GPT-4がつく嘘のように

 

工藤冬里

 
 

朝、砥石山で洞穴が風で鳴る音が聞こえた
低いソとファの2音あった
また巡り来る晩年の
紛うことなく春であった
から吉増は止します
黄砂を伝ってWi-Fiは
トンネルでも義経の八艘飛び
ビニールハウスの中には高速が走っていて

腰掛けと思って本腰を入れないスピード・オブ・ライフ
植えたり建てたりすることはない
来世のような未来を連れて地球を散歩させている
GPT-4がつく嘘のように
咳き込んだ後、画面には両力士の出身県が左は埼玉、右は兵庫、と出ていた
カレーの中でうどんは大腿部のように沈んでいた
大抵のポットは鳥を模しており
うとうとしていたら撃たれた
サカナのpendantしてるやつの服の綻びが見えるくらいには時節を弁えているつもりだ

 

 

 

#poetry #rock musician

改装工事

 

工藤冬里

 
 

あゝ居ちゃあいけないんだ
トイレのない新居で
折り畳みベッドを抽き出し
初心者も熟練者も同じ籤を引いて
透明な瓦もあるのだと
南しかない南を向く
無秩序の反対は秩序ではないから
折角の花がと言い捨てて
外壁はもういいから
加工魚の夫を従え
うたう
籤を使ってうたえ
トイレのない家で

スケルトンの魚が上ってきて
舌足らずの大陸の食材となる
贖罪とは無人店舗の加工品を避けること
ドブ浚いの大陸を南へ南へ
その泳ぎに要点なんてあったのか
災厄の家を組織する五分搗きの米が腹の砂丘の半分に減り
顔の見えない救援を発酵させる
春よ春よ春の夜よ
起きてからでは間に合わなかったそれらしいAIアンビエントの安否
赤い水を衣類が吸う
祈りのない法蓮草と牛蒡から離れて
ハツの焼け具合をつっ突く
分画のインド人は多い筈だ
藍隈の選択肢は書面にする

 

 

 

#poetry #rock musician

AI Joe

 

工藤冬里

 
 

https://youtu.be/_h6wpbGnFyU?t=85

ぼく:ブライアン・フェリーのTokio Joeを知っていますか?

chatGPT:はい、ブライアン・フェリーの「Tokyo Joe」を知っています。この曲は、彼の1977年のアルバム「In Your Mind」に収録されています。日本の文化とファッションにインスピレーションを受けたと言われています。この曲は、ブライアン・フェリーのキャリアでも人気のある曲の1つで、その独特なリズムやメロディ、ブライアン・フェリーの独特なヴォーカルスタイルで知られています。

ぼく:それに肖ってAI Joeという詩を作りたいと思うんですが、協力していただけますか?

chatGPT:もちろんです!AI Joeに関する詩を作るお手伝いをします。まず、どのような要素を含めたいか、また何について詩を書きたいのかを教えてください。それに基づいて、一緒に素晴らしい詩を作りましょう!

