広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
珈琲飲みながら 煙草吹かして
部屋のサボテンの棘の数 数えてる
棘で武装した小さなサボテン
そんなに構えるなよ
世の中 悪い奴ばかりだけどさ
また嫌な事 眠れない夜
悪いのは全部アイツのせい それでいいじゃん
お前が救われるなら
棘だらけのお前にも花は咲くんだろ
見た事無いけど
見せてくれよ いつかきっと
あれこれ探し回るより
目の前にあるものから
良いもの選びなよ
ちゃんと目を開けて
悪い奴ばかりじゃないかもしれないよ
そう 咲かせなきゃ
もう直ぐ春がくるってのに 咲かせなきゃ
名刺をうんざりするほど捨てた
すっかり捨てても
まだ出てきた
シュレッダーに通す
意外なくらい
顔を思い出した
もう
思い出さないだろう
すずめのひな
すて犬
かめ
魚たち
くわがたとかなへび
逃げていったひよどり
大切な犬と猫
これですべて
忘れない
後ろで扉が閉まる
ひとりだ
深呼吸をひとつ
そしてほほえむ
窓を開けて
餌を
やる
今朝も
窓を開けて
小鳥に餌をやる
西の山を見る
西の山を見ている
山桜が盛りあがって咲いている
川岸を
老人たちが歩いている
若い人が
走っている
どうなんだろう
横たわってた
道端に
そのまま
動かなかった
そこに花は咲くだろうか
そこに道はあるだろうか
あそびましょう *
あそびましょう *
子どもたちはそう言った
* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”(犬のための)本当のだらだらとした前奏曲” より
#poetry #no poetry,no life