路乗ったことあるの?
ありますよ。

高輪ゲートウエイ新しい駅でしょう?
そうだね。

今日ぼく「極主夫道」みますお。
みましょうね。

お詫びってなに?
「ごめんなさい」っていうことよ。

ぼく藤沢行きますお。
いつ行きますか?
お昼寝してから行きますお。
分かりました。

藤沢お父さんが一人で行くのと、3人で行くのとどちらがいいですか?
3人ですお。
分かりましたあ。

ぼく、オオツボさん好きですお。オオツボさんに会いたいですお。
そうなんだ。

私はメイサです。
こんにちは、メイサさん。

お母さんシリトリしよ。京都。
キ、キ、汽車。
もう終わりです。
コウ君が自分で言いだしたくせに。

エモトアキラさん、すまんて言ったよ。スマンてなに?
ごめんなさいのことよ。

お父さん、いつおばあちゃんチ行きますか?
4時半だよ。
分かりましたあ。

縁起でもないって、なに?
悪いことよ。

エイコさん、お母さんのおねえさんでしょ?
そうよ。

栄えるって、なに?
とっても繁栄するこよとよ。

将棋はゲームみたいに?
そうだね、まあゲームだね。

お母さん、しりとりしよ。盤上の向日葵。
リ、リ、リンス。コウ君、スだよ。

「年末年始」の英語は?
うーんとまあホリデイかな。

ハロー、「こんにちは」でしょ?
そうだよ。

正月の英語は?
ニューイヤーだよ。

お父さん、莉子さんの写真集、いつ来ますか?
明日ですよ。
良かったです。

私はフクモトリコです。
こんにちはフクモトリコさん

経験て、なに?
いろいろやったことよ。

交わるって、なに?
交叉することよ。

かかわらずって、なに?
それによらないで、よ。

私は修理屋さんです。
こんにちは、修理屋さん。

精神的って、なに?
気持ちのうえで、よ。

温泉てお風呂でしょ?
お湯が湧いてくるのよ。

お母さん、受け止めるって、なに?
全部分かってあげることよ。

コウ君、洗濯物を自分で洗うのはやめてください。
分かりましたあ。

お父さん、原、石原さとみの原でしょ?
そうだね。

夢中って、なに?
とっても好きになることよ。

お父さん、どっちみちの英語は?
anywayだよ。

嵩は山と高いだよ。
え、そうなの。

縁起でもないって、なに?
良くないことよ。

ぼく、グリーン牧場好きですお。
そう。どこにあるの?
群馬県だよ。

お母さん、ぼく勝浦好きです。
そうなんだ。

ぼくはタクです。
こんいちはタクちゃん。
ヤクちゃんヒトミさんと結婚してユウちゃんとアル君生まれたの?
そうよ。

お母さん、これなんですか?
十両よ。
どこにあったの?
お庭ですよ。

お母さん、いまどこでなにしていますか?
セイユーでお買い物をしているのよ。
分かりましたあ。

お母さん、ぼくバーズ好きだよ。
今度またバーズ行こうか。
行きませんお。

オオタヒロシさん亡くなっちゃったよねえ。
亡くなっちゃったねえ。

いまミワさん綾部ですか?
アマガサキよ。

コウ君、これからなにしますか?
ぼく、お昼寝しますお。
お昼寝かあ。いいね。

もうしばらくお待ちください、ってなに?
もうちょっと待ってください、よ。

 

 

 

節に居るもの

 

小関千恵

 
 

「からだの節々に居るものたちがとても元気だ」 と
今朝 目覚める間に
詩をかいていた

つぎつぎに出てきていたのはとてもできたことばのようだったのに
からだを起こして記そうとすれば
最初に記したそのことば以外は思い出せなかった
 

半分眠る私の体内で
それらは活発だった

わたしがそれらになることはできず
だけど、
それらはわたしになることができる
わたしの体内を
出たり入ったり
蠢いたり静かにしたりしている
もっとほかに それらが何をしているのかは
まだわたしにもわからないことがたくさんある

わたしはそれらと仲良くいたいと思いながら
暮らしている
うまくやっていたいし
それはわたしだけに流れているものでもなく
きっといろんなところを行き来しているから、
わたしは大切にしている

書いていた詩は
そんなようなことだったか
そんな気はしなくもないけれど
何故かもう、微塵もわからなかった

だけれど
予め、
確かにわたしは詩をかいていた

(すっかり忘れていた8日の朝に)

 
 

 

 

 

小箱のでいいから

 

駿河昌樹

 
 

会わなかったけれど
もっと
もっと
それが会うことでもあったような
カトリーヌ

公園で
あたしはこれから
会うところ

ユリをきょうは
買ってくればよかった

でも
噴水の水がとまっているので
キャラメルを
きっと
買って帰るわ
空白空0(小箱ので
空白空0(いいから

 

 

 

好きだなあ! 苦手だなあ!

