広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
ひっそりと越していった
色んなポーズで寝ていた
結局地下室は掘られないまま
常に泣き笑いの顔をしていた
よくインパクトを借りに行った
マキタだった
保護の膜が破れてから言葉は
文字型の木の玩具の剥き出しのようだった
#poetry #rock musician
災厄と混ぜ合わせて逃げ切ろうとする暗い馬が多い
腹を揉んでいたら悲しくなり
白い馬を呑んだ
逃げ馬が大井から逃げて
羽で道路が塞がっている
爆弾巻き付けペガサスは
JALのロゴを毟り取り
穴と砂利のwastesとなった茅場町の萱鼠の
総武線に対してさえいつも
黒眼勝ちの真顔でありとある失敗と紛失に関し
落とし物センターへの祈りのように開いている
白目の多いのが人間の特長だが
健気に対してはまなこ荒れの御節の黒豆
逃げ切ろうとして
#poetry #rock musician
手遅れ
という舞踏公演が
深夜
蒲団の中で
行われた
東京からは来るな
東京からはコロナ
コーコーコドハコドナ
クークーク ククドゥヌ
k k k rh k rh noh
#poetry #rock musician
花が好きだった
そのひとから
時折届く葉書には
小さな押し花があった
決まった時刻にパンと
少しのスープを食べ
読書もかかさなかった
彼女のひとりという時々を
孤独に思うひともいたろう
わたしには
ゆたかな彼女が思い出されるのだ
ひとつひとつが丁寧で
少しのおしゃべりに笑顔になる
昨冬のこの頃に
まったくひとりで旅立った
幼い頃に編んでくれたセーターの色も温もりもまだ残したまま
かつて彼女がそうしたように
年の瀬わたしも台所で
少しずつの正月料理をゆっくり作る
こつこつと
どこかで重なる
どこかで思い出す
そのひとは
優しい寡黙なひとだったと
出汁や醤油の匂いのなかに
彼女を
みるような
年の瀬
今年ほどの忙しなさを
異質な日々を
彼女が知らなくて良かったと
それだけは
くつくつと煮たつ鍋のその湯気に
写真の女性はかなりの確率で体の暖房全部切って街角に立ち尽くし、俯いて携帯画面を見ている
首を吊れば体温と気温が一緒になって S字の頸椎も直線になるがその代わりに十世代前の非嫡出子の記憶を無理に放流するので結婚はせずに消滅した方が良いのだといった挽歌の蛇行が痛みの三日月湖を作っている
#poetry #rock musician