雪折れの 響きや透きて 過疎の村

 

一条美由紀

 
 


背中に翼はなく、風に乗る声もない
だが、土に還る約束はある

 


3歩あるき、そして転べ。
5歩走ったら、居眠りしろ。

 


夕日が身体に染み込むと、記憶は穏やかになる。
いつも座っていたソファにあなたの影が見える。
私は承諾を求め、あなたは無言で答える。

 

 

 

朽ち船に 揺れて見上げる 冬銀河

 

一条美由紀

 
 


大事なことを伝えようとすればするほど言葉は軽くなっていく
そしてウソは上手く言わないと叱られる

 


ここは私の隠れ場所
波の如く引いたり満ちたりする意識の中で
同じ言葉を持つ誰かを待っている。

 


破壊と創造はガラクタな僕たちができること

 

 

 

草の絮 タマシイ光りて 夜を跳ぶ

 

一条美由紀

 
 


揺れて 奥へ
ニゲテニゲテ

私はワタシを閉じ込める
扉は錆びつき、窓は小さかったけれど、、

 


私が卵だった頃

 


10月19日
ベルを押す指先は黒く腐っている。
でもなぜ?
彼は今幸せな開放感に満ちていた。

 

 

 

”ぷ”は”ぷ”に”ぷ”と

 

一条美由紀

 

私は”ぷ”。絵を描く”ぷ”
”ぷ”は詩を書く”ぷ”に会った。
詩を書く”ぷ”の周りはいろんな”ぷ”がいる。
写真を撮る”ぷ”、映像を作る”ぷ”、歌を歌う”ぷ”
話す”ぷ”、歩く”ぷ”、犬のふりをしている”ぷ”
”ぷ”は”ぷ”が好き。”ぷ”は”ぷ”が作るものが好き。
共鳴し、増幅し、発酵する”ぷ”。

見える”ぷ”に潜む隠れた”ぷ”を見つけ出す。
”ぷ”の周りは”ぷ”でいっぱいになる

”ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ””ぷ”

ありがとう”ぷ”、幸せなのさ”ぷ”

 

 

 

ひと噛みに涙も忘る唐辛子

 

一条美由紀

 
 


「嘘」という名の私。切り刻むのが好きだった。でもいつも本当のことを言ってきた。

 


後悔の土塊が増えていく。幸せの植木鉢もいくつか増えた。
いつも混ざり合う。いつも喧嘩する。
何を植えようか、何を育てようか。

 


ハイウェイの先に広がるサボテンの楽園、
そこでの待ち合わせには間に合いそうにない。
多分、永遠に。そして永遠に。
私は永遠に。

 

 

 

蟻100匹の行進に続く。

 

一条美由紀

 
 


赤ずきんちゃんとばかり遊んでいたら、狼は鬼となって戻ってきた。

 


君を使い捨てにしないよ。

 


真実は言わない。言ったらつまらない。これは本当のことだよと嘘をついて楽しむ。
そしてまた真実を聞くこともなく、”お話”を綴っていく。