 

今井義行

 
 

詩人 を さ・・・
プロと シロウトに わけて
考える ヒトって いる じゃん・・・
わたしは そういう ヒトって 苦手だなあ・・・!

わたしの ベッドには 中華系の 25台の
安い スマホが 埃をかぶって 並んでいる

そんな おかねが あるのなら
たくさんの おとこのコや おんなのコ
買うことが できたの に・・・

わたしは 15歳って 苦手 じゃないなあ・・・!

「おじさん 1・5(苺)で どう?」なんて
ふっかけられたら わたしは 苦手 じゃないなあ・・・ !
苺狩りって おいしいし 練乳があれば なお いい・・・

おもう ぶんには じゆう でしょ?

ところで ね 先日 Facebookに こんなこと 書いたんだ

『現代詩を書く詩人たち』

「現代詩人の多くは、初めは、書きたいことがあって、詩を書き始めたのでしょうけれど、それが、書いている内に、一定の技術を身に着けていき、作者の望む水準に達してしまった時、それ以降、そのことを守ろうとして、頑なな姿へと安住していくように、私には感じられます。

空0もっと言えば、そのことにすら、気づいていないような詩人が殆どのようにさえ、私には感じられるのです・・・

空0当たり前のことですが、現代詩は「個」の「表現」ですから、ありえないですよね。
空0作者は、日々生きているわけですから、現代詩が「進化」していくこと、「個」が、新たな詩を「表現」していくことは、現代詩 (表現) の必須のことがらだと、私は考えます。「進化しない」など、ありえないと思います。」・・・

こんなこと ワクワクして 書いちゃう わたしは わたしが ちょっと 好きだなあ!
だけど 現代詩の商業誌には 書くことは ないよなあ・・・

だから SNSって なかなか 好きだなあ!
自由に書けるから ひろくて 好きだなあ!
現代詩の 同人誌など もう 苦手だなあ!
ペーパーレス化していくのは 好きだなあ!

わたしは ね わたしの 土日休みが 好きだなあ!
1日1回 かぎりの ごはんは 朝だけ・・・
ヘルパーさんが 作ってくれた卵焼き 豆乳のヨーグルト クルミの食パン 塩バター味のパン 抹茶のデニッシュ 抹茶のシュークリーム チョコレートでコーティングされたバニラアイスクリーム 野菜ジュース

わたしは 偏食 なんだ けれど・・・
締めに ノンアルコールビールを1缶飲んで
そのあとに はやばやと 睡眠薬を飲んで 早朝から 翌朝まで 眠ってばかりいるのが 好きだなあ!

わたしが 1日に することは もう それで 終わり・・・

休日には 1日中 なーんにも しないのが わたしは 好きだなあ!

今日の わたしの 詩には わたしが いっぱい 現れてきて 頭をもたげてきてしまうのは なんだか 好きだなあ・・・!

東北地方の 詩人には 申しわけないけど・・・わたしは ちょっぴり 苦手だなあ・・・

この前ちょっと 彼の書いたものを 読んでみたけど・・・
被災地へ向けた 鎮魂歌ばかりで・・・申しわけないけど 苦手だったなあ!
自分のこと なーんにも 書いて なさそうで 苦手 だったんだなあ・・・!

彼の仕事は 誰にでも できることではないから 称賛に値することだと
おもっているけど やっぱり ちょっぴり 苦手だったんだなあ・・・!

「詩を書くことをどうおもっていますか」と 1度 たずねて みたい な・・・
権威を 愛してそうな ほほえみは 苦手だなあ・・・ ごめんね・・・

写真が載って インタビューに 答えようと
海外で 朗読をしようと それはそれで いいんじゃ ないのかな 好きだの苦手だの
言ってないで 案外 園児みたいに お砂場で 遊んじゃうかも しれないね え・・・
ビューン とかって ふたりで どこかへ
突きぬけちゃったり しちゃう かもね え!

わたしは 有名な 詩人ではないので 偉くなることなんて ないし 歩いていて 誰かに 見られることも ないから そのことは 好きだなあ! わたしは 死ぬまで 無名で 自由な 詩人で 在りたいと 願って いるから・・・

おもう ぶんには じゆう でしょ?