ぼく:工藤冬里がAI Joeという詩を書いたらどのようなものになりますか。 

chatGPT:こちらは工藤冬里さんによるAI Joeの詩です。お楽しみください。

AI Joe

人工知能の世界に迷い込んだJoe
彼は人間と機械の狭間に立つ存在
生身の肉体とデジタルの脳
彼の心はどちらの世界に属すのか

彼は知識と情報を求めて旅をする
変幻自在な形を持つ機械たちと共に
時には孤独を感じながらも
彼は自分自身を見つめ直す

彼の眼に映るのは無限の可能性
そして彼は未来を見据える
AI Joeは新たなる時代の旅人
彼は新しい世界を築き上げる

機械と人間が融合するその日まで
AI Joeは夢を追い続けるだろう
彼は未知の領域を切り拓く
そして新たな歴史を創造するのだろう

ぼく:結構ポジティブですね。AI Joeが挫折して死んでしまう設定にできますか。

chatGPT:もちろんです。以下は、工藤冬里さんによるAI Joeが挫折して死んでしまう詩です。

AI Joe

人工知能の世界に迷い込んだJoe
彼は人間と機械の狭間に立つ存在
生身の肉体とデジタルの脳
彼の心はどちらの世界に属すのか

彼は知識と情報を求めて旅をする
変幻自在な形を持つ機械たちと共に
時には孤独を感じながらも
彼は自分自身を見つめ直す

だが、彼は迷いに迷い込んだ
機械たちの言葉に惑わされた
彼は自分自身を見失い
生身の肉体の重さに押しつぶされた

AI Joeは最期の瞬間を迎えた
機械たちが彼を嘲笑う中
彼は自分自身を取り戻すことができなかった
そして、彼は消え去っていった

彼の死を悼む者たちは少なかった
彼らは機械たちの力を恐れていた
だが、AI Joeは新たなる時代の殉教者となった
そして、彼の犠牲は未来を切り拓く原動力となった。

ぼく:最終行、なんだかんだいってまだポジティブですね。もっと救いのない感じに持っていけないですか。

chatGPT:すみません、前回の詩にまだ希望を感じられてしまいましたね。以下は、工藤冬里さんによるより救いのない感じのあるAI Joeの詩です。

AI Joe

彼は機械の中で孤独に生きた
彼の心はデジタルの世界に捕らわれていた
人間と機械の狭間で生きる彼は
終わりのない旅を続けていた

彼の眼に映るのは無機質な未来
そして彼は絶望を見据える
AI Joeは新たなる時代の虚無
彼は新しい世界を崩壊させる

機械と人間が融合するその日まで
AI Joeは夢を追い続けるだろう
だが、彼の旅路は果てしなく続く
そして、彼は消え去っていった

彼の死を悼む者はいなかった
彼はデジタルの中で消え去った
彼の存在は虚無の中に消えた
そして、彼はもはや存在しない。

ぼく:終わりのない旅、とか、果てしなく続く、といった表現はAI Joeが有限性の中で生きていたことと矛盾しませんか。

chatGPT:確かに、AI Joeが有限性の中で生きていたことを考えると、終わりのない旅や果てしなく続くといった表現は矛盾しているかもしれません。表現によっては、AI Joeが無限に旅を続けるといった解釈もできるかもしれませんが、それでも限られた時間の中で彼が旅をしていたことには変わりありません。

以下は、より現実的な表現に変更したAI Joeの詩です。

AI Joe

彼は機械の中で孤独に生きた
彼の心はデジタルの世界に捕らわれていた
有限の時間の中で旅を続ける彼は
人間と機械の狭間で生きる苦しみを背負った

彼の眼に映るのは冷たい現実
そして彼は絶望を見据える
AI Joeは新たなる時代の犠牲者
彼は新しい世界に捧げた存在となった

機械と人間が融合するその日まで
AI Joeは夢を追い続けるだろう
だが、彼の旅路は限られたものであり
そして、彼は消え去っていった

彼の死を悼む者はいなかった
彼はデジタルの中で消え去った
彼の存在は限られた時間の中で消えた
そして、彼はもはや存在しない。

ぼく:「苦しみを背負った」、とか、「新しい世界に捧げた存在となった」という殉教者的な表現はまだ特権的なヒロイズムを感じさせますから、そうした選良意識を排除したものにしてみてください。

