川岸で女たちは見つかる

 

工藤冬里

 
 

うっすらとはみ出してゆく
盤の外へ雪崩れて
水平の斜面を氷河のように

ガス抜きを見抜けても
本体に属していない党派性など
ボンベごと爆破された方がよい

不安は和らがない
サメに喰われるので街路は進めない
薬剤では治せない

はみ出た貝の中身のように絶望し
どこから始めてよいのか信号待ちして
探りながら
閉店だらけの街道の
雨に濡れた舗道をゆき
川岸で女たちは見つかる

晴れた日も雨の日も
はみ出たまま
碁盤の街を潰してゆく

 

 

 

#poetry #rock musician

美というよりも罪の匂いし彼岸花

 

一条美由紀

 
 


不便な天国より便利な地獄

 


ハグする時のやわらかい髪が言葉を伝える
笑い合う瞳は生きていい許可のよう
幸せや愛は儚いからそっと手のひらに隠す

 


色々あるよね?
うん、休みなしに色々と事は起こる
疲れちゃって、もういいやと思うことある
うん、やめたいな、、と思ったりする
でもなんとかね、どうにかね、明日も行くんだよね
うん、仕方ないよね たまにいいこともあるしね

 

 

 

あなたを見ました

 

原田淳子

 
 

 

書を焚く煙
燃える東の空の下に
あなたを見ました

あの子が塗った緑色
崩れ落ちた壁のなかに
あなたを見ました

オレンジが沈む河の底に

片足の猫が寄り添う隣に

並べられた白い布のひとつに

花柄のコーヒーカップの脇に

錆びた井戸の底に

引き裂かれたオリーブの枝に

向けられた銃の先に

あなたが愛したその土地から
あなたが去ってゆくのを見ました

 

*「あなたを見ました」韓龍雲への返詩として

 

 

 

fantasizing a clean conscience

 

工藤冬里

 
 

過渡的であることに甘えきってぶら下がっているわけだがそれには二種類ある
前に寄せるか後ろに寄せるかのどちらかだ
それは曖昧なので共闘のふりができるがそれだけに厄介である
いつか追われ地下に隠れることになる
幼児期から迫害者の顔をして
原因も結果もない娑婆の中で
期限切れの缶詰を開け続ける
靴底から結果は上って来る
その時間を知ることはできない

 

 

 

#poetry #rock musician