スマホで ネットを 眺めているのは 好きだなあ! Facebookや Yahooニュースに ズラリと 並んだ コメント欄を 隅々まで 読んだりするのは 好きだなあ! けれども 最近 飽きてきてきちゃったんだなあ たとえば 「蓮舫さん」の 記事などが 載ると 批判の コメントが 並ぶこと 並ぶこと!

あんまり 並んでいるので 最近は 嫌になってきちゃって 今は もう 苦手だなあ! 世の中には ひとこと 言ってやりたい ヒトたちが おおぜい 居るんだなあ そういうのって 苦手だなあ! ベッドで 寝返り打ちながら・・・ ヒマな ヒトって 多いんだな・・・って おもって

じつは 「蓮舫」さんって・・・ わたしも ちょっと 苦手なのね うるせえし・・・

近頃 下半身が 壊れてきて しまってるのは 苦手だなあ! 脳内の司令が 下半身まで 届いて ないのかしら? 50歳台なのに ペニスは 勃たなくなって 久しいし ビンボーですから ED治療薬など 買えませんし 尿が 出るまでに 20分くらい かかりますしね 失禁しないだけ いいかもしれないなあ・・・ 強い 下剤を使っているのに 便が 出るまでに 5日間くらい かかっちゃって そういうのって 便が硬くって 血が でちゃう それは 苦手だなあ!

わたしは わたしが 住んでいる 江戸川区って なんとなく 苦手 なの ね・・・!
( 江戸川区に お住まいの 方々 ごめんね )

江戸川区を訪れて 川幅が 広くて 川の流れや 河川敷が きれいな 荒川を眺めてくれる たいていの 人たちは ずいぶん 褒めて・・・くれるんだ けども ね・・・
何年か前の 明け方に 入水したくなって わたしが 何回も 荒川へ 行ったことが 思い出されるので とっても 苦手だなあ! 結局 怖れをなして アパートに 戻ってきて しまったんだ けども ね・・・

困った コトに なっちゃった のよ・・・NPO法人の 所長が 自分で「セクハラ厳禁」って ポスター貼ったり したのに アフリカのドラム 打ち鳴らしながら 自分のペニスを 見せびらかして しまって はしゃいで 女性も 男性も 皆んな凍りついてしまったけど それは 所長の 好き勝手だけど 所長のペニスって 歳とってるから にお
うの よ・・・

しゃぶるのは ぜったい 苦手だなあ・・・!

「現代詩が「進化」していくこと、「個」が、新たな詩を「表現」していくことは、現代詩 (表現) の必須のことがらだと、私は考えます。「進化しない」など、ありえないと思います。」

だとか 書いたりして しまったりするのって なんだか しつこいけど 好きなんだ なあ・・・

わたしが スヤスヤ 寝てたら さ・・・
15歳の 苺たちが・・・ベッドサイドで
ワーワー 踊りまくって る じゃないの!
「買ってよ」なんて ねだって ね・・・
「買ってやろう!」って 目をこすったら
みーんな 何処かへ 逃げちゃったよ・・・部屋は からっぽ・・・まさに からっぽなのよ 「わたしは 詩人」とか 言っても 反応 なし!! ぜーんぜん なし・・・!!

まさに わたしの 部屋って からっぽ!!
からっぽ だった のよ!!

 

 

 

オマケのある光景

 

工藤冬里

 
 

草が光っている
敵ではないものの中から
逆らって終結した忠実さが出る
子孫に抜け道は残す
決して殴り返さなかった僕に
また熱烈に会いたいと思っている
ということは
生きているのも同然だ
熱烈にとはゴムを引き延ばすこと
エイプリルフールが溺れた
BBCにも真面目な人は居るが今年は難しいんじゃないか
ヴァーノン・コールマンの最終兵器彼女は、
とか
冗談にならない

オマケ
#シン
シン・マヘル
シン・大久保

 

 

 

 

#poetry #rock musician

雨が降っていた

 

さとう三千魚

 
 

昨日は

日曜日でした

予報は
午後から

雨となるようでした

白い
車で

女と

法事に
向かいました

四十九日の法事でした
臨済宗なのか

お寺には
白隠の

半身達磨図が掛かっていました

法事の間は広く
窓々は

開けられていました

庭の緑が
光っていました

読経の後に
雨はふりはじめました

雨がふっていました
雨はふっていました

雨の音を
聴いていました

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

履歴書

 

みわ はるか

 
 

