HAPPY ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 96     tatsuki さんへ

さとう三千魚

 
 

じつは
つらかった

ながいこと
つらいこと

あった

でも
いま

ここが
しあわせ

たんぽぽの花が

咲いている

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った96個めの即詩です。

タイトル ” HAPPY ”
好きな花 ” たんぽぽ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

猫いない **

 

さとう三千魚

 
 

さっき

テーブルの
下を

通っていった

白と黒の
うしろ姿を残して

いった

猫いない
もういない

 

・・・

 

** この詩は、
2024年9月20日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第9回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

防具 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 95     mitsue さんへ

さとう三千魚

 
 

夏は
終わったの

かな

九月の空は
高いね

きみの防具
光っていたね

きみは

もくれんの
白い花が好き


言った

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った95個めの即詩です。

タイトル ” 防具 ”
好きな花 ” モクレン ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

せんぷうき ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 94     mei さんへ

さとう三千魚

 
 

九月の

青空が
高かった

雲が
流れてた

乾いた
風が

吹いていた

夏には

ピンクの花が
群れ咲いていた

さるすべり

百日紅と書くよ

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った94個めの即詩です。

タイトル ” せんぷうき ”
好きな花 ” サルスベリ ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

欲望 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 93     kouyama さんへ

さとう三千魚

 
 

おやじが

戦争から
帰って

わたし
生まれた

浜辺で
育ったんだ

黄色い花が
浜辺に

たくさん
たくさん

咲いていたよ

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った93個めの即詩です。

タイトル ” 欲望 ”
好きな花 ” 月見草(黄色い花、オオマツヨイグサか?) ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

アイスコーヒー ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 92     yuka さんへ

さとう三千魚

 
 

九月の

青空
から

雨は落ちてきた

雲は

早く
流れた

きみは
どこにいるの

春には
一番に

梅の白い

花が
咲くよ

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った92個めの即詩です。

タイトル ” アイスコーヒー ”
好きな花 ” 梅 (白い) ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

てんてこ ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 91     ando さんへ

さとう三千魚

 
 

てん

てこ
って

どうゆうこと

そらに
てこが

あるの

ろうばいは
どんな

香りがするの
黄色く

咲いていた

 
 

***memo.

2024年9月15日(日)、
松山 “Utaco Drip”にて、「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第28回で作った91個めの即詩です。

タイトル ”てんてこ”
好きな花 ”ろうばい”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

墓参から帰った

 

さとう三千魚

 
 

昨日の

新幹線の
最終のこだまの

ひとつ前のひかりで帰ってきた

鮭のおにぎりと
バターピーナッツと

ビールを飲んで帰ってきた

志郎康さんの墓参だった
ユアンドアイの皆さんとの墓参だった

“ユアンドアイ”は
“あなたとわたし”

志郎康さんが名付けてくれた

墓石には「遊極私」と志郎康さんの書が彫られていた

私を極めて遊ぶのか
極私は私の先にあるのか
私の先の私のいないところにあるのか

墓参から帰った

今朝は
女の従姉妹の

いくえちゃんにわたしが作ったカレーを届けた

いくえちゃんは
10月から台湾に住むのだという

カレーを届け
海を見に行ってきた

海には白子漁の船がたくさん浮かんでいた

九月の晴れた空に
夏の雲がたっていた

あなたとわたしがたっていた

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

名を呼ぶ

 

さとう三千魚

 
 

昼過ぎには
“Metamorphosis”を聴いていた

フィリップ・グラスの
“Metamorphosis”は

新丸子に居た頃
ひとりで風呂に浸かりながら聴いた

何度も
聴いた

いまは
もう

夕方を過ぎて

外は
暗い

暗くなって
高橋悠治のピアノで “「1886年の3つの歌」より「エレジー」” を聴いている

「エレジー」は
日本語で

挽歌という

いつだったか
竹田賢一さんの大正琴を聴いて挽歌だと思ったことがあった

午後に
モコの墓に行ってきた

女と行った

モコの月命日だった
9ヶ月が過ぎた

女は
線香を焚いて

モコ
モコ

名を呼んでいた

もう外は
暗い

高橋悠治のピアノでエレジーを聴いている

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

猫を待つ **

 

さとう三千魚

 
 

窓辺に
小鳥が来る

いつか
山鳩が来たこともあった

息をころして
見ている

餌を
啄んでいる

下の道を

隣家の
猫が通る音がする

黒猫は
首に鈴をつけている

 

・・・

 

** この詩は、
2024年8月23日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第8回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。

 

 

 

#poetry #no poetry,no life