工藤冬里
入る形が入らない形として浮遊する時
底冷えのする竹林の膝下に蹲っている
鉄板に香水
熱と湿気
細長い直方体の
退場と同時に終わる
アライグマの顔の白黒の割合のように
スヱズ
#poetry #rock musician
入る形が入らない形として浮遊する時
底冷えのする竹林の膝下に蹲っている
鉄板に香水
熱と湿気
細長い直方体の
退場と同時に終わる
アライグマの顔の白黒の割合のように
スヱズ
#poetry #rock musician
濃い紅色の花が咲く頃はとても嬉しいのに
薄く色づいた花が咲き始める頃
わたしは落ち着かなくなっている
毎年のことだ
と言い聞かせようとして
さて
毎年がここ数年は少しずつ異なっていることを思い知らされて
また落ち着かない心持ちになる
家の窓口になるというのは
不幸があってもお祝いがあってもさしてかわらないのだが
不幸が続くと
花をみる心も揺らぎ始める
墓参りを済ませ
すこし清々しく感じても長続きせず
年老いて気弱になり始めることばを吐く人たちに
ゆらゆら揺らされていることにも気がつく
平気な顔をしてそれらを片付けては
ため息のような空気がこころにたまっている
変化していくのはなにも子どもの頃だけではなかったのだ
大人になり年々季節が変わるのに追いつけなくなっているじぶんがいる
わたしの年齢にかつて暮らした親を重ねてみても
なんだか心許ないのは
そのひとたちに心底安心を得て過ごしてきていないからではないかと
責任転嫁してみる
いや揺れ動くじぶんを
操ったり宥めたりすることが
まだまだ不得手なのだと
思い知らされる気がする
春を待ちわびていたのは
何かが変わるからだった
いまはそうではないのかもしれない
日々新聞をひらくとそこには猫が乗り
撫でろと鳴く
一枚捲るのに宥め撫でながら
すこしの安寧がそこにあることを思う
猫は撫でて欲しいのか
はたまたそうではないのか
わからないまま撫で、ブラシをかける
気が変わりすとん、とジャンプをして
また寝入る猫に
羨ましいようなほっとするような不思議さ
春は嫌いだといえばいいのか
いや春は好きだ
いまのじぶんの心持ちが好きではないのだと
離れたじぶんがじぶんをみている
because the woman is going to aerobics
to the station
by car
I sent her
on the way home
I came back a shortcut along the river
Somei Yoshino cherry blossoms were in bloom along the river
flowers
concently
bright
in the evening
I’m going home
so the woman said
we had walked under the flowers with her mother
・
She wept like anything *
女が
エアロビに行くというので
駅まで
車で
送ってきた
帰りに
川沿いの
近道を帰ってきた
川沿いにソメイヨシノの花たちが咲いてた
花は
こんもりと
あかるい
夕方には
帰るよ
と女は言っていた
花の下を女の母と歩いたことがあった
・
彼女はひどく泣いた *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
一番大事な満月が明日です
血と体が目の前を過ぎるのを見守るという
一瞬だけのメモリアルですが
‘リアル’と踏みたいとは思いません
発酵は明日は罪です
松山は昨日は59人でした
マスクはよく忘れます
猫と目を合わせても負けなくなった
終活(ルビをアルシーヴ)に疲れたからかな
今日は39人
罹ったかも このまま治らないかなあ
#poetry #rock musician
awake
blue sky morning
windowside
bulbul standing
wild cherry blossoms were blooming in some places on the west mountainside
・
This poem is attributed to him *
目覚めて
青空の朝の
窓辺
ヒヨドリの佇む
西の山の中腹のところどころに山桜は咲いてた
・
