松田朋春
一日中コーヒーを焼いて
たまりかねた隣人が小言をいいにきた
ベランダではアスパラがぐんぐんのびて
いちごが赤くなって
めだかは一匹ずつ死んで
キャベツの芋虫がまた大きくなって
風がふくとすべてが揺れて
黄色い靴の夢をみた
あとでその意味を調べようと思って
もういちど眠った
何を書いても暗示してしまう
みんながつながってしまった世界に
ほんとうの他者はいない
一日中コーヒーを焼いて
たまりかねた隣人が小言をいいにきた
ベランダではアスパラがぐんぐんのびて
いちごが赤くなって
めだかは一匹ずつ死んで
キャベツの芋虫がまた大きくなって
風がふくとすべてが揺れて
黄色い靴の夢をみた
あとでその意味を調べようと思って
もういちど眠った
何を書いても暗示してしまう
みんながつながってしまった世界に
ほんとうの他者はいない
今朝も
5時に
スマホは振動した
モコと
女を
起こさないよう
ベッドを
離れた
部屋の窓をあけた
西の山をみた
晴れあがった
空に
燕たちは飛んでた
川面の虫を
捕っているのだろう
この季節
燕たちは遠く
南アジアから
渡ってくるのだという
遠い空を飛んで
この国の
家々の
軒下に
子どもたちを産み
育てて
帰っていく
朝
燕たちは曲線を曳いて飛んでいる
チキチキ
鳴いて
飛んでいる
赤い首をまわして飛んでいる
燕たち
風の中を
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
嫉妬するジャスミンはおだやかにものを言うことができなかった
金持ちすぎて女の子として育てられた
あっけらかんと夢を語ったので
マグロ船に売り飛ばした
嫉妬を宿してウグイス色の盲目に
生まれた時赤く、土地も赤く、スープも赤かった
自宅待機で髭が伸びた奴が多い
わかりやすい話をするのはなぜ大切ですか
空気に話すのはドルフィ
下書きからジャーゴンを削除せず置き換えてありふれた雲を演奏
全部貰い物で食べに行ったよ
一つ以上の見方があることも知っている
持ち出し袋に十九年分の責任を入れる
委ねられた二十キロの銀
持っていない人は、持っているものまで取り上げられる
川崎の馬
を念頭に置いて
クッキーの型を押す
エッヂがきれいだ
差し出すほどに愛して
エッヂが嘘つきです
できないからです
馬も愛さなければなりません
瞼がみどりの
感情を犠牲にして平和島記念を取り戻せ
他の人がすれば良い
最後まで蝕まれるのを許さなかった
端からみどりの腐食、
#poetry #rock musician
夕方
モコを
車に乗せて
港まで行った
海浜公園も
港の
駐車場も
閉鎖されていた
行き場もなく
帰って
近所を散歩した
小川の土手の韮の花の白く咲いている
道端には
オルレアの
花も
白く咲いている
オルレア
セリ科の花だという
芹の花も
白だ
秋田では田圃で育てていた
納豆汁に入れた
薬草なのだろう
一昨日みた
“火口のふたり”という映画を
思い出している
秋田が
舞台だった
象潟だろうか
海が見えた
西馬音内の盆踊りの景色もあった
セックスばかりしていた
男と女には
そうしたこともあるだろう
“火口のふたり”
もう
夜になった
西の山も見えなくなった
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
表層が剥ぎ取られ
惨めな層と交代する夜更けに
節節は散けて
投げ出された骨は
絵文字の丘で
発掘されるのを待つ
水枕ガバとある種の恐ろしい予期だけが骨となっているlol
耳鳴りの視野に検出されたされないで幸不幸は入れ替わり
警告なしで点滅する運不運を速報する
フォーマットされてからのDNAの回復はない
爆報とはよくも言ったもので
IT用語に換骨された器形を裏返しにして
戻ってはならない後ろを振り返らせる
後ろを安全に守ろうとする者はデータを失い
失う者はデータを生き長らえさせる
その夜、二人のデータが一つの寝床にいるだろう
一方は移動され、他方は消去される
その時二人のデータが(たぶん有機の)畑にいるだろう
一方はコピーされ、他方はごみ箱からもいなくなる
二人のデータが車なんでグラスは一つ〜とか偽って同じ瓶ビールから飲んでいるだろう
