その町は

 

工藤冬里

 
 

その町は
青シャツで警備する
建物の周囲を一通り周ると
中に消える

与えられないし
受けてはいけない
鬱金に染まった石油由来の

思ってもみなかった嬉しい経験

毀れたロボットは枇杷色をしており
青梅はもう無かった
2種類あるcosmosの
敵対する方を工場としたので
蛍は消えた
太陽は闇に月は血に
雨は真っ直ぐ振り下ろされ
無数のバットが地を打ち叩いた
いつまでもジュラ紀の泰山木と
枇杷色ロボットは
透明なスライドショーによってラファに到達している
この黄色い手帳には
不作だった梅のみどりい記憶が書かれている

そして
雨が止むこと
空に手書き文字
泣き喚く危機

 

 

#poetry #rock musician

あなたの議論は数式である

 

一条美由紀

 
 


鏡の中の私の顔は覇気がない
変顔で自分自身のウケを狙う
よし、先日買ったブラウスで仕事に行こう
イヤミを連発するあいつの顔が
靴を履いてる時浮かんで消える
評価4.8の居酒屋で集合のLINEを流す
噂話にゃ負けないよ
休日に2次元推しを観まくれば
ふわっと社会に慣れてゆく

 


苦労話が好きな男
不幸話を集める女

 


始めは抵抗のあったうそも
今は流行りのゲームのごとし
胸しめつける嫉妬も
自己を俯瞰するためのテクニック