この詩は彼の作品とされている *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
期日のない〆切は迫り 迫るほどに遠ざかるが 全ては同時だという考え方が 死を囲いに追い込む どの政府も悪く思わないようにするが 巷に捨てられた銀を見てから優先順位を定めてももう遅い 戦況はどうですか マタニティードレスの険しさの中に 平和の蟲は忍び寄る
#poetry #rock musician
ソファ ミーソドシーソレ ドーミーーードシ
ラーファレドーシー ド(ソソファミー)ー
「お風呂が沸きました」
夕食後、食器片づけてテーブル拭いた直後
これね
ウチの給湯システムで
お風呂が沸いたのを知らせる合図のメロディー
家を建てて最初にお風呂使った時
「あ、聞いたことある」
でも曲名は思い出せず
だからどうってこともないのでほっぽっておいたんだけど
最近になってわかりました
友人ち訪ねたら8歳のユミちゃんがピアノ披露してくれたんだよね
わざわざ白リボン胸につけてくれちゃってさ
かわいくお辞儀までしてくれちゃってさ
手首がこくっと傾ぐと細い指先から
どこか聞き覚えのあるメロディーが次々流れる
つっかえることなく演奏は進み
ソファ ミーソドシーソレ
ああ、これこれ
ぼくもちっちゃい時弾いたんだった
しかもピアノの発表会で披露したんだった
終わってにこやかにお辞儀
パチパチパチ 上手上手
楽譜見せてもらう
テオドール・エステン作曲「人形の夢と目覚め」
これだ、これだ
懐かしいなあ
「ミヤミヤ、お風呂沸いたってさー」
キッチンもテーブルもきれいになったことだし
ミヤミヤがお風呂入っている間
ちょっとお姉さん型にバージョンアップしたユミちゃんをお招きして
7歳だったミニかずとんの発表会の様子を覗いてみましょう
ユミちゃんさん、どうぞよろしくお願いします
「こちらこそ、よろしくお願いします」
さて、ミニかずとん、紺のブレザーで紫のネクタイ締めてますね?
「まあまあでしょうか。おかあさんにやってもらったのかな。
歩き方がぎくしゃくしてカッコ悪いですね。
下ばかり見てないでもっと頭を上げた方がいいですね」
はい、今でもミヤミヤによく「頭上げっ」と言われます
椅子の調整が終わって演奏始まります
最初は人形が眠りにつくパート
ソーファ ミーファ ソーー ミーー
「うん、出だしは悪くないね。
左手の分散和音もしっかり弾けてる。
あ、腕が交差するトコちょっともたついたかも。
練習曲では腕が交差する場面あんまり出てこないから。
でも、お人形さんがだんだん眠たくなってくる雰囲気がよく出てると思います」
ありがとうございます
しっかし顔はのっぺり無表情だね
ユミちゃんさんみたいににこやかな感じは出せないのかな
次はいよいよ
ソファ ミーソドシーソレ ドーミーーードシ
ラーファレドーシー ド(ソソファミー)ー
「お風呂が沸きました」でおなじみ、人形が夢の中で遊ぶパートです
や、さっきよりお目々尖がってるか
「テンポ速すぎるかな、アガッてるかな。
肘、開きすぎ。
どんどん速くなってる、速くなってる、
左手追いつけない、あーあ、はずしちゃった。
まあ、仕方ないですね。
遊んでれば転ぶこともありますよ。
まあ、お人形さん、はしゃぎすぎちゃったって考えれば
まあ、たいしたことないですよ」
おーっ、さすが
ユミちゃんさん、お姉さんですねえ
おっと、次のちょっと哀調を帯びたフレーズ
ミレ# ミーシレドーシラ シーミーーーミレ#
ミーシレドーレミ レ(ソレレドシー)ー
立ち直ってきたかな
「さっきちっちゃく深呼吸してましたよね。
落ち着きを取り戻した感じでなかなかいいんじゃない?」
はぁ、ありがとうございます
また「お風呂が沸きました」のフレーズに戻ってこのパート無事終了
ミドソッミドソッ シッレッレー
レシソッレシソッ ドッミッミー
ミドソッミドソッ シッレッレー
レシソッレシソッ ドッミッドッッ
人形が夢から覚めて動き出すパート、だけど
「うーん、さっきの失敗が尾を引いて
慎重すぎ、テンポ遅すぎ。
お人形さん、朝の体操するよって勢いの曲なのに
溌剌としてないなあ。
ミニかずとん君、男の子なのに打たれ弱すぎ」
ユミちゃんさん、「男の子なのに」なんて言ったら
ジェンダーバイアスかかってるって文句言われちゃいますよ
「平気平気、だってミニかずとん君が弾いてるの1971年なんでしょ?
