michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

聴いてる

 

さとう三千魚

 
 

浜松から
帰って

聴いてる

“Into My Arms” *
聴いている

鯨は
いた

珈琲と
音楽と

本と
あればいい

そう
言った

一昨日
horioさん来てくれた

チェロ
弾いてくれた

バッハ
だった

チェロの響きを聴いた

モコを抱いて
眠った

ニック・ケイヴは歌っている

Into my arms, O Lord **
Into my arms, O Lord **

So keep your candles burning **
And make her journey bright and pure **

ともしびだろう

歌は
消えそうだ

だから
繰り返す

歌は無いだろう

だから
繰り返す

無い歌をうたう
無い歌をうたう

 

* ニック・ケイヴの歌曲”Into My Arms”のこと
** ニック・ケイヴの”Into My Arms”から引用しました

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

December Rhapsody

 

工藤冬里

 
 

高台が低い半泥子の曙はヨブとキチジローが逆三角の下の頂点に向かうベクトルを持つので備前の藤原のたまに出る絶対零度オレンジと似通った景色である。一旦白化粧を焼き締めてから1000度台の鉄の諸相を引き出す二度焼きなら、と思うがテラテラしちまわないか。
そうなるとオロッコや宮古の人らをアメリカがサポートすることになるからどう転んでもミャンマー状態の泥沼だろう
不眠荘から貰った豆、濃ければ濃いほど薄く感じる、バランスではなくフリーエネルギー的な絡繰?がしっとした濡れてない氷山の熱帯ウリン、墓。
ガザい
ギャサつく
無人販売焼餃子
画材屋
搾菜
佐賀県
ガザンオールスターズ
https://www.instagram.com/reel/C0fi4yQSUoZ/?utm_source=ig_web_copy_link

暗い日曜日。かわいが「もう少し生きてみようかな」なら大孫は生卵無料なのはいいけれど「もう生きててもしょうがないかな」だ
人生とはツアーの赤字のようなものである
次々と封切られる大事件を楽しむ振りをしなければならない
しかも途中で切符を車掌に見せなければならない
今日とは興醒めというサメに喰われることであり
明日とは霧にくるんだ後継者の餡である


やっぱりな刺客やったろ火の玉て線香花火の最後のやつやろ
穴ン吹工務店にアプローチするのは時間の無駄だ
落ちた実なら食べて良かったとでも言いたいのか

退職する時はジャンパーをクリーニングに出す

冬は蚊の楽園だ
きみがアイスの製造機を買うので百万くれと言うからいいよと言ってなんとか美術館の裏口から入ったがそういう夢は見ちゃいけないなと思いながら起きた
コウノトリが飛来したという
浅い池だ
すべては浅い池だ
ゴミと浮草が覆う
すべてのこの空は12月16日だ
イルミネーションに萎える無駄なノエル
マッチ擦る惨め露わな元締め
マルクスの方法で行けば、起源に遡るのではなくて起源と現在のあいだに爬虫類を置くしかないのだ。それがtorah的見極めと言い逃れの実相だ。
あゝなんて壮大な逃げ隠れなんだ。藝術まで巻き込んで。
torahを使った上祐的汎論、牛歩戦術、そしてtorahそのものの憲法改正でぐしゃぐしゃにすること以外にハガルの道はない

 

 

 

#poetry #rock musician

鳴き交わす

 

辻 和人

 
 

断じてこれ
泣き声じゃない
あぐっ、ンんげっ、うンっくゅあっ
ええーうっ、いぇあっ、だぁっ
っぬっ、ぇあ
朝寝から醒めてオムツ替えてミルク飲んだから
目は落ち着いてる
けど口せわしなく
開いたり閉じたり
あんげっ、コミヤミヤ攻めれば
うんぐっ、こかずとん応える
仰向けになったまま
互いの方に顔向けもしない
手足微動だにせず
口だけ開いたり閉じたり
ンくっ、えあっえあっ
何言ってるの?
意味なんかないよね?
声が出るようになったから試してみたくなっただけ?
いやいや
明らかに応答してるぞ
応答してるってことは
相手を意識してるってこと
コミヤミヤがばぶーっ、ばぶっ
とくれば
こかずとんがおぎゅーっ、おぎゅっ
断じてこれ
鳴き声だ
鳴き交わしてる
コミヤミヤの鳴き声の中にはこかずとんが
こかずとんの鳴き声の中にはコミヤミヤが
仰向けになったまま
2羽の小鳥
意味はないけど意味はある
2羽のせわしなく動く嘴から飛び出す
言葉の赤ちゃんみたいな奴
それにしても何て多彩な鳴き声
ぎゅきゅぐくぅ
おぅーくっ、くぅくっ
いつかこの複雑な響きも
枝切られて葉削がれて
「日本語」の響きに押し込められてしまうんだろうな
それまで存分に聞いておこう
泣いてるんじゃない
鳴き交わす

 

 

 

現れについて 11

 

狩野雅之

 
 


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FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
 

Description

 

意識はつねにすでに何ものかについての意識である

わたしとはわたしについてのこの意識である

全き偶然性によって何ものかがわたしに現れることは無い

見る意志のないところに像は結ばない

 
Masayuki Kano
 

 

 

この口

 

廿楽順治

 
 

手を洗わないでめしを喰っています

わたしは誰かと聞くな
この口に入ったものは真理

喰ったあとの声がおそろしいので
落ちたパンもたべる
その信仰は見あげたものである

父母のしつけは忘れた
死んだのはよくおぼえているが
生きたことは思い出せない

だから手を洗わない
理由は音をたてない

この口からでるものは
きたない影