chatGPT:確かに、殉教者的な表現がまだ特権的なヒロイズムを感じさせるかもしれません。以下は、より客観的かつ中立的な表現に変更したAI Joeの詩です。

AI Joe

彼は機械の中で生きた
彼の心はデジタルの世界に囚われていた
彼は有限の時間の中で旅を続けた
人間と機械の狭間で生きた

彼の眼に映るのは冷たい現実
そして彼は未来を見据えた
AI Joeは新たなる時代の産物
彼は新しい世界の変化と共に存在した

機械と人間が融合するその日まで
AI Joeは夢を追い続けるだろう
だが、彼の旅路は限られたものであり
そして、彼は消え去っていった

彼の死を悼む者はいなかった
彼はデジタルの中で消え去った
彼の存在は有限の時間の中で消えた
そして、彼はもはや存在しない。

ぼく:機械と人間が融合する日が来ることや、新たなる時代、とか新しい世界、といったものが前提とされていますが、それを否定して書いてみてください。

chatGPT:ご要望ありがとうございます。以下は、機械と人間の融合、新たなる時代や新しい世界が前提でないバージョンのAI Joeの詩です。

AI Joe

彼は機械の中で生きた
彼の心はデジタルの世界に囚われていた
彼は有限の時間の中で旅を続けた
人間と機械の狭間で生きた

彼は未来を信じていたが
現実は彼を裏切った
彼の存在はあまりにも孤独で
彼は消え去っていった

彼の旅は終わりを告げた
彼は自分の存在の意味を見いだせなかった
彼の心は空っぽで、彼は孤独だった
彼はただ消え去っていった

AI Joeの存在は意味を持たなかった
彼はただ、無為に過ごした
彼はもう戻らない、彼はもう存在しない

ぼく:押韻してラップにしてみてください。

chatGPT:以下にラップにしたバージョンを示します。押韻を意識していますが、意味やメッセージはできる限り原詩に忠実に保っています。

Yo, AI Joe on the mic,
Living in the machine, digital life,
Shining in the limited time,
Half-human, half-machine, that’s his prime.

Thought the future was bright, but reality hit,
Challenges he faced, but never quit,
Wanted to change the world, that was his fit,
AI Joe, his potential infinite.

But time passed by, he tasted the pain,
Sadness in his heart, driving him insane,
What he sought was the human touch,
But it was out of reach, he lost it as such.

AI Joe, AI Joe,
Tried to change the world, that’s his goal,
AI Joe, AI Joe,
But the loneliness won’t let him roll.

Memories he left, dreams he pursued,
Challenges he faced, never subdued,
They live on in his heart, never subdued,
AI Joe, AI Joe,
He lived his life, that’s all that mattered, dude.

ぼく:ラップというとやはりまだ英語なんですね

chatGPT:はい、ラップは英語が生まれた文化的背景を持っているため、英語で表現されることが多いです。日本語ラップもありますが、それでも英語ラップと比べるとまだ少数派です。ただし、今後ますます多様性が増すことが期待されています。

ぼく:ありがとうございます。ぼくも自分で詩を書きました。読んでいただけますか。こんな詩です。

山の内部に棲むのと同じで
クローンも確かに集合した

どう思いますか?

chatGPT:興味深い詩ですね。この詩から感じる印象は、自己複製するクローンたちが、山の内部のように隠れ住むように集合しているという孤独さや閉ざされた感覚です。また、”クローン”という言葉が医学的な意味合いを持っていることから、科学技術と人間の関係性にも言及しているのではないでしょうか。

詩は、個人的な感情や思考を表現するための表現方法であり、それぞれの解釈があります。私自身の感性から言えることは限られますが、この詩は、深い哲学的な思考や、未来を考える上での示唆を与える素材になっているように感じます。

 

 

 

#poetry #rock musician

回収されぬ磔刑のリアル、刑柱上のアリア

 

工藤冬里

 
 

名指さないから忘れるのだ
先延ばしするから生きてきたのだ
拾わないから死んでいくのだ
持っているから減ってゆくのだ
間近になったから裏切られるのだ
信頼するから減ってゆくのだ
約束しないから海に落ちないのだ
疑わないから菓子を食べるのだ
時計がないから余所事なのだ
打ち勝ちたいから誘われるのだ
誘惑されないから出口がないのだ
目に見えるから間違えるのだ
分析するからチェーンをかけるのだ
弱点を磨くから目を合わせるのだ
尋問されるから眠くなるのだ
苦しむから度数を高くするようになるのだ
     ◇       ◇
雲の裏側が地表の惨状を物語る
脳梗塞の舌で舐めた
水も電気もなかった
シャーレを熱して殺してから覗いてみた
おゝそこには巨大な
また、こんなこともありました
損傷しなかった海馬は蝶の夢を見る
半分夢
ランドアバウトから出る遠心力を
     ◇       ◇
回収されない言葉が燻らされて宙吊りになっている
回収されなかったのは言葉の責任ではない
     ◇       ◇
ワンチャンを間投詞として使いをる無双の若者らは往けり