この時代だったら平気ですよ」
そういう考え方もあるかあ
「でもまあ、安心して聴けるかな。
おっとりした曲になっちゃったけど
夢から覚めて二度寝するお人形さん、って考えれば、ね」
ミニかずとん、口を一文字に結んで
安全策を取る決意を露わにしているぞ
ミドソッミドソッ レシソッドッ
ミドソッミドソッ レシソッドッ
ドドーーッド ドーーー
終わりました
パチパチパチ
「とりあえずちゃんと弾けたよ。うまいうまい。
お疲れさまーっ」
ミニかずとん、ほっとした顔で椅子から降りて
両手を両脇にぴったりくっつけて
ぎこちなーくお辞儀
ぎくしゃくぎくしゃく
舞台の袖に退散
ユミちゃんさんもありがとうございました
「どういたしまして。楽しい演奏聴けて良かったです」
お世辞もお姉さんっぽいユミちゃんさんでした☆
ミニかずとん
思ったよりちっちゃかったな
思ったより緊張してたんだな
思ったより臆病だったんだな
かずとんが無駄遣いしなかったり出世しなかったりするのは
この頃からの思い切りの悪さからきてるんだな
大丈夫、そういう部分はさ
いつかミヤミヤっていう
決断力バツグンの女の人が現れて
しっかり補ってくれるからさ
そのままでいいんだよ
だいぶだいぶ未来の話になるけど
ぎくしゃくぎくしゃく
いいんだよ
「かずとーん、上がったからお風呂入ってーっ。
後でお風呂場で上着干すからハンガー2つ持ってきてーっ」
はぁーい
それじゃ、明日の晩もよろしくね
ソファ ミーソドシーソレ ドーミーーードシ
ラーファレドーシー ド(ソソファミー)ー
「お風呂が沸きました」
土地に向かってこう言う 終わりが来る! このあなた(土地)という女性単数形の 大凶大風呂敷たる四隅の 翼の果てにまで終わりが来ている 今土地に終わりが来ている 土地に怒りを送り、道に道を被せて虐待の責任を問う
no way やってしまったことの報いを受け、ピラミッド内部の死体の処理に苦しむ 災いが来る 類を見ない災いである 耳鳴りの果てに終わりが来る 終わりは必ず到来し,この土地のために必ず目覚める 終わりは来て,女性単数形に襲い掛かる それは来る 花輪が必ず男性単数形のあなた(住民)のもとに来る この土地の住民(あなた)の番が来た その時は来る その日は近い 混乱がある 山々の叫びではない 百姓の喜びはない もうすぐ全住民にデキャンタからあかい怒りを注ぎ切る 道を道で覆い、忌まわしさを結審させる もったいないとはもう思わず、同情もしない やってしまったことを中身に注ぎ、ワクチンより苦い結実が内部に居据わることになる 打たれていることを知らなければならなくなる その日が来る! それは来る! 朝、葬式の花輪は出て行った プーチンと習近平の杖に萌芽としてのバチカン停電の花が咲いた イーロンマスクに僭越が芽生えた この住民の番が来たのだ 虐待昂じて邪悪の杖となった 富も、群衆も、名声も残らない その時は来る その日はやって来る 買い注文の人は喜んではならず、売る人は悲しんではならない 激怒は住民全てに向かうからである 土地を売却した人は,たとえ命拾いしたとしても、そこに戻ることはない 預言は住民全体に対するものだからである 誰も戻らず、過ちのせいで誰も生き延びることはない ラッパが吹かれても、誰もバチカンを助ける戦いに行かない 憤りは住民全てに表されるからである
外には闘い、内には怖れ 自宅待機の部屋の中に疫病と飢餓がある 生き延びて逃れた者は山々に行き、谷間にいるハトのようにくーくーと過ちを嘆く 銃剣が追い付くと抵抗する気力も失くし、失禁する ユニクロを纏う住民は震えに襲われた 皆恥ずかしくて、どの頭も禿になる 住民は自分たちの銀を通りに投げ捨て、自分たちの過ちの元となった金を憎むようになる 銀本位制も金本位制も激怒の日に住民を救うことはできない 箪笥預金紙幣も使えず、自分たちの腹を満たすことができない 住民に背を向ける 強盗は偶像の金を持ち出して汚す 逃げないように鎖を作りなさい この土地は冤罪の死刑だらけで、暴力に満ちているからである そして 国々の中でも最悪のヤンキーみたいなのを連れて来る 樺太とか尖閣とかきみの家とかを手に入れる ネトウヨの誇りは奪い去られ,不動産は外国人に売却される no peace for the wicked 災難が相次いで降り掛かり、次々に闇動画が届き、人々はユーチューバーの占星術師に預言を求めるが、未来予測の占い師は教えることができず,セミナー経営者は助言を与えることができない 王は目の前で家族を殺され、Qはユニクロを着たまま絶望に陥り、住民は恐怖で手が震える 行いに応じて扱われ、裁いた仕方で裁かれる
