家族 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 121     ayano さんへ

さとう三千魚

 
 

ゆれていたね

たくさん
時が

揺れていた

ピンクや
黄色や

白や

たくさん
たくさん

いつまでも
揺れていようね

 
 

***memo.

2024年12月14日(土)、
静岡市健康文化交流館「き・て・こ」の”き・て・こ祭”での”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第32回で作った121個めの即詩です。

タイトル ” 家族 ”
好きな花 ” コスモス ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life;

theʹle·ma

 

工藤冬里

 
 

包まれて
落ちて割れても包まれて
種子法に逆らい
栽培する揺るぎない
炭素追い出す鍛冶
リニューアルされ
限界がない
あらゆる局面に当て嵌まる完全さがギラリ
友よ羽織の妊婦よ
知らなくても良いことがあるのは良いことだ
包まれた餡は大成功
車輪の音
売春の街で
湧く水を上から見る
theʹle·ma
さまざまな頭蓋に響く言葉もしくは音波
昔の道に降り立つ
保険も入らずに
土を破り庇を圧し潰す
消失ですから
変わらぬ山影
四〇日間で何人に遭えるか
誰を探しているのですか
頭蓋に3D Rabboni!
仕事を任せまくるため
だけではなく
朝のひかりのなか
なんの服を着ようか
長時間は持たない
ふたたびやる気を起こさせる
余命なんとかのなんとかみたいに

 

 

 

#poetry #rock musician

武陽金沢八勝夜景

 

廿楽順治

 
 

途中
つまがころんだ

行き先がちがう
ということに気づいた矢さき

(つまづくものはさいわいである)

ようやく
その版画のある旅館についたが

三枚につながってはいるものの
暗くて
細部がよくみえない

それはむかし
ごく近くにひろがっていたはずなのに

ふるい旅館の外へでると

そこも暗く
夢の三枚つづきになっている

生きて
剥けたまま

それはつまの膝小僧のようでもある