新縦型物語

 

工藤冬里

 
 

大きな物語も小さな物語もベクレもヘタレもワクもヤクも
転生した竜や清掃員のフリした金持ちの新縦型物語のアドレナリン分泌に如かない
大なる者も少なる者も
マッチ強迫とジェノサイドゲームアプリのドーパミン過剰となって
思い出した鮎川さんのこと
スーパーマリオをやりながら死んだ抒情詩

 

 

 

#poetry #rock musician

ひー頑張んな

 

工藤冬里

 
 

決定する能力は批判されるべきではない
昭和に鞭して
身体の決定は常に「眠れ」
終わりの時代に工藝性は必要なのか?
そうやって結論ありきでAIに相談してるといつかヤラベアム化するぞ

 

 

 

#poetry #rock musician

光市

 

工藤冬里

 
 

家々の色はとりどりで
晴れ晴れとはしていないけれども
とりどりで
クラフトマッコリのブリューワリーもあり
中国名の寸劇が街を覆う

分裂症つまり統合失調症が全体性への無理矢理の回復であるとしたらそれは、 部分と部分を劇的に結びつけようとするという点で知恵と似ている。 資本主義が全体主義に吸い取られる際に使われる物語がおどろくほど無理矢理で劇的なのはそのためである。

角谷の箴言めいた口調
例えば道を歩きながら「すべてに逆説がある」

ゑでぃまあこんのハロー警報はニルヴァーナの後だったが、 角谷のハローシカはソ連邦崩壊前だった。《故に》角谷はソ連邦を崩壊させたのだ。

 

 

 

#poetry #rock musician

過去過去の幸福

 

工藤冬里

 
 

過去は存在していなかった
未来が過去を決めていくのだった
2012年のヒッグス粒子発見の未来の前、ファシズムの台頭する1930年代にエリオットは「荒地」でこう書いた
what might have been and what has been
point to one end, which is always present
詩は、いいところまでいっていたのだ
現在過去未来は同時に生起する泡として観察される
全てを知っているわけではないがそのステージに参入しているというのが実相だ
正確であろうとすればするほど狂うので観察者としては断念しなければならない
重力というより欠落
つまり貧乏を鍵とし餓死した大過去を黒穴として眺めるのだ

 

 

 

#poetry #rock musician

水道水を飲む女

 

工藤冬里

 
 

水道水を飲む女
水道水を飲む女が
バリケードにピアノを運び込み
白昼の奪略を懼れない
白昼の奪略を懼れないのに
スマホを持って寝落ちする
スマホを持って寝落ちするが
大きな穴が三つ開いていて
画像に幼稚な処理を施している
幼稚な処理を施しているのに
シドンの港を領有していない
シドンの港を領有していないことが逆に良かった
兎にも角にも臨終だ
ゼブルンもきばるんも金を遣えシン年度
海辺​で​何​も​せ​ず​に​座り
港のそばに​とどまっていた
港のそばに​とどまっていたので
選挙期間中に鹿の優美は失われた
鹿の優美は失われたが
晴々とキラキラ体調を整え
いつか本当のことを話す
いつか本当のことを話すと
水道水を飲む女は金魚のように出てくる

 

 

 

#poetry #rock musician

pleonexia

 

工藤冬里

 
 

店ではなく家で水を飲むことはできるだろうか
くまからの誘惑に引っ掻かれ
テキ屋の儲けはアンナスに
食い尽くされた蜂の巣
顔が右に傾いているのでいらいらする
水浴びの見当はついていた筈だ
髪型が多様で同じ種とは思えない
馬場も老けたなあ
消しゴムのないデッサン
とうとう紫を混ぜ合わせ始めた
プレオネクシア
晴れ晴れの振れ幅

 

 

 

#poetry #rock musician

Like snow in summer

 

工藤冬里

 
 

首を傾げて
塗り固めた本能を
屡々強く糺される必要があった
一方的な推論の矢が
耳を吐く戦場では矛盾していない
転がした石が戻って来て潰される
食べるのも億劫
Am not I in sport? 悪戯をしてはいけません
仙台育英がモーニングの目玉焼
羽のインスタが駐車場契約を吐く
9月になれば
新しい言語が始まる
食糧難は陣痛のはじまり
飽和状態で推移する暮らしは終わる
地震の規模ではなく苦しみの多寡で判断される
4355年前
売り場に豆腐が並んでいる
切り分けられて服している柔らかさ
紋章は狼のよう
チャラチャラしたバリエーションはあるけれども汚名を晴らすことが中国ショートムービーの王道となっている以上
誰が上帝かという法廷は必ず開かれなければならない
青い嘘としての球
二の腕の弛み

 

 

 

#poetry #rock musician

無防備都市

 

工藤冬里

 
 

無防備都市は灰とピンクか黒と薔薇か
世界政府であろうと信頼できない
右目を押さえると黄緑が湧き出る
魚は食べない
今ゲームしてるからちょっと待って
今や彼らはしようと思ったことを何でもできる?
煉瓦で塔は建てられない

駐在!Ambassador

大夏では共産主義は根付かなかった
大使はバージョンアップされてゆくゲームに沿って盛大な平手打ちの音を立て
世界の半分と顔の雛型を生産し
滅ぼしてから返す
あとは父に直接言ってくれ

駐在は朝からラーメンを作って死んだ、
と未亡人は懐古した
遺影は笑っていた
イエイ

 

 

 

#poetry #rock musician

Pella 或は一時的な娯しみは

 

工藤冬里

 
 

詩の場所で寝ているなら
寝シャカになってしまってそれは間違いだ
口中血を流しながら寝るのだ
やられたらやり返してもらえ
相対的に価値が低いので
時計を囮に使うな
娯しみよりも深くdeeper rooted
うれしさよりも輝きradiant
表現的demonstrative
瑠璃色の窪みが琉球ガラス
5時頃
蛍に続いて最期の挨拶に来たかなかなをビーリールしようとするのは間違いだった
ペレアで透明にされ、
紫の壁に引っ掻き傷の通報

 

 

 

#poetry #rock musician

機序

 

工藤冬里

 
 

機序の見えるグラサンで裏返ったカブトエビを見る久し振りの白人映画
今から止めなければ真珠は買えない
求めて見つけるか偶然に見つけるかは関係ない
緑蒼いキャベツの海の町は破壊されました
夫はとうに亡くなりましたいい人でした
いくらか自由に暮らせましたがシオンとは機序であり地球上にはない
高所作業にヘルメットが必要なので希望を与えましたが何をしてしまったかではなく今何をしているかです
bouleとか主体の詩を止めなければならない時がやって参りました

 

 

 

#poetry #rock musician