#poetry #rock musician
morning
I woke up
when I open the window
there is the west mountains under the blue sky
I’m surprised at what is natural
wild cherry blossoms are blooming in some places on the mountainside
“Poetry seems to be by the side and is the core of life” **
so
that person said
this morning
with the CD borrowed from Harutaka Mochizuki
listening to Yuji Takahashi’s “The Art of Fugue”
“Fugue is not a musical form like a sonata form, but a technique that weaves various polyphonic developments from a given melody.” ***
so
Yuji Takahashi writes in the commentary on the CD
“weaving various polyphonic developments from the given melody” ***
what is
“Various polyphonic voices” ***
what is
whose voice
wild cherry blossoms are blooming in some places on the mountainside
I don’t know
but I hear it
・
The airplane was lost to sight *
朝
目覚めた
窓を開けると
青空の下に西の山はいる
あたりまえのことに
おどろく
山の中腹のところどころに山桜は咲いてる
“詩は傍にあるようで生の核なのです” **
そう
そのヒトは言った
今朝は
望月治孝さんから借りたCDで
高橋悠治の”フーガの技法”を聴いている
“フーガはソナタ形式のような音楽形式ではなく、あたえられた旋律から多様な多声展開を織りなす技法である” ***
そう
高橋悠治はCDの解説で書いている
“あたえられた旋律から多様な多声展開を織りなす” ***
とは
“多様な多声” ***
とは
だれの声
だろうか
山の中腹のところどころに山桜は咲いてる
わからないが
聴こえる
・
飛行機は見えなくなった *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
** 鈴木志郎康の言葉.
*** 高橋悠治CD「フーガの技法 J.S.バッハ自筆譜による初期稿」の高橋悠治による解説から引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
in the evening
I went home
on the sofa
slept
I woke up at midnight
the woman was watching a sumo broadcast recording on TV
Daieishō
he won
I put moco in a cage
moco
was quiet
I went to bed alone
lying down
I stretch my legs parallel and straight
I stretch my arms straight in parallel
head position
back position
adjust
then
all
disappear
today
poetry
I didn’t write
・
How shall we deal with this matter *
夕方に
帰った
帰って
ソファーで
眠った
深夜に目覚めた
女はTVで相撲中継の録画を見ていた
大栄翔
勝ったんだね
モコをケージに入れた
モコ
静かにしていた
一人
ベッドに行き
横になった
両足を平行にまっすぐに伸ばす
両腕も脇に平行に伸ばす
頭の位置
背中の位置
整える
そうするとなくなる
全て
なくなる
今日
詩を
書かなかった
・
この問題をどのように処理しましょうか *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life