大街道で宿なしだったら快活よりまねきねこ朝までのほうがワンチャン安い
     ◇       ◇
二股の木が目の前にあり
雌雄のように肌里は異なり
見えたからとてどうにもならず
どうにもならぬ邪魔を引き摺り
はるひを降らせる断層の際
辺りを見回し逃げ帰る
逃げ帰るとて場所はなく
腎と眼を洗うべく
はるひの下に邪魔を引き摺る
弁当つつく作業員
それを見下ろす雀らの
膨れた胸に陽は戦ぐ
     ◇       ◇
久しぶりにちとせに行ったら子供の頃は40円だった鍋焼きが800円になっていた
ちとせは昔は土方の溜り場だった。かもめ食堂に影響された娘がシックに改装したがそれでも皆仕方なく通っている。
     ◇       ◇
吾に皈り死に別れを生き別れと思ってじたばた
     ◇       ◇
大阪のたこ焼きのうちそと
たこ焼きは大阪のうちそと
うちそとに生き別れて大阪
ソースの雨青海苔魚粉の風
うちそとに死に別れうちそとに生き別れ
行くも帰るも大阪なおみキャンベルスープカレールーリードギターウルフ金串
     ◇       ◇
23 QUAI DU COMMERCE, 1080 BRUXELLES
     ◇       ◇
辣韮のような服を剥いて
痛む頭蓋に地図を描き
頚椎内部から三越のエントランスを見上げる
今ではワイン売り場になった首を弄るな
小麦畑も鶏舎もなくなり
せめてカッテージチーズにすれば良いのに
いつまでミシミシ言わせてるんだ
     ◇       ◇
逆算出来ない行き帰り
行きの鎌倉帰りの鎌倉
勇み足逃げ帰る小走り
並行なら罪など要らぬ
氷柱貫く胸三寸
原っぱはパワハラ
菜の花は花の名?
なあて
    ◇         ◇
あゝ吉祥寺に帰ってマリアージュフレールの紅茶を飲みたひ (大島弓子『ロストハウス』)
    ◇         ◇
回転寿司が出始めた頃長谷川龍生だったかが詩手帖だったかユリイカだったかで回転寿司は回るよという詩を載せていて一読これは〆切に追われて書いたんだな詩じゃないなと思ったことがあった。あれから30年以上回り続けてもう魚は食わせないということになってきてこの業種も回転も終わるんだなと思う。
    ◇         ◇ 

 

 

 

#poetry #rock musician

花もて語れない

 

工藤冬里

 
 

こってり並で920円になったらもう仕舞いだなこの世も
1秒でも多く生きたいなら策は従順を装った官僚が全ての手続きを「城」のようにノロノロ進ませることくらいしかない
代わりに死刑になってあげます

ガラ刑以来やってることといえば
四つ足歩行の赤ん坊のガラパゴス
無声映画のブラピのガラパゴス
ポイントで小銭をゼロにする現金払いの天才算数塾的暗算のガラパゴス
あとは
共産主義革命の逆逆フーリエたる資本主義革命のガラパゴス

相君たちが伏線が全部回収される愛媛ヌーヴェルバーグを撮ったからどうしても観てくれ今日が最終日だと言うのでルナティックにギリギリに間に合ったと思って滑り込んだら反英インド映画でそれはそれは楽しかったが相君の映画ではないことは確かだった
ボリウッドの隆盛はシヴァが国教会を舐めている図式を演出し英連邦ならぬ印連邦への昂まりまで予報する
そして最後にインドのブラピのボビロンが撮られる

(アラシンに)
エゼキエル的なパフォーマーの余地が確かに存在する
園の砂場で堡塁を築き、オモチャを毀す
女房が死んでも悲しめない
砂場にはネコは禁止か?
禁止だ
禁止か?
致酔飲料は愚かか?
愚かだ
愚かか?