住所
山の中

性別
女性

年齢
30才

略歴
山や田んぼに囲まれた田舎に生まれる。
当時は3世代で暮らしていた。
みんな忙しそうに働いていた。
保育園に入る前は兄弟や近所の幼なじみと野山を駆けずり回っていた。
ひどい擦り傷はしょっちゅうしたけれど、ガハハガハハと毎日笑っていたなぁ。
と、実はこの辺りはこの程度の記憶しかない。

地元の家から徒歩15分の保育園に入園。
同じ組の友達は13人。
男子7人、女子6人。
少数精鋭でみんな仲がよかった。
わたしが階段から落ちて左手を骨折したときみんなが心配してくれた。
ちょっとヒーローになったような気分になった。
みんなで鯉のぼりを作り、プールで水をかけ合い、スイカ割もした。
園内のお祭りのカレー作りは新鮮な体験で本当に楽しみだった。
冬はわりとたくさん雪が降るところだったので雪だるまをこれでもかという程作った。
ウェアは水浸しになった。
保育園の先生は明るくてきれいな人ばかりだった。
卒園は悲しくみんなで泣いた。
小学校も同じメンバーだというのにね。

上記のように13人そろって保育園のすぐ隣の小学校へ入学した。
少し大人になったような気がして嬉しかった。
けれど、入学して数ヵ月たったころずる休みを数日してしまった。
保育園とのギャップでなんとなく行きたくなくなってしまった。
公園でぼんやり過ごしていたがやっぱりみんなや先生に会いたくて、その後はきちんと通った。
小学校時代、そろばん、水泳、英語の習い事をした。
どれもそんなに長続きはしなかったけれどいい経験になった。
ポケモン、モーニング娘、テレビゲームにものすごくはまった。
ポケモンゲームは特に育て対戦に勝っていくスリルがよかったし、モーニング娘は全盛期のメンバーでとにかくかわいかった。
ぬいぐるみ、カード、シール、何でも集めた。
大分捨ててしまったけれどカードはまだ100枚くらい残っている。
相変わらずみんな仲良しで卒業式をみんなで迎えた。
このころからなんとなく将来こういう業界で働きたいかもと思えるものが頭の中をフワフワしていた気がする。

4つの小学校が集まって中学校に入学した。
80人くらいで2クラスに分かれた。
色んな個性の人の集まりだった。
様々な理由で人と人とがトラブルをおこす所を何回か見たし、体験もした。
人が多いのは良し悪しだなと感じていた。
新しいこともたくさん始まって、このころからか、なんだか勉強を頑張りだした。
通信教育しながら長期休暇には隣町の塾にも通いだした。
部活はテニス部に入部したけれどわたしはへっぽこだった。
でもテニスという競技は楽しかったし、部員で出た駅伝大会は団結することの達成感を味わった。
きれいな汗をみんなかいていた。
今でもテレビでテニス中継を録画して見ている。
高校受験は併願校合わせて志望校2校に絞った。
最も通いたいと思った高校は、大学のキャンパスのような校舎で自由な校風に憧れた。

念願だった第1志望の高校に入学した。
同級生が320人(8クラス)もいたので本当に驚いた。
電車や自転車を駆使して片道1時間程かけて通った。
通学は苦ではなかったが、宿題が多く、本格的に塾にも入ったのでその宿題もあった。
勉強もものすごく難しくなったけれど、特に数学はきちんと道筋をたてればきれいな解答がでたので美しいなと思った。
文理選択は理系を選び(文系に進むことを反対されてしまったため)、世界史の授業中にはこっそり塾の数学の宿題をやった。
数学や物理は好きだったがどうにも化学を好きになれず、たまたま地元のおじさんが化学の教師だったため恥ずかしい思いをした。
学校はあまりにも人が多かったので気後れして、あぁわたしは大人数って得意じゃないんだなと認識した。
図書館、文芸部、美術部には部員でもないのによく出没した。
静かな空間が心を癒してくれた。
先生はみんな一生懸命に勉強を教えてくれた。
夜遅く質問に行っても嫌な顔一つせず対応してくれた。
この時、「大人って悪くないな、いいな」と、ずっと子供がいいと感じていたわたしの考えを変えてくれた。
わたしも社会に貢献できるようなこんな「大人」になりたいと心から思った。
今でも連絡をとる数人の友人ができたことは宝である。
自由な校風が辛うじてわたしをここにいさせてくれて卒業証書をゲットすることができた。
小学校のころからなんとなくと思っていた業界に絞って受験勉強をしたため(人生で1番ガリ勉)、現役で大学に滑り込むこともできた。

