廿楽順治
わたしの首に掛けられたこれを
なんとみますか
(天下ごめん)
その指先を水でぬらし
わたしの舌を冷やしてください
ぜったいやだね
ふたりの女がうすをひいている
きょうも
なんか命が重たいあたしたちさ
死人のなかから
よみがえってくるものがあっても
(pha!)
この世界の傷はずっとむこうにある
これをみなさんは
(pha!)
いったいなんとみますか
わたしの首に掛けられたこれを
なんとみますか
(天下ごめん)
その指先を水でぬらし
わたしの舌を冷やしてください
ぜったいやだね
ふたりの女がうすをひいている
きょうも
なんか命が重たいあたしたちさ
死人のなかから
よみがえってくるものがあっても
(pha!)
この世界の傷はずっとむこうにある
これをみなさんは
(pha!)
いったいなんとみますか
風なんだ
という
アネモネの青く
咲いていた
この世に
灰色の猫がいる
ふたり
いる
眼が
青い
六十年が過ぎた
風が吹いていた
ブロック塀の下にいる
咲いている
***memo.
2025年4月21日(月)、
高円寺の仮宿
jkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkhyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyk
、
kkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk
kkkkkkkmu
0
ooooooooooooooooooooooooo
999999999999999
999999999999999999にて
灰色の猫の”路地”さんとともに書いた”無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 124個めの即詩です。
タイトル ” がらん屋のエーコさんが好きな花だと言ったから ”
好きな花 ” アネモネ ”
#poetry #no poetry,no life;
昔々、大風が吹けばたちまち吹き飛んでしまうような、とんとバラック仕立ての犬猫ツインタワーがあったげな。
犬ビルの社長は、犬博士。猫ビルの社長は猫博士。世間では2人の博士を犬猫の、いや犬猿の仲だと噂しておりましたが、それは表向きだけのこと。ほんとは2人の博士は大の仲良しで、時々社長室の窓を開け放って、資生堂の「ナナチュラル・グロウ」をアカペラで唄っていたのでした。
犬猫ツインタワーの中には、それぞれ大きな事務所があって、それぞれ全世界の優良会社から派遣された100名の社員がデスクに陣取り、朝から晩まで、仕事のような、遊びのような仕事に従事しておりましたが、中には「あたし、墨田区のタバコ屋さんで働いてたのよ」と告白する中年のオバサンもおったげな。
そんなある日のこと、犬猫2人の博士がそれぞれ発表したラテン語の年頭所信表明の文書が、ふたつながらに意味不明なので、ミラノのスカラ座宛にファックスを入れたら、たまたま居合わせた指揮者のトスカニーニJr.が、たちどころに解読してくれました。
それによると、犬博士は「能登地震の被害から立ち直るには、世界最大の地震国イタリアに学ぶに如かず」と説き、これを受けて猫博士は「紀元62年のポンペイ地震とその17年後のベスビオ火山の大爆発を、テッテ的に研究せよ」と論じておったげな。
ようやく懸案の謎が解明されたので、犬猫ツインタワーの200名の全社員は、ビルヂングの窓を開け放って、例の資生堂の懐かしいCⅯソング「ナナチュラル・グロウ」をアカペラで大合唱したんだとさ。
するとどうでしょう。
その時早く、その時遅く、どこからともなく大風が吹き付け、と同時に犬猫ツインタワーを揺るがす震度10の大地震が天地を揺るがしたので、2人の博士と200名の社員たちは、ガタンガタンと大揺れに揺れる地上100メートルのツインタワーの窓から、全員大空に向かって投げ出されたのでした。
とっぴんぱらりのぷぅ。
「白いキャンバスに最初の絵の具を塗り付ける時は何時でも
一瞬、絵筆が、躊躇するの。」
まるでママが、出だしの言葉を躊躇するみたいに?
君が、逆さまにしたワイングラスから雲がこぼれて
空へ昇っていく絵を描いて、
「青空を青く、草原を緑で描くのは安直すぎ」
って先生に言われたそうだけど、
ママは、この優しい絵が好きだよ。
君は今、こんなにも優しい世界で生きているんだね。
「昔の身体をガブガブ食べて、わたし大きくなった」とか
時々突拍子もないことを言う君だけど、
真っ直ぐな気持ちで、
青空を青く、草原を緑で描いた、君の揺るぎなさ。
絵の具だらけの手で顔をこするから、
いつも、顔中、絵の具だらけ。
自分にしか描けない絵を追い求めて
何度も悔し涙の海に溺れて、
無責任な人たちの言葉に
気持ちが壊れてしまうこともあると思うけれど、
君がどこまでも自由に、
自分の描きたかった絵を見て嬉し涙をこぼすまで、
おぼれる こわれる こぼれる
とことん付き合うよ。
そんなことを考える私
の姿を描く君
の姿を詩に書く私
グラスの中の雲を飲み干したら、
私たち、空を飛べるようになるのかな?
そんな風に考えて
二人顔を見合わせて、
思わず笑みが、こぼれる。