一方はクラウドに保存され、他方は共有を切られた前機種と共に消滅する
死体置き場には鷲も集まっているだろうlol
音の立ち上がりは敵味方をはっきりさせる
幸不幸運不運に関わりなくCOVID-19PANDEMICの間でも
だめなものはだめだ
顔の左右非対称が進む政治家のように
なぜ?と訊かれたら
終身パスポートをもらってもウォルトに愛は感じない、と答える
遠くの絵文字の丘から毎日摘んで来てくれたらだんだん感じるかもしれない
“彼(lol coxhill)の音楽にはユーモアがあったが、フリーの演奏は冗談ではないことを観客に伝える必要があると時々感じさせるものだった” (wiki)
愛しているか知るために試しているんです
行おうとします
しかも一生懸命にそうします
デレク・ベイリーとリチャード・タイテルバウムの二人のデータ(あまりおもしろくない)が左右対称性の後ろをあるく
鳥は鳴く
変わらないなら罔(クラ)く殆(アヤ)うい
#poetry #rock musician
わたしの詩の読みかたなんぞ
いいかげんである
なにをするのもいいかげんだが
詩なんかを相手にするときなんぞ
なににもまして
いいかげんである
けれども
いいかげんな読みかたをしてさえ
りっぱに引き込まれちゃったりするか
どうか
詩の見分けかたは
そこにあるような気がしている
いい詩というのは
読み手のいいかげんさを貫く
まるで
怠け者でぐだぐだで
あたまも悪い愚か者が
ふいに真の恋にだけは貫かれるように
いまとなってはいい思い出だ と よく 言う
これもいつか いい思い出になるよ とも けっこう 言う
ぼくのいま現在の感覚をしゃべらせてください
毎瞬毎瞬が発生即思い出です
いつの頃からかそうなってしまって
もう
ありありと発生即思い出です
一瞬一瞬なにかが起こったと同時に思い出として思い直しているのです
あ 洗濯機がピーピー言って
洗濯の一回分を
はげしく懐かしんでいる!
朝
5時に起きて
浜風に
HAPPY HONG KONG 2047 was disturbed by TOKYO 2020
のコンテンツをまとめた
昼前に
アップした
それから
広瀬さんのブロック塀の写真と
工藤さんの
少年という詩を
アップした
昼過ぎに
階段を降りていくと
モコと女がソファーで待っていた
昼食なしで
おしるこを食べて
また
二階で
アニュス・デイを
聴いてた
全てが貨幣に置換された世界に
その声は
いらない
辻潤は死んだ
たくさんの人が死んでゆく
汚泥に佇つ
人よ
汚泥に佇つ人たちよ
声は
与えられたか
夕方
モコと
散歩した
ノラたちがいた
西の山が雲に隠れていた
*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
上の△は下では▲か▽
△は正しい正しさ
▲は間違って正しい正しい間違い
▽は正しく間違った間違った正しさ
△を下で敷衍しようとすると必ず齟齬が生じる
その霊性を欠いた原理的な正しさは逆に下では間違い▲として現れる
間違い▲としてしか現れない、現れ得ない!
ほんらい正しいが故にいまは非難されているのだ!
そしてその非難にはじゅーーーうぶんな根拠が添えられる
添えることができる!
▲に対するそうした批判は絶対的に正しく間違っている!
正しい間違いである!!
正論とはいまはそうした正しく間違った▽のことである!
世の中とは正しい間違い▽でできているのである!
▽は絶対的に間違っているゆえにいまは正しいとされているのだ!
(▲や、△を知らない▲に対する▽の非難は「正しい間違い▽」でも「間違った正しさ▲」でもなくほんとうのほんとうに間違っているだけなのだが)*
それに対して正しさらしさ▲のほうも間違っている!!!
それは正しいからだ!!!!
圧倒的に正しい正しさだからだ!!!!!
正しいゆえに絶対的な正しさ△からは遠ざかっていく!!!!!!
正しさ▲がいまはいちばん間違っている!!!!!!!
正しさ▲のほうが間違い▽よりももっと間違っている!!!!!!!!
ゆえに正しく間違った間違った正しさ▽から非難されているのだ!!!!!!!!!
*(作者注)
#poetry #rock musician