家から通える、自由な校風な大学生活がスタートした。
同級生は3000人くらいであったと思う。
実際関係してくるのは数十人なのだが、キャンパスを歩けば知らない顔ばかりだった。
臆病なわたしはおどおどしながら歩いていたかもしれない。
片道1時間30分~2時間であったけれど、電車や地下鉄を乗り継ぎ通っていた。
都会に住むというのはどうも肌に合わなかったからだ。
単位を落とさないように計画的に授業選びはしたし、ボランティア団体に所属し長期休暇は東京へよく行った。
バイトも様々なこと(飲食、花屋の裏方、旅館・・・・・)を経験したが、家庭教師は卒業までずっと続けたし自分に合っていた気がする。
「お洒落」というのもなんとなく感覚的に学び、色んな都道府県から来る友人の話や価値観は興味深かった。
「お酒」というものも嗜むようになりちょっぴり大人に近づいた気になっていた。
ここでも、数人今でも連絡をとる友人ができたことは宝となった。
就職活動も人並みにし、地元に決まった。

社会人というのは思っていたより大変だった。
仕事の責任、人間関係、プライベートの過ごし方。
社会人になれば自由になれると思い描いていたけれど、ここからがまさに修行だった。
信頼できる人の話を聞き、本を読み、友人の話を聞き・・・・・・。
やっとこさっとこ社会という軸を自分の中で受け入れられる様になってきた。
不安は今でも大いにあるけれど、あまり先を考えず「今」を生きることが一番楽なのではと思っている。
居心地の良いパートナーができ初めて地元を離れた。
今、ここである。
この土地で自分ができることをして過ごしている。
 

空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白空白以上
 

所有している資格
いくつか諸々

趣味
読書 文章を書くこと 散歩 温泉 サイクリング お茶を飲むこと

自己PR
居心地のいい環境で流動的に信頼できる人と過ごしていきたい。
社会に貢献できる人間でありたい。

 

 

 

ペダル

 

塔島ひろみ

 
 

がれきを積んで走ってきた
春の陽を浴び スックと 狼のように立っている
産業廃棄物運搬車第024295号
菜の花が似合う

私はこれから自転車で
年寄りからセカンドバッグを奪うために
川を渡る
年金を下ろした年寄りが、自転車の前カゴに金の入ったセカンドバッグを不用意に突っ込み、もたもた走る
私は遊ぶ金欲しさに 背後から追い抜きざまにそれを奪う
その実行現場へと
立ちこぎでペダルを踏み 橋へ続く坂をのぼる              
川の向こうは東京だ

左手に一面のネギ畑、菜の花、桜、そして
私が卒業した中学の校舎
その正門に続く畑の間の凸凹道を
国道からそれてトラックが一台 走っていく
幌がかかった大きな荷台を揺らし
畑の中にぽつんと立つ中学校へ トラックが向かう
ガタゴトと 次第に学校へ近づいていく
なぜか胸騒ぎを覚え 唇をかんで自転車をこぐ
学校では 私の後輩たちが給食を食べているだろう 
教室の窓から 近づいて来る大きなトラックを見るだろう
彼らは目をつぶり、祈るだろうか
チャイムが鳴る
チャイムの音が ここまで聞こえる

老人はペダルから足が外れ、傾いていた
左足で踏ん張りながら 右足をペダルに戻そうとするが
足がうまくかからない
「大規模環境創造型複合街区」の工事が進み
来るたびにきれいになっている、私から一番近い東京の
その、まだきれいになっていないパチンコ店裏の小さな道で
ボロボロの自転車のペダルがくるくると ぎごちなく回る
自転車と同じくらいボロボロの、老人の右足がペダルを追う 甲で位置を定めてから足を乗せようと試みるが
ペダルは逃げるように形を変え、 息が合わない
その間にも車体はさらに傾いて、老人の左足が入ったしみだらけのズボンがぷるぷる、ぷるぷると震えている

自転車はペダルだけが黄色に塗られていた

店がひしめきあっていた
弁当屋にも飲食店にも行列ができ
肉やパンを焼くにおいがたちこめる往来の片隅で
老人は一人黙々と戦っている
前カゴからコロンと、つぶれた空き缶が一つ落ちた
カゴには、年金が入ったかばんではなく、汚らしい空き缶が山盛りに入っているのだ

遊ぶ金欲しさに、前カゴに年金を突っ込んだ自転車を探す私の前で、
無益な老人は042495号産廃車のように孤独に、
最後のバランスを保ちながら立っていた

黄色い、菜の花のようなペダルを見つめ
私は自転車にまたがり右足をペダルにかけたまま唇を噛み息をこらし、
じっと祈る

 

(3月某日、葛飾区東金町で)