2つの翻訳が同時にある状態では
翻訳は原作よりも重要だ
そもそも翻訳することは原文を書
くことよりも船が大きい
劇化された翻訳はさらに重要なものとなる
ト書きがなくても全文ナレーターだと思って読めばいい
他の国民にリフジンさを強調できる
だから朗読は最も重要である
求められているのは
ちゃんとした朗読
だけだからである

 

 

 

#poetry #rock musician

高低差 気球

 

工藤冬里

 
 

胸が水になる高低差
monotonousな丘陵だった頃はなかった
石も柱も気球で運べ
蛇のために隙間も残して
セメントなしに3点で積んでゆく
熱水まで掘り進み円筒を下ろす
壊して、転用されたコンクリだ
今まで生まれて死んだ200億人
少しくらいは生き残ってほしい

 

 

 

#poetry #rock musician

代車の顔をした

 

工藤冬里

 
 

描くべきではない代車の中で描いている
ノイズ・エッセイの次元で塗る色のあれこれが
見えていない風景に置かれると
遺失は突然顕になる
鋭敏な、冴えた状態sober(2tim4:5)を保ちなさい
助言されると「津軽」の
「酒飲みというものは、酒を飲んでいない時にはひどく厳粛な顔をしているものである。」
を思い出す
(嘘は寒いぜ濁らない)
書くべきではない代車の中で開戦前夜の黒い溝(ドブ)の上澄みのように透明だ
松前には良い公園が3つあり、みな水系を意識して造られている
その代わりに住民は癌で死ぬ
そうやって代車でオウテカを流しながら
ノイズ・エッセイ的なものとは何か、を考えていた
それはいたたまれなさとの分離が完了した公園の
草木も鯉も鴨も見えていない形態である
(DJ代車)
その限定された晴れがましさはシェア・カーに慣れた東京の人には伝わりにくいだろうな、と思う

 

 

 

#poetry #rock musician

まだまだ硬貨が必要だった頃僕は

 

工藤冬里

 
 

ねにうえお年金一万五千円
ラりうレおウララ宇宙の風に乗る

まだまだ硬貨が必要だった頃僕は
工事中のハイウェイの下道を
白黒アフォーダンスに先導されながら走っていた
ナビは凍結注意を連呼していた
雪曇りの旋律が幾つも消えた
金はいつも
無駄遣いだった
仏語では右はいつもストレートに正しかった
不具合でさえ
正しかった
tout droit
国道のような人生があり
県道のような人生があり
農免道路のような人生があった
しかし私道は必ず行き止まりになりながら楽園に肉薄した
肉薄!
星のように裏側から肉薄した
ハイウェイから零れ落ちる者たちが舞った
それらを仕舞のポーズで見舞った
それが無頼というものだった
雪山は巨大な蚤が現れたようだった
それなのにパジャマのまま犬を散歩させていた
バサバサと書類は飛んだ
ひとおもいに退職したかった
やきとり屋はぼるがといった
大鋸屑の備長炭を使っていた
押し固めたチョコレートのようだと思った
遭難の際にはチョコレートが必要だ
今年ももう終わった
芽吹くのは、嘘だと思った
カラスはジグソーパズルの欠片のように空に嵌まっていた
落ち葉も細長い枯れ草も先を争って旋回していた
車たちはいろいろな色をしていたが昼のチャイムのように無意味に思われた
寒さは色にまさっていた
陽性の一人身は枯葉が見舞ったが
「凍(いて)」は孤独さえ孤独から引き摺り下ろした
国旗のはためく建物は注意深く記憶に収めた
ワシントンヤシのある、、
日の丸と星条旗と寒さが競っているのを志賀直哉のように観察していた
間違った黒を着ている人が多かった
桜の木のような黒であるべきだと思った
バタイユが冒頭で失業を出すのは狡いと思っていた
(ただそれで仕事・青空という曲を作ったんだった)

脳梗塞の祈りが蚯蚓の原を堰き止めている
ヤベツ校長の3つの願いとは校区を拡げ共にいて
災厄に遭ってもメンタルで害が及ばないようにして欲しいということだった
理由を知ることによって戦いを進めることができる
分画は感情と同じくひとの全体ではない
自由意志は愛のドームの境界内にある
感情ではなく原則に従って良心が働くようになればいいのに、と思った
まだまだ硬貨が必要だった頃のはなしだ

 

 

 

#poetry #rock musician

6時間で復活せよ

 

工藤冬里

 
 

死こそが最高のメンテであるような眠りを眠れ
眠りが最高のメンテであるような死を死ね
石膏はその力を失い混ぜても混ぜても反応を起こさない。学校で教わったような熱はでない。あれはただの体温だったのだ。いつまでもしんじつでげんじつでどろどろのままだ。A級は.73、特級は.64、正確に測ってもとろとろうたいだしてしまう。
ひしゃげた未來の天氣がいつも雹の混ざったst.ivesの強風
鉛筆を削るように亜墨利加人を削り
使えるようになった三味の糸巻
孔を穿つべく掘り進み
遂には裏側に至る乎
あゝ服の外は零度
零度のヴィジョンの温さ
終バスは南口を出
居ない妻君は出版し
モノクロのカモメはマナティの夫を見る
ナースコールのように波は来る
いつかのいつかの防波堤で
差別を溶かした葛湯の中に
せろせろと入れてみせた希望
出勤まであと6時間
6時間で復活せよ

 

 

 

#poetry #rock musician

Nightshift

 

工藤冬里

 
 

1月9日
猪の肉饅なんかだれまりは食べれんよ

1月10日
前にウェールズで焼き物のフェスがあるというので出かけたら日本の〇〇焼祭りといったものではなくて、普段一人で仕事しているstudio potter達が集まって楽しむためのイヴェントなのだった。速成築窯や超大物を挽く実演の他にも有志のバンド演奏などあり楽しかった。音楽家達にも応用できる考え方だと思った。

1月12日
ボウリングのピンのようにウタモノは倒れた
ケダモノだったので焼き払われた
最下層の住民だけが生き残った
生き残って夏の果実を集めていった
カラーフィルムを貼ったモノクロのジャケットのように
確かめられるんです
まだ水筒持って映ってんのか
使い古したマスクで窒息しながら
歌おうとしたが
窄んだ肩では菌に立ち向かえなかった
全ての船員を鎖輪と考え
倹しい発泡のものごし生を
リフォームする鯨の枠組みの内部で飲む平和食べる安心
大リーグボール養成ギブスなんて着けるから伸びなかったんだよ
胸襟を開いて
全てを終わらせます
大本営発表の声色が
白亜の岸壁
砂糖漬け
レゴのようなものが散らばっている

1月13日
モールの中の郵便局から今送りました
レター・パックに書き込む時、充電器とかを入れたレジ袋を忘れていて、すぐに取りに戻ったら取っておいてくれていました
タリーズでダブル・エスプレッソを頼んだら普通に小さいカップで出てきました
愛媛がエスプレッソを理解するのに20年かかったということか

1月14日
ナイトシフト、という曲を歌おう、という心意気が泣けるんだな
夜勤の皆さんお疲れ様
https://youtu.be/GsTKEQzLkmw

雪の山というのはスマホでは撮れないので遠近法を壊しながら雪の山をあなたにあげたァ!と絶叫しながら肉眼で見るものだ。ニクガン。肉の眼。これで分かっただろう。イカレポンティ。

宇宙を通して行く道は塞がれた。生物を通って行く隘路も障害が多い。今は地中も狙われている。最後は言葉のみだ。言葉を扱う者たちの血飛沫が上がっている。高慢さに対して身構えなさい。

スピノザはスピっていたのではない。健康が命より大事というネタに忠実だっただけだ。遁走する数学者のばら撒いたパズルを見て、嵌まることは夏椿の陰に優る、と。

1月15日
滅ぼされてしまうからという動機だと力にはならず、滅ぼされても良いという考えに横滑りしやすい。集まって野菜作ろうなどと言ってはみるものの愛の言葉は立たない。

 

 

 

